本当に“サクサク”? 「ウイルスバスター2009」を検証する:2009年版セキュリティ特集 第2回(2/2 ページ)

» 2009年01月20日 11時50分 公開
[瓜生聖,ITmedia]
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ベンチマークテストで“軽快さ”を検証してみる

 それではどれほど軽快に動作するのか。前回同様、6種類のベンチマークを行って検証していこう。テスト環境は、Phenom 9500(2.2GHz)、4Gバイトメモリ、Windows Vista Ultimate(SP1)という単体のハードウェア上で行っている。それぞれVB2009インストール時と未インストール時の2パターンを比較した。テストは各5回計測し、緑色のバーが各回の結果、紫色のバーが平均を表している。

  • TPCSBenchmark - FileI/O

 ThePCSpy.comの「What Really Slows Windows Down?」(本当にWindowsを遅くするのは何だ?)で知られるでベンチマークテストだ。その内容は、ファイルオープン、テキスト1行書き込み、ファイルクローズを20万回繰り返すもので、体感速度よりもオーバヘッドの割合が高く表れる傾向にある。

 結果は過去に例を見ない、8250%ダウンというものだった。未インストール時にわずか17秒で終了するベンチマークが23分近くもかかっている。計測環境が異なるため一概には言えないものの、PC-Cillin AV 2006で1288%、ウイルスバスター2008では394%という過去の成績から見ても、あまりにかい離した結果となった。

  • 大容量ファイルコピー

 次に4Gバイトほど(4,279,523,332バイト)の動画ファイルをHDDから別のHDDへコピーするのに要した時間を計測した。コピー元のHDDにはあらかじめ別のPCでファイルを用意し、1回目の試行ではキャッシュや事前のスキャンがない状態、2回目以降はそれらが有効に働く状態になることを期待してテストを行った。

 結果は4回目に2倍近くの時間がかかるイレギュラーな結果が出た以外は、未インストール時との差はほとんどなかった。TCPBenchmark - FileI/Oの結果が非常に悪かった原因がファイルオープン時のオーバヘッドにあるとすれば、シーケンシャルリード/ライトが大半を占め、ファイルオープン自体は2回しかないこのテストの好成績も納得できる。

  • 大量zipファイルコピー

 大容量ファイルコピーテストと同様の環境でトータル約1Gバイトのzipファイル、5096ファイルのコピーを行った。

 結果は未インストール時の結果のほうにやや乱れが生じており、VB2009の結果は未インストール時の最も遅くなる場合+α程度の速度低下で安定している。やはり、オープンするファイル数が増えるとパフォーマンスへの影響が出てくるようだ。

TPCSBenchmarkのFile I/O。ソフトウェアによっては激しく速度低下するベンチマークだが、過去にテストした範囲では8250%ダウンはワースト記録(写真=左)。大容量ファイルを1つだけコピーした結果。パフォーマンスの低下はほぼ0と言ってもいい好成績(写真=中央)。大量ファイルコピーの結果。未インストール時よりもコンスタントな結果となった。平均すると2倍程度の速度低下が見られる(写真=右)

  • 素数計算

 TPCSBenchmarkのもう1つのテストが10万以上20万未満の素数を求める素数計算だ。こちらはファイルアクセスがないため、純粋に演算処理、メモリアクセスの低下率を見ることができる。

 テストを行ったところ、わずかながら未インストール時よりもVB2009のほうが速いという結果となった。これはTPCSBenchmarkの精度が1秒単位と荒いために生じたほかの影響による誤差の範囲と考えてよいだろう。

  • 午後のこ〜だインストール

 午後のこ〜だはインストール時にコンパイルを行う、Windowsアプリではめずらしいインストーラを持つ。コンパイルはファイルアクセスと演算の両方を行うため、より通常の操作感に近い、複合的な処理に対する傾向が見えるはずだ。実際の計測はコンパイルを開始するボタンをクリックしてからコンパイル、リンクが完了して次のウィザードダイアログが表示されるまでの時間を計っている。

 結果は未インストール時がコンスタントに21秒強であるのに対し、VB2009では同様に45秒前後、つまり約2倍程度の速度低下を記録した。これはウイルスバスター2008でも同様の傾向を示しており、大きな変化はない。

  • 起動時間

 PassMark Softwareの「Rebooter」を使って再起動時間を計測した。RebooterがWindows Vistaを終了させてからPCが再起動し、再びスタートアップに登録されたRebooterが起動するまでの時間を計測するため、終了にかかる時間+起動にかかる時間を調べることができる。ちなみに未インストール時のテストはWindows Updateのパッチ状態などを合わせるために、第1回で計測した結果を流用せず、再計測を行っている。その結果、若干ながら未インストール時の結果も向上している。第1回との比較はあくまでも参考程度にとどめてもらいたい。

 結果は未インストール時の平均が84.8秒であるのに対し、VB2009は107.4秒と、約27%の速度低下となった。

素数計算。オンメモリの計算主体のプログラムではパフォーマンス低下はほぼ0(画面=左)。午後のこ〜だのインストール(コンパイル)時間を計測。2倍程度のパフォーマンス低下は大量ファイルコピー時と同様の傾向だ(画面=中央)。再起動時間の結果(画面=右)

定番セキュリティソフト、されどプライスリーダー

 VB2009を選択肢として考えるにあたって、もう1つ忘れてならないのは価格だ。近年、低価格セキュリティソフトの新規参入が増えたために、逆に老舗の定番ソフトは高いという印象を持たれる傾向にある。しかし、VB2009は1製品で3台にまでインストールすることが可能でありながら、ダウンロード1年版で4980円、1台あたり実に1660円という手軽な価格で販売されている。

 さらに今回からは保険&PCサポート付きのVB2009もラインアップされた。これは、VB2009にアメリカンホームダイレクトの提供による保険と、JPSS株式会社の提供によるサポートをセットにしたものだ。保険はオフライン、オンライン両方のショッピングにおけるクレジットカードの不正使用で発生した被害を100万円まで補償し、PCサポートはPCやインターネットのトラブルを9時から24時まで無休で対応する。この保険&PCサポートがセットになった製品は通常のダウンロード版に比べ、1年版で2000円、3年版で4180円割高になるものの、PC初心者にとっては月額200円未満でウイルスバスター以外のサポートまでしてくれるというのは非常にありがたい。

 セキュリティソフトは通常、年単位の更新料を支払うことで期間内のパターンファイル/プログラムの更新、サポートを提供するというスタイルをとる。ベンダーとしてもサポートの集中という意味では最新バージョンのプログラムを利用してもらうほうが都合がいいということもあり、更新期間中であれば無料でバージョンアップできるものが多い。現在すでにウイルスバスター2008を使用している人もウイルスバスター2009へ無料バージョンアップすることができるので、まずはバージョンアップしてから乗り換えを考えてみてもいいだろう。

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