ベンチマークテストは恒例のWindowsエクスペリエンスインデックス、PCMark05、3DMark06、FF XIベンチ3を試してみた。結果については、これだけのスペックの製品としてはやや控えめな結果に終わった印象を受ける。それでも、Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアはすべて5.2以上、PCMark05の総合スコアは6500程度と、個人向けのノートPCとしてはかなりの高性能だ。
3DMark06のスコアを見ると、最新の3Dゲームを高解像度で堪能できるほどの3Dグラフィックス性能は得られていないが、ファイナルファンタジーXI程度のゲームであれば問題なくプレイできる。もちろん、VAIO type A ビデオエディションの主用途と想定されるテレビ視聴・録画やビデオ編集に不足のない処理速度は実現できており、試用中も処理速度で明らかな不足を感じる場面はなかった。
もっとも、高性能な大型ノートPCであれば、より安価な製品がいくつもあるのも事実だ。そこで最後に、type Aならではの魅力について考えたい。
いうまでもなく、これまでに紹介してきたソニーオリジナルソフトは、VAIOでしか味わえない機能や使い勝手を提供してくれるのだが、実は、VGN-AW50DB/Hの提供するテレビ視聴・録画やビデオ編集の機能は、下位機にあたる「VAIO type F」にもほぼすべてが実装されている。type FはフルHD液晶パネルやBlu-ray Discドライブもチョイスできるため、これらの機能だけを見れば、VAIOを選ぶ理由にはなっても、type Aを選ぶ理由にはならない。
そこでtype Aのみに許された付加価値として浮上するのが、18.4型ワイドと大きな液晶ディスプレイだ。NTSC比104%という色域の広さも独自の魅力だが、それだけに、さらに広色域のフォトエディション用液晶ディスプレイにひかれるユーザーもいるだろう。先に紹介したマウスやディスプレイフードに加え、以前から提供され続けている大容量バッテリー、本体とディスプレイフードの両方を収納可能な専用バッグなど、オプション品が充実しているのも、VAIOのフラッグシップ機ならではの特徴といえる。
フォトエディションとの切り分けについては疑問の残る部分もあるが、VAIO type Aのビデオエディションは、Office Personal 2007がバンドルされたオールインワンパッケージという性格も備えつつ、液晶ディスプレイやオリジナルソフトの進化によって魅力を増した正統派AVノートとして、独自の地位を保ち続けている。
店頭モデルならではの買いやすさも捨てがたいものの、おいそれと手を出せない価格帯の製品だけに、筆者は直販サイト「ソニースタイル」での購入をおすすめしたい。液晶ディスプレイの選択を筆頭に、構成をじっくり検討するのも楽しみの1つと考えれば、長く付き合える1台になるだろう。
2008年PC秋冬モデル:Adobe RGBカバー率100%の18.4型ワイドノート――「VAIO type A」
2008年PC秋冬モデル:25.5型ワイド液晶を一体化したクリエイティブPC――「VAIO type R」
この手触りがクセになる:チノパンとジーンズ、どちらがお好き!?――新型VAIO type Nを眺める
2008年PC秋冬モデル:“青いジーンズ”柄も登場したシンプルノートPCがフルモデルチェンジ――「VAIO type N」
この進化は予想の斜め上!?:なでると喜んだりする魅惑のノートPC――「VAIO type C」と暮らしてみた
エレガントな進化:ハイビジョンモバイルを実現した新型「VAIO type T」に肉薄
2008年PC秋冬モデル:ソニー、低価格の大画面液晶一体型や動画/写真編集マシンなどVAIO新モデルを発表
1600×900表示で画面も広大:16:9液晶×ダブル地デジ×BDドライブの美しき調和――「VAIO type F(FW)」を楽しみ尽くす (1/4)Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.