先週、MSIから水冷システム向けのGeForce GTX 580カードが登場し、多くのショップで注目を集めていた。「N580GTX HydroGen OC」は銅製のオリジナル水冷ブロックを備え、動作クロックをコア772MHzから800MHzへ、メモリ4008MHzから4096MHzへ引き上げているのが特徴。価格は7万円弱となる。
ハイエンドカードの水冷仕様ということで、価格が1つ抜けている感はあるが、ユーザーからの反応について某ショップは「欲しくても価格を聞いて踏みとどまるお客さんが多いようです。しかし、水冷カードはこれまでも確実に売れる製品だったので、これからジワジワくると思います」と語る。また、ドスパラ秋葉原本店は「すでに何件かお問い合わせをいただいています。水冷仕様のカードを入れたのは今回が初めてですが、手に取って確認されるお客さん多くいるなど想像以上に注目されているようですね」と話していた。
さらにMSIは、上記水冷仕様のカードのほかに、オリジナルの空冷クーラー「Twin Frozr II」を搭載したGeForce GTX 580/570カードも投入している。ともにオーバークロック仕様で、GTX 580搭載の「N580GTX Twin Frozr II OC」はコア823MHz/メモリ4276MHzまで高めている。GTX 570搭載の「N570GTX Twin Frozr II OC」は標準仕様のコア732MHz/メモリ3800MHzからコア750MHz/メモリ4000MHzを実現した。価格は順に6万円弱と4万円弱だ。
Twin Frozr II搭載カードは「N560GTX-Ti Twin Frozr II OC」がすでに出回っており、今回で現行のGeForce 500ファミリーの全ラインアップをカバーしたことになる。TSUKUMO eX.は「ハイエンド系のグラフィックスカードは、どこのメーカーでも最初は標準仕様のカードが登場して、しばらくしたらオリジナルクーラーモデルを投入するという流れが一般的です。オリジナル仕様になってからが各社の勝負といえますが、最近はMSIの好調ぶりが目立っていますね。以前は外排気のHISが静かでよく冷える代表例になっていましたが、そのお株を奪った感があります」と今回の新製品の好調ぶりを予感していた。
なお、2基のファンを搭載したTwin Frozr IIの進化版クーラー「Twin Frozr III」を搭載したRadeon HD 6870カードも同じタイミングで登場している。「R6870 Hawk」で、価格は3万円弱だ。「標準クーラーより平均で18度低くなるということです。IIが好調なのでこちらもヒットしそうですね」(TSUKUMO eX.)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.