「店頭イベントに参加していただいた皆様、深夜・早朝からありがとうございます」──。新OS「Windows 7」が本日2009年10月22日に発売。この一般販売開始に関する発表会でマイクロソフト 代行執行役の樋口泰之社長は開口一番、感慨深く述べた。
Windows 7は10月22日に世界同時発売。時差の関係で日本が世界でもっとも早い発売となった。発売前日から22日0時の解禁に合わせて深夜販売イベントを行った東京・秋葉原の各PCパーツショップ周辺は、予想をはるかに超えた異様な熱気に包まれ、販売開始の数時間前時点で、すでにWindows Vistaの販売イベント来場者を軽く超えている──という声も多く聞かれたほどだ。
22日0時のDSP版発売を皮切りに、9時に店頭やオンライン店舗におけるパッケージ版、そしてPCメーカー各社のWindows 7搭載PCの販売が始まった。
「本日未明の深夜販売イベントは、夜中にも関わらず大変たくさんの方に参加していただき、大変な熱気──私らの想像を超えた盛り上がりに、ユーザーの皆様の期待の大きさを改めて実感しました。また、販売店店員の皆様が“これはいける”と強い感触を持っていただいていることも大変心強く思っています」(マイクロソフトの樋口社長)
Windows 7の販売本数は、本日時点ですでに「3カ月分のVista出荷本数を超えた」という。これは2006年6月と9月に行った先行予約販売キャンペーンの効果。「6月の予約販売は、キャンペーン期間の10日間で売れると予想した本数を用意したはずだったが、わずか1日で完売してしまった。この予想を超える反響から、9月に再び予約販売を行った」(樋口社長)。厳しい経済状況、そして目玉になる商材も少なかった中、これから始まる年末商戦の目玉商材に「Windows 7とPC本体、周辺機器、アプリケーションなど、Windows 7関連製品を据える」とPC関連ベンダー関係者はもちろん、販売店関係者らも口をそろえて述べる。
Windows 7の勢いは、あの世界的小説も上回る。「予約販売としてAmazon史上で最高プロダクト。予約販売は“ハリー・ポッター”以上──と今朝聞きました」(MicrosoftのWindows 7開発総責任者 スティーブン・シノフスキー氏)
シノフスキー氏は、全世界5000人以上もの部隊で3年間かけて行ったWindows 7開発における総責任者だ。この「マイクロソフトの中でもヒーロー的な存在」(樋口社長)の総責任者が、世界同時発売日にあえてニューヨークでなく日本を選んだのはなぜか。「プレミアムな製品を世に送り出すハードウェアメーカー、革新的なPC市場など……日本市場において2010年度までにWindows 7のエコシステムを形成するパートナーは、関連製品やサービスから2兆3000億円以上の収益があると予想されます。そしてなにより、日本のユーザーは(自分が使うモノについて)非常に熱心で情熱的だからです──。この大切なユーザーやパートナーと一緒に、今日、Windows 7を披露できることが大変うれしい」(シノフスキー氏)
日本市場において、Windows 7は2010年末までに1000万本以上の出荷を見込む。ハードウェア、ソフトウェアベンダーと連携し、この日に備えて互換性やパフォーマンスのチューンナップを行うなど、今回は万全を期しています。市場全体の活性化に向けた起爆剤になると信じている」(樋口社長)
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