この価格なら買えるカモ──“SpursEngine”搭載ノートPC「Qosmio F50」の実力はYouTubeも超解像に(3/5 ページ)

» 2009年05月29日 16時00分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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より身近になった「SpursEngine」、YouTube動画も高画質に

photo SpursEngineのチップ

 さて、Qosmioシリーズは2008年秋冬2009年春モデルと比べ、2009年夏モデルも基本コンセプトやボディデザインに大きな変更はなく、今回試すQosmio F50もほぼ順当なスペックアップを果たしたマイナーチェンジモデルに見えるが、少し違う。「SpursEngine」(同社では「TOSHIBA Quad Core HD Processer」と呼んでいる)をほぼ1年ぶりに搭載したのだ。

 SpursEngineが継続して採用された上位モデルのQosmio G50に対して、F50は2シーズンに渡って採用が見送られたのは、ディスプレイの解像度が1280×800ドットでは720×480ドットのDVDをSpursEngineでアップスケールして再生する場合のメリットが少し薄く、かつやや高価になってしまうためといった判断もあったのではないかと想像される。

 今回のQosmioシリーズに搭載するSpursEngineは、ハードウェアこそ特別な変更はないものの、ソフトウェア面を強化し、フルHD解像度のディスプレイを搭載しないQosmio F50でも「より利用価値がある」楽しみ方ができるようになったのである。


photo SpursEngine 映像処理の流れのイメージ図

 SpursEngineの強力な演算処理能力を利用することで実現する機能の1つが、「映像をリアルタイムで解析し、アップスケール(拡大)時に画素補完を行う」技術だ。通常、低い解像度の映像をアップスケールすると、解像感が甘くなるばかりか、斜めや曲線部分でギザギザのジャギーが発生することになる。そのジャギーを単にぼかして補正するだけでは、さらにボケ気味の映像になってしまう。

 SpursEngineは、映像のエッジをきちんと線形として識別して画素補完をすることで、直線は直線らしく、曲線は曲線らしい表現を可能にする。さらに、より鮮やかな発色に補正する「カラーコントロール」やコントラストを改善する「ガンマ補正」などを組み合わせた“超解像技術”を、同社は「レゾリューションプラス」と呼ぶ。従来のSpursEngineを搭載したQosmioは、主にDVD-Videoの映像再生や対応ビデオ編集ソフトによるアップコンバート保存時のみ利用できた。

 対して今回のQosmioシリーズはこの“レゾリューションプラス”を、FLASH Video再生でも利用できるようになった。つまり、YouTubeをはじめとするFlash Videoを使用する対応動画配信サイトの動画を“超解像”化できるのだ。レゾリューションプラス効果はワンクリックで有効/無効を切り替えられ、画面半分を有効にして「どれだけ高画質になったか」をチェックすることもできる。

 Flash Videoの超解像化は「TOSHIBA Upconvert Plug-in」という名称のInternet Explorerのプラグインで実現するので、実質はIEを使用する場合に限られるのが、別のブラウザをメインに使用するユーザーにとっては少し残念だ。不要であれば簡単に無効にもできる。


photophoto 「TOSHIBA Upconvert Plug-in」というIEプラグインが入っている。対応するFlash Videoの再生時にマウスカーソルを再生ウインドウの左上に移動すると、レゾリューションプラスのロゴが表示される。これをクリックすると“超解像度”化した内容でフルスクリーン再生できる

 レゾリューションプラスは魔法ではなく、あくまで高度な画像補完技術だ。どのくらい効果があるかは、おおまかに例えるとVHSの3倍モードが標準モードの画質になるといった感じだ。

 有効にするとエッジがシャープになり、テロップの文字列などもオリジナルよりぐっと見やすくなる。また(オリジナルの状態にもよるが)ブロックノイズもある程度軽減され、発色やコントラストもかなりも向上するので、全体にシャキっとした映像になる。豪快に存在するブロックノイズまでは完全に消し去るには至らず、場合により誇張がきつすぎかなと感じる場合もあるにはあるが、おおむね「高画質化」されるのは間違いない。

 どのくらいの効果かは、以下のサンプルをごらんいただきたい。

photophoto Video CDクオリティ(352×288ドット)のテスト動画をYouTubeにアップロードし、再生したものをキャプチャーした。左がレゾリューションプラスオフで、右がオンだ。鉄柱などのエッジがくっきりし、発色も鮮やかに補正されたのが分かる
photophoto もう1つはこちら。同じく左がオフで右がオンだ。こちらもよりシャープさが増し、解像度が違うのではと思える効果があった。特に右上の建物の部分で大きな効果を感じる

 なお、Flash Videoでレゾリューションプラスが機能するのは、240×100ドットから640×392ドットまでの低解像度動画のみとなり、対応する動画配信サイトは残念ながら(まだ)それほど多くはない。筆者が確認した範囲で機能したのは、YouTube、ワッチミー!テレビ、Askビデオなどで、YouTubeと同様にユーザーが多いニコニコ動画は動作しなかった。もっともYouTubeだけでも現在のように高画質でアップロードできない、過去に投稿されたコンテンツが膨大にあるので、それを“高画質”にしてくれる機能の持つ意味は大きいだろう。

 レゾリューションプラスは、今までどおりDVD-Video再生時も利用できる。プリインストールする「東芝DVDプレイヤー」がサポートする。こちらも再生する映像によって補正のしすぎで少々くどくなる場合もあるが、その時は効果をオフにすればよいだけの話だ。実写やアニメ、音楽ライブなど、適当な市販DVDソフトをいくつか再生してみたが、明暗差の大きいシーンが多い音楽ライブ映像以外で、ほぼ違和感なく“超解像”を楽しめた。

photophoto DV素材を、DVD規格上限のビットレートでDVD-Video化し、東芝DVDプレイヤーで再生したものをキャプチャーした。左がオフ、右がオンだ。発色の違いに関しては好みが分かれそうだが、オンにした方が1枚薄い膜をはがしたように明らかに解像感が増した印象だ。これをリアルタイムでやってしまうのが実はすごいのだ

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