「GV-MVP/XSW」“2枚挿し”で4番組同時録画に挑戦してみた(前編)PCも地デジ化(1/2 ページ)

» 2011年02月09日 09時46分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 Blu-ray Discレコーダーの進歩は著しい。手軽な予約録画など序の口で、最近ではユーザーの録画傾向を分析しておすすめ番組を自動的に録画してくれたり、ネットワークを使って注目番組を教えてくれたりと、至れり尽くせりの多機能ぶりだ。しかしアナログ放送の時代には、録画は“PCのほうが便利”という時代があった。テレビよりも高解像度のPC用ディスプレイを生かした一覧性の高い番組表、キーボードとマウスで行う編集作業などは快適で、筆者もソニーの“VAIO RX”を愛用していた時期がある。

 地上デジタル放送がスタートすると、録画PCは不遇な時代に突入したが、それでも関連メーカーの努力や、なにより“地デジ普及率”をアップさせなければならないという事情もあり、ここ数年で録画環境は急速に改善している。そこで今回は、アイ・オー・データ機器から昨年発売された「GV-MVP/XSW」を使い、“PC録画ならでは”の利便性をチェックしてみた。

アイ・オー・データ機器の「GV-MVP/XSW」。カード上にソニー製のシリコンチューナーやハードウェアトランスコードチップ「MB86H58」を実装している。価格は2万1000円

 GV-MVP/XSWは、デジタル3波チューナー2基と富士通セミコンダクタ製のトランスコーダーチップ「MB86H58」を2つ搭載したハイエンドのデジタルTVキャプチャーカードだ。フルハイビジョン解像度で最大15倍の長時間録画が可能という最新のBlu-ray Discレコーダーに引けを取らないスペックで、さらに“複数枚挿し”に対応しているのが大きな特長。1台のPCに「GV-MVP/XSW」を2枚購入すれば4チャンネル、3枚で6チャンネル、4枚で8チャンネルの同時録画が行える。もちろん、すべてMPEG-4 AVCによる長時間録画に対応しており、専用アプリケーションで各録画ユニットを一括管理できるらしい。いわば、カードの追加によって“チューナーとトランスコーダーを増設できる”という、BDレコーダーではあり得ない機能を実現しているわけだ。

 もちろん、“AVCで全録”となるとPCに求められるスペックも相応に高くなるが、アイ・オー・データ機器が行った検証によると、Core iシリーズ+Intel H57クラスのシステムなら4枚差しも可能とのこと。AVC録画専用のトランスコードチップを備えているため、CPUへの負担は抑えられるのだ。

 試用に使ったのは、AMDの6コア「Phenom II 1045T」を搭載したHP製のPC。メインメモリは8Gバイトで、内蔵HDDは1Tバイト、64ビット版のWindows 7が導入されている。持ち主としては4枚挿しにも挑戦できるスペックだと思っていたのだが、4つのPCI Expressスロットのうち2つはビデオカードと標準のデジタルTVキャプチャーカード(ピクセラ製「PIX-DT230」)が専有していたので、今回は2枚挿しで我慢する。それでもPIX-DT230と合わせて最大6番組の同時録画が可能になる(はず)。

 改めてGV-MVP/XSWを眺めると、PCに標準で入っていたLow-Profileタイプと比べてカード自体は大きいものの、それだけにB-CASカードはしっかりボード上に収まり(PIX-DT230は背面にはみ出す“仕様”だ)、RFコネクターもフルサイズ(PIX-DT320はミニコネクターに変換ケーブル付属)。Low-Profileはコンパクトなシステムを作るのには便利だが、メンテナンス性を考えればフルサイズのほうがいい。

Low-Profileタイプの「PIX-DT230」と比較。今回のようなミニタワー型を使うなら、RF端子がフルサイズでB-CASカードもすっきり収まる「GV-MVP/XSW」のほうが使い勝手は良い

 ただ、GV-MVP/XSWとPIX-DT230は地上波とBSのRF端子が個別のタイプで(1つになっているものもある)、3枚で6本の同軸ケーブルが必要になる。家電量販店に行って分岐ケーブルと延長ケーブルをまとめて購入してきたが、これがけっこう痛い出費になった。ケーブル代の合計額でGV-MVP/XSWがもう1枚買えそうだ。

先住民のピクセラ製カードと合わせ、計3枚の地上デジタル/BSデジタルキャプチャーカードが導入された「HP Pavilion Elite HPE」。これで6チャンネル同時録画が可能になる

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