Atomじゃ物足りない、それならコレでどうだ!?――新生「VAIO Y」を攻略する6万円台から買える13.3型VAIOノート(2/4 ページ)

» 2010年07月28日 11時00分 公開

CPUをCore 2からCore iへ世代交代

 基本スペックでは、Calpella(開発コード名)プラットフォームの採用が特徴だ。CPUをCULV版のCore 2 Duo SU9400(1.4GHz)からCore i3-330UM(1.2GHz)に、グラフィックス機能をチップセット内蔵のIntel GMA 4500MHDからCPU内蔵のIntel HD Graphicsに世代交代することで、基本スペックを底上げしている。

 CPUのCore i3-330UMは末尾に「UM」が付いた超低電圧版のモバイル向けデュアルコアCPUだ。32ナノメートルプロセスルールで製造され、動作クロックは1.2GHz、3次キャッシュは3Mバイト、TDP(熱設計電力)は18ワットとなっている。

 ほかのCore i3と同様、Hyper-Threadingによって2コア4スレッドの同時実行が可能だが、高負荷時に動作クロックを引き上げるTurbo Boost Technologyには対応しない。ただ、省電力機能のEIST(Enhanced Intel Speedstep Technology)は備えているので、アイドル時や低負荷時に動作クロックと電圧を下げて消費電力を抑えることが可能だ。

CPU-Z 1.54で見た評価機のCPU。Core i3-330UMは動作クロックが1.2GHzで、アイドルや低負荷時はEISTによってクロックが下がる。2コア4スレッドの同時実行が可能だ

底面のカバーを開けると、2基のSO-DIMMスロットとHDDベイが露出する

 CPU以外は、チップセットにIntel HM55 Express、メインメモリに4GバイトDDR3 SDRAM(2Gバイト×2/PC3-6400)、データストレージに500Gバイトの2.5インチSerial ATA HDD(5400rpm)を採用する。コストパフォーマンス重視のモデルながら、プリインストールOSの64ビット版Windows 7 Home Premiumを生かすべく、4Gバイトのメモリを標準搭載しているのが目立つ。メーカー保証対象外の行為ながら、底面のネジ止めされたカバーを開ければ、メモリのSO-DIMMスロット2基と2.5インチHDDベイにアクセスできるので、メモリの交換などは容易だ。

 通信機能はIEEE802.11b/g/n(送受信最大150Mbps)の無線LAN、1000BASE-Tの有線LAN、Bluetooth 2.1+EDRを備える一方、モバイルWiMAXは標準で対応していない。

 拡張端子類に関しては、3基のUSB 2.0、4ピンのIEEE1394、アナログRGB出力、HDMI出力、ヘッドフォン、マイク、FeliCa 2.0、有効画素数31万画素のWebカメラを備える。メモリースティック デュオ(PRO-HG対応)用、SDメモリーカード(SDHC対応)用、ExpressCard/34用のカードスロットも設けており、このクラスとしてはなかなか充実した装備だ。USBポートが左右に振り分けられており、ヘッドフォンやマイク、カードスロット類を手前側に搭載するなど、配置も使いやすい。

前面にメモリースティック デュオ(PRO-HG対応)スロット、SDメモリーカード(SDHC対応)スロット、無線通信のオン/オフ切り替えスイッチを配置
シリンダーデザインの背面はバッテリーで占有される。利用時に液晶ディスプレイ部が背面を覆うため、こちらにインタフェース類は用意されていない

左側面にはACアダプタ接続用のDC入力、アナログRGB出力、HDMI出力、USB 2.0、4ピンのIEEE1394、マイク入力、ヘッドフォン出力が並ぶ
右側面にはExpressCard/34スロット、2基のUSB 2.0、有線LAN、電源ボタンを配置。電源ボタンは通常時に緑色、スリープ時にオレンジ色に光る

評価機のデバイスマネージャ画面。HDDはSamsungのHM500JI、無線LANアダプタはAtherosのAR9285、BluetoothはFoxconnのT77H114-BCM2070とある

 なお、VAIOオーナーメードモデルでは、CPUにより高速なCore i5-430UM(1.2GHz/最大1.73GHz)や低価格なCeleron U3400(1.06GHz)を選べたり、最大8Gバイトのメインメモリ(4Gバイト×2)、256Gバイト/128GバイトのSSD、640Gバイト/320GバイトのHDD(5400rpm)、英字配列キーボードの搭載が可能だ。また、プリインストールOSに64ビット版Windows 7 Ultimate/ProfessionalやWindows XP Professionalダウングレード代行サービスを選択できるほか、液晶フレームへのメッセージ刻印サービスも受けられる。

モバイルとしては余裕ある画面サイズの液晶ディスプレイ

 液晶ディスプレイは、画面サイズが13.3型ワイド(アスペクト比16:9)、解像度が1366×768ドットだ。LEDバックライトを採用し、液晶ディスプレイ部を薄く仕上げている。VAIOでは独自に液晶ディスプレイのグレードが定められているが、VAIO Yが採用するのはベーシックな「VAIOディスプレイ」だ。

 視認性については、画面サイズに対して解像度が高すぎないため、初期状態でアイコンや文字がゆとりある大きさで表示される。発色は少しあっさりしているが、十分な輝度を確保しており、写真や動画をカジュアルに楽しんだり、Webコンテンツやオフィススイートの利用などでは問題なく使えるだろう。バックライト輝度は9段階に調整可能だ。

 ただ、しばらく使ってみると、不満点も出てくる。表面には低反射コートが施されているものの、黒っぽい画面表示では照明や自分の姿が割とはっきり映り込む。また、上下方向の視野角がかなり狭い。ノートPCの液晶は少し上方向から見下ろすことが多いが、この状態では表示が白っぽくなるので、チルト角度の調整をしっかり行う必要がある。液晶ディスプレイは135度程度まで開くが、ローテーブルなどに置くとやや上から見下ろすことになるため、もう少し開いてほしいと感じた。

1366×768ドット表示の13.3型ワイド液晶ディスプレイは光沢タイプだ
LEDバックライト付きの液晶ディスプレイは薄く仕上がっている。135度程度まで開く

Sony Style(ソニースタイル)

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