2007年の秋、“漫画家の卵”を自称するきゅうり氏に“初めてのバーチャルお絵かき”を体験させた。これがきっかけとなって彼は「Intuos3」を購入、通常業務の合間に“乙女ちゃん”なるキャラクターを細々と描いているようだ。そこで今回は、4月2日に発売が決まった「Intuos4」をきゅうり氏に使用してもらい、使い心地やIntuos3との違いを試してもらった。
まずIntuos4の主な特徴をまとめることにしよう。
ペンタブレットでイラストや漫画を描く人にとって、鉛筆に当たるペン、紙に当たるオーバーレイシートの変化は大いに気になる部分だろう。特に“2倍になった筆圧レベル”はユーザーの興味を引きそうなポイントだが、きゅうり氏が製品に触れてまず感じたのは、「マットタイプオーバーレイシートの標準採用がもたらす描き心地の変化」だという。
Intuos3の標準オーバーレイシートは紙に比べて摩擦係数が低く、ペンが滑りやすかった。きゅうり氏によれば、「思い通りの線を引くために、紙以上に集中力がいる」状態だったらしい。実際、オーバーレイシートに紙を敷き、その上でペンを使って滑りを抑えるユーザーもいたと聞いている。そうした人にとっては、オプションだったマットタイプの標準採用はうれしいポイントだ。
「描いた瞬間、“違うな”って思いました。今までなら拡大して描いていたような部分も、線がブレないからわりとそのままで描けてしまうし、紙と鉛筆に近いフィーリングで使いやすい」(きゅうり氏)
筆圧機能の進化を体感する前にまず注意したいのが、「2048段階の筆圧レベルに対応しているソフトウェアがまだ少ない」という点。もちろん非対応ソフトでもIntuos4を使うことはできるが、従来の筆圧レベル1024での作業となる。説明書を見ると、対応ソフトとしてPhotoshop CS4などを含むCreative Suite 4シリーズ(ワコムの検証ではCS2以降で対応を確認しているが、「PCのスペックによって必ずしも保証できない」として、CS4を推奨している)、Painter IX以降、Photoshop Elements 7(Mac版は同 6)やPainter Essentials 4などが確認できた。
「Elementsとかはペンタブに付属するんでしょ?」と思うかもしれないが、今回は標準モデルにアプリケーションソフトが付属しない。ソフトが付属するモデルは「Intuos4 Special Edition」という上位モデルとして登場する。
さらにもうひとつ重要なポイントが、「Windowsで使用する場合はタブレットの設定を変更しないと筆圧レベル2048が発揮されない」ということだ。Macではソフトに適した筆圧レベルが自動で選択されるが、Windowsでは手動で変更する必要がある。そして、まだまだ対応ソフトが少ないためか、デフォルトでは従来の“1024対応”になっている。
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