── ハードウェアという点では、miniでもmicroでもない標準サイズのSDメモリーカードスロットと、こちらも標準のUSB A端子を搭載しています。どんな意図でこれらを採用したのでしょう。
加藤氏 SDメモリーカードについて、開発当初はmicroSDでした。しかしSmartiaの7型ディスプレイならデジカメで撮影した写真ビュワーとしても大変有効です。普段デジカメで使っているものをそのまま使えないの?──この自然なユーザーの考えを反映し、標準サイズのSDメモリーカードスロットにしました。一般ユーザーにとって、SmartiaのためにデジカメでわざわざmicroSDを使わなければならない、というのはあまり使い勝手がよろしいものではありません。
USB A端子も基本的にはSDメモリーカードスロットと同じ考え方です。ビッグローブが提供するモバイルデータ通信サービス「BIGLOBE高速モバイル」を便利に活用していただくため、USB接続型の3Gデータ通信端末を差して使えるようになっています。
このほか、別のUSB機器の利用も想定しています。例えば、「ドキュメントスキャナを接続し、書類をスキャン→クラウドサービスにアップロード→クラウドストレージよりスキャンデータを参照」といった、今後「おぉ、これができるようになるのか!」と驚いてもらえる施策にも取り組んでいます。
── 通常サイズのUSB A端子ということで汎用性は高く、PC向けとして機器はかなりたくさんありますね。ただ、OSが異なるのでドライバの開発などにおいて、機器メーカーやアプリケーション開発者には実現は少し難しいのではと考えてしまうのですが、こちらはいかがでしょう。
加藤氏 はい。そのため、ドライバに関しても機器ごとにイチから個別に開発しなくても、アプリケーションのインストールレベルで新しい機器がSmartiaで利用可能になる方法をある程度開発済みです。本体のファームウェアアップデートなども不要で、アプリケーションを入れるだけで使えるようになるイメージです。
栗冠氏 あ、そこまで言っちゃった……。ま、いいか(笑)。実は、このサイズで通常のUSB A端子が付いている端末はかなり限られると思います。組み込み系に近い開発者層・ビジネス利用層において、さまざま業務シーンをAndroidで制御したいというニーズがありますが、ファームウェアのアップデートもいらない我々の方式には非常に高い評価と期待をいただいています。
USB機器に関しては「OSにはユーザーが手を入れる必要はない、対応Androidアプリケーションさえ追加すれば、USB機器を使えるようにしよう」としました。実はこちらは、Samrtiaの裏コンセプトでもあります。
加藤氏 せっかく付けたUSB A端子なので、今後最大限に活用したいと思います。
── PC用USB機器がかなり自由に使えるようになる……これは今後、楽しみですね。
もう1つ、7型サイズのボディにしては以外に軽いなという印象を受けました。本体であるLifeTouchのサイズや重量はどんな経緯を経て決まったのでしょう。
加藤氏 LifeTouchは重量370グラムです。おっしゃるとおり、7型ディスプレイを備えた機器としては軽量です。発売前に行ったモニター機は390グラムだったのですが、男性はともかく女性だと390グラムでも重いという声がありました。やはり精一杯軽くなるように努力しました。
── 実際、タブレット型やスマートフォンだと、PCにはあまりなかった、“寝ながら使う”、“電車で立ったまま使う”需要もあります。軽さは重要ですね。
加藤氏 はい。ただ軽量化だけを追求してバッテリー動作時間が犠牲になっては、Smartiaとして展開する意味がありません。370グラムまで軽量化しつつ最長で8時間、通信をバリバリ行っても6時間以上は動作する仕様にバランスをとりました。
── ところで、本体底面にある充電端子っぽいものが気になりますが、付属のクレードルには充電機能はありません。家でも普通に使うので、置くだけで充電できる充電クレードルがあるとより便利そうなのですが。
栗冠氏 確かにこの端子は充電用です。ただ、残念なことに充電クレードルはアクセサリとしては準備できていません。これは価格面の兼ね合いがありまして、このため高額になってしまうならばという考えです。こちらは今後、どうかしたいねと機器提供元であるNEC側と話はしています。
── なるほど。想定するユーザー層を考えるとぜひ準備してほしいと思います。充電対応のクレードルがあれば宅内利用ではほとんどバッテリー動作時間を気にせずに済むと思いますので。可能性があるならぜひ準備してほしいですね。
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