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» 2009年01月08日 14時00分 公開

これは理想の低価格ミニノートPCなのか!?――「VAIO type P」徹底検証(前編)ソニー初のAtomマシンが登場(2/4 ページ)

[前橋豪, 撮影:矢野渉,ITmedia]

重量は最小構成で約588グラム、バッテリー駆動時間は公称約4.5時間

 重量については、ソニースタイル直販のVAIOオーナーメードモデルにおける最軽量の構成で約588グラム、店頭販売のワンセグモデルで約634グラム、店頭販売のワイヤレスWANモデルで約636グラムと非常に軽い(製品ラインアップの詳細はこちらの記事を参照)。感覚としては、500ミリリットルのペットボトルよりちょっと重い程度で、長時間持ち歩いても苦にならず、携帯性は優秀といえる。

 ここまで小型かつ軽量のボディを実現できたのは、やはりMenlowの恩恵が大きい。Menlowはプラットフォーム全体の発熱量が小さいため、ファンレス構造によってパーツ点数を減らして小型化を推し進めつつ、静粛な操作環境を提供しているのも魅力だ。冷却ファンがないことでCPUやチップセットの熱はボディ全体で放熱するため、ボディは発熱しやすくなっているが、温度の検証は後編で行う。

薄型軽量で知られるASUSのNetbook「Eee PC S101」と、横長ボディを用いた日本ヒューレット・パッカードのNetbook「HP Mini 1000」と並べてみた。Eee PC S101は本体サイズが264(幅)×180.5(奥行き)×18〜25(高さ)ミリで重量が約1.06キロ、HP Mini 1000は本体サイズが261.7(幅)×166.7(奥行き)×25.9(高さ)ミリで重量が約1.1キロだ。どちらも小型軽量が身上だが、VAIO type Pはさらにコンパクトなボディに仕上がっている

底面に装着するバッテリーは本体の厚さからはみ出さないスリムな形状になっている。ACアダプタは突起部を除くサイズが36(幅)×76.4(奥行き)×25.5(高さ)ミリ、ACケーブルも含む重量は実測値で約154グラムと、本体に負けず劣らず小型軽量だ

 これだけ本体が小型軽量だと心配になるのがバッテリー容量だが、その点も考慮されている。バッテリーは本体を薄く仕上げるためにリチウムイオンポリマーを採用。容量は標準バッテリーが7.4ボルト 2100mAh(重量約145グラム)、別売のバッテリーパックLが7.4ボルト 4200mAh(重量約263グラム)だ。

 店頭販売モデルの場合、標準バッテリーで約4.5時間、バッテリーパックL装着時で約9時間の連続駆動をうたっており、ここにも低消費電力のMenlowが生かされている(実際のバッテリー駆動時間の検証は後編)。

 バッテリーパックLを装着すると、本体後部の厚さが約11ミリ増え、重さが約118グラム加算されるが、もともと薄くて軽いため、大容量バッテリーをつけた途端に携帯性が大きく損なわれてしまった、というような心配はない。バッテリーパックLを付けても、重量はせいぜい700グラム強で済む。

 付属のACアダプタも小型軽量で、コンセントに直接装着できるウォールマウントプラグアダプタも用意されている。スタンバイ/休止状態/電源オフ時には急速充電が可能なのもうれしい。

天板から底面までこだわった外装はネジが1本も見えない

 低価格帯のミニノートPCとはいえ、ボディの形状だけでなく、外装にも手を抜いていないのはさすがだ。本体のカラーは天然石をイメージした4色を用意。店頭販売向けモデルはクリスタルホワイト、ガーネットレッド、ペリドットグリーンと落ち着いた配色の3色展開(ワイヤレスWANモデルはクリスタルホワイトのみ)で、VAIOオーナーメードモデルでは限定色のオニキスブラックも選べる。どのカラーを選んでもキーボード面はシルバーだ。

 マグネシウム合金製の天板は、手作業による研磨で仕上げるパール入りの多層塗装を用いており、光沢感のある表面は光の当たる加減で色の深みや細かいパールの照り具合など表情が変わるのが面白い。ボトムカバーの素材は樹脂製だが、天板と同様の品のある光沢塗装で見栄えがする。スティック型ポインティングデバイスのキャップとデスクトップの壁紙も、カラーごとに異なるものが付いてくるのは心憎い演出だ。

 デザインへのこだわりは底面にもおよび、不自然な突起やスリットなどが一切ないことに加えて、ネジが1本も表に出ていないのには驚かされる。ここまで底面が美しいVAIOノートはおそらく初めてだろう。光沢塗装により指紋が付着しやすいのは難点だが、いかにも低価格ミニノートPCという安っぽさは皆無で、この製品について知らない人が見たら、もっと高級なモバイルノートPCに映っても不思議ではない。

光沢塗装を採用した4色のカラーバリエーション。底面にもソニーのロゴを配置し、ネジをすべて隠すなど、外装に対する力の入れ方は相当なものだ

液晶ディスプレイ部はLEDバックライトを用いたスリムな作りだが、剛性感がある

 堅牢性に関しては強度を示す数値などが公表されているわけではないが、ほかのVAIOノートと同様に天板加圧などの耐久テストを一通り実施し、社内水準はクリアしたという。実際、天板やボディがたわむようなことはなく、全体的にしっかりした作りだ。VAIOの上位モバイルノートPCは液晶ディスプレイを極薄に仕上げているが、VAIO type Pの液晶ディスプレイ部は厚みが約5ミリあり、開閉時にゆがまないのは安心感がある。

 また、液晶ディスプレイ部は軽い力で開閉できるうえ、閉じた状態と開いた状態ではしっかりと固定されるように、チルト角度によってヒンジの固さが異なる可変トルクヒンジを採用している。具体的には液晶の開け始めは固く、少し開けると緩くなり、90度近くまで上げるとまた固くなって液晶ディスプレイの角度を微調整しやすくなる仕組みだ。これにより、液晶ディスプレイ部を閉じる場合、ピタリとキーボード面に吸着するため、カバンの中で不意に開いてしまうようなトラブルは少ないだろう。

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