一方のAMDは、9月初旬にCPUの価格改定を行い、値頃感を高めた。特に最上位のPhenom X4 9950 Black Editionは2万8000円前後から2万2000円弱に大幅ダウン。その後もゆるやかに価格が下がり、9月末には2万円前後となったが、ここでTDPを140ワットから125ワットに下げた新バージョンのPhenom X4 9950 Black Editionを投入している。初回から2万2000円前後の低価格で、まずまずの売れ行きをみせているようだ。
それでも、インテル製CPUからのシェア奪取は厳しい状況だ。あるショップは「2008年になってからインテルの優勢は揺るぎません。TDPにしろ処理性能にしろ、圧倒的に勝る部分が出てこないとAMDは厳しい戦いを続けることになるでしょう」と予想する。
そんなCPU市場とは対照的に、グラフィックスカードにおいては、AMDの快進撃が続いている。9月10日に登場した、ミドルレンジクラスの新GPU「RADEON HD 4670/4650」を搭載したグラフィックスカードは、すぐに複数のショップの人気上位に上がり、現在も供給量が追いつかずに品薄の状態だ。価格はRADEON HD 4670搭載カードが1万円台前半で、同4650搭載カードは1万円前後となっている。
なお、9月30日には、米AMDでGPU事業を指揮するリック・バーグマン氏がアキバを訪れ、いくつかのショップで同社製品の販売状況などを視察。好調なRADEONシリーズの売れ行きにうれしそうな表情を浮かべていた。
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