“華麗なるミニノート”――ASUS「Eee PC S101」の真価を問う(前編)新旧モデル対決も(2/4 ページ)

» 2008年11月14日 11時50分 公開
[前橋豪,ITmedia]

インタフェースには薄型化の弊害も

 薄型で軽量になってもインタフェースの構成が従来機と変わらない点は評価したい。合計3基のUSB 2.0ポートをはじめ、アナログRGB出力、ヘッドフォン、マイク、SDメモリーカード(SDHC対応)用スロット、30万画素のWebカメラを搭載している。

 ネットワーク機能についても、100BASE-TXの有線LANをはじめ、IEEE802.11b/g/n(11nはドラフト2.0)の無線LAN、Bluetooth 2.0+EDRを標準で備えており、常に携帯して利用するNetbookとして満足のいく装備だ。

前面にインタフェースはなく、薄く仕上がっている(写真=左)。背面にはSDメモリーカード(SDHC対応)用スロット、アナログRGB出力、有線LAN、電源コネクタ、盗難防止用ロックコネクタが配置されている(写真=右)

左側面にあるのは2基のUSB 2.0のみ(写真=左)。右側面には1基のUSB 2.0とヘッドフォン、マイクの端子がある(写真=右)

 ただし、ボディの薄型化を優先したため、インタフェースのレイアウトにはそのしわ寄せも見られる。左側面には2基のUSB 2.0、右側面には1基のUSB 2.0とヘッドフォン、マイクの端子があるだけで、アナログRGB出力、有線LAN、ACアダプタ用のDC入力、そしてカードスロットまで背面に移された。

 3基のUSB 2.0ポートが左右に分かれているのは相変わらず使いやすいが、頻繁にSD/SDHCメモリーカードを着脱するユーザーは、背面にあるスロットにアクセスするのが面倒に感じるかもしれない。もっとも、カードスロットは背面とはいってもボディの端にあるので、慣れればスロットを直接見なくても手探りでカードを着脱できるだろう。

液晶ディスプレイ上部のWebカメラは健在だが、画素数は30万画素で、1000H-Xと901-Xの130万画素より低い(写真=左)。カードスロットにはダミーカードが装着されている(写真=右)。カードを装着しても本体からカードの端がはみ出すことはなく、スロット内に完全に収まるタイプなので、カードを装着したままで手軽に持ち運べる

バッテリーパックはリチウムイオンからリチウムポリマーへ

 カードスロットの配置と同様、ボディデザインの一新にともない、後退を余儀なくされたのがバッテリー駆動時間だ。ボディを薄く仕上げるため、バッテリーパックを背面に装着する棒状のリチウムイオンからパームレスト直下に装着する薄型のリチウムポリマーに変更しており、容量は1000H-Xと901-Xの7.4ボルト 6600mAhから7.4ボルト 4900mAhに減っている。

 そのため、公称のバッテリー駆動時間は901-Xの約8.3時間、1000H-Xの約6.9時間に比べて、S101では約4.6時間に短縮された。第2世代のEee PCはNetbookとしては標準で長時間のバッテリー駆動が行えることをウリとしていたため、薄型軽量の代わりにバッテリー駆動時間が短くなるのは賛否両論に違いない。

 底面に装着するリチウムポリマーバッテリーは、背面に装着するリチウムイオンバッテリーと比べて、オプションとして大容量バッテリーを提供するのが難しいと予想されるので、もう少し駆動時間が欲しかったところだ(実際のバッテリー駆動時間の検証は後編で行う)。

※Eee PC S101のメーカー公称バッテリー駆動時間は「最長約6時間」に変更されました(2008年11月21日22時/編集部追記)

ワンタッチボタンを押すと、画面上に「Power Saving」などと表示され、動作モードが切り替わる

 バッテリー容量の小ささを補うためには、従来のEee PCでも導入されていた省電力技術の「Super Hybrid Engine」を積極的に活用するといいだろう。Super Hybrid Engineとは、CPUの動作周波数や電圧、液晶ディスプレイの輝度を調整する複数のモードを状況に応じて切り替えることで、パフォーマンスの向上や消費電力の低減を図る技術だ。

 キーボード左上のボタンを押すたびに、Super Performance、High Performance、Power Savingといった動作モードが切り替えられる。Super Performanceモードではパフォーマンスを14%向上し、Power SavingモードではCPU電力を15%セーブするという。S101の公称約4.6時間のバッテリー駆動時間は、Super Hybrid Engineを利用した場合の数値だ。

 付属のACアダプタは、1000H-Xや901-Xと同様だ。突起部を含めない実測でのサイズは35(幅)×85(奥行き)×26(高さ)ミリ、電源ケーブル込みの重量は215グラムだった。このサイズなら、バッテリーを補うために本体とともに常に携帯してもじゃまになりにくいだろう。S101ではACアダプタを収納するのにちょうどいい小さなきんちゃく袋も付属している。

本体のパームレスト裏側にリチウムイオンポリマーのバッテリーパック(容量7.4ボルト 4900mAh)を装着している(写真=左/中央)。小型のACアダプタとそれを収納するのに便利なきんちゃく袋、そして本体に付着した指紋やよごれをふき取るためのクリーニングクロスも付属する(写真=右)

 一方、バッテリーパックの変更は放熱性の改善に貢献している。バッテリーパックの位置が背面からパームレストの直下に移され、発熱しやすいマザーボード部分がキーボードの奥側に移動したことで、システムに高い負荷をかけてもパームレストが発熱しにくくなったのだ。

 ASUSがパームレストの温度を計測したところ、アイドル時で30.5度、高負荷時で33度と、優れた熱設計を実現できたとしており、実際にシステムに高い負荷がかかった状態でもパームレストの発熱が気になることはなかった(実際の温度の検証は後編で行う)。また、動作音は静音設計により25dB(A)の静かさを実現したという。確かに、ファンの回転音は静かで、エアコンなどの家電が小さな音を発するような部屋では気になることがなかった。

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