HSPA+通信対応の「Pocket WiFi(GP01)」。これまでのPocket WiFiとボディや使い勝手はほぼ同じながら、より高速に通信できるようになる。左はテザリング対応のAndroidスマートフォン「Pocket WiFi S」小さいボディに必要な機能だけを手軽に利用可能。一般層にも認知度が高まっているポータブル無線LANルータ Pocket WiFiシリーズに、“より高速に”通信できる進化・上位版が登場する。イー・モバイル「Pocket WiFi(GP01)」は、初代Pocket WiFi(D25HW)の手ごろなサイズ感や使い勝手はそのままに、より高速なデータ通信が期待できる下り最大21Mbps/上り最大5.8MbpsのHSPA+通信に対応したのが特徴だ。2011年3月12日に発売する。
外観やカラーリングは、GP01もD25HWもほとんど同じ。シルバー+ブラック(前面)とホワイト(底面・バッテリーカバー側)を基調とするカラーリングで、前面にアンテナ強度やバッテリー残量、無線LANセキュリティの方式を表示する液晶ディスプレイを搭載する。ボディサイズは48.6(幅)×95.5(高さ)×14.1(厚さ)ミリで重量は約80グラム(標準バッテリー装着時)となる。
左が初代Pocket WiFiのD25HW、右がGP01。サイズはほとんど同じで、側面のボタン数や外部通信端子が変更されている。簡易NAS代わりなどとして使える外部メモリカードは最大32GバイトのmicroSDHCをサポートするようになった(初代は最大16Gバイトまで)。本体上部にストラップホールもきちんとある外観上の主な違いは、側面のボタンがD25HWの3つから2つに減り(3G通信オフボタンを省略)、外部端子がMini USB(USB Mini-B 5ピン)からMicro USB(USB Micro-B)となった程度か。GP01はD25HWの上位版という位置付けで、D25HWも併売するが「このデザインとカラーリングが“Pocket WiFi”のアイデンティティとして受け入れられているので、あえて同じものにした」(広報)という。ちなみにGP01という型番は、EMOBILE “G”4(の料金プランを用いる)+“P”ocket WiFiの1機種めを意味するようで、ガ○ダム試作1号機とは「基本的に関係ないと思う」(広報)とのことだ。
バッテリーは3.7ボルト/1500mAhで、連続約4時間通信できる(連続待受は約300時間)。このほか、2011年5月以降にGP01専用の大容量バッテリー(4200円)もオプション品に加わる。大容量バッテリーは3.7ボルト/2600mAhで、連続約7時間の通信が可能。大容量バッテリーの装着で本体は約6.9ミリ厚くなるものの、(これまでも、サードパーティ製の大容量バッテリーは存在したが)標準オプションキットとしてバッテリー動作時間が伸びる手段を用意してくれるのは安心できるといえる。期間限定でこの大容量バッテリーがもらえるキャンペーンも行うので、「さらに、より長く。しかもタダで」を望む人は早めに購入しておくことを勧めたい。2011年3月4日から3月31日のキャンペーン期間内に契約・購入した全ユーザーが対象になる。
なおバッテリー動作については、非サポートながらUSB出力型の汎用ポータブルバッテリーの利用も可能だ。今回は実検証していないが、動作中の充電も可能とのことである。
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外観は初代とほぼ同じ「Pocket WiFi(GP01)」。大容量バッテリーも標準オプションとして用意する
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通信端子はMicro USBに変更となった。非サポートだが、一般的なUSBポータブルバッテリーの利用は可能だという。D+/D−をショートした特別なケーブル・変換端子は必要なかった。そして、発売は少し先だがオプションで大容量バッテリーも用意する。大容量バッテリーは3.7ボルト/2600mAhで、連続約7時間動作する。大容量バッテリー用バッテリーカバーを装着すると約21ミリと少し厚めになる。付け替えは少し面倒だが、2つ合計で約11時間動作する環境を整えられるのはなかなか魅力だ。2011年3月31日までの購入で、後日、この大容量バッテリーと専用カバーがもらえる特典がある通信方式はW-CDMA/HSPA+ 1700MHz帯で、基本は日本国内でのイー・モバイル網でのみ利用できる。通信速度は下り最大21Mbps/上り最大5.8Mbpsとなる。
無線LANは2.4GHz帯のIEEE802.11b/g/n準拠で、最大5台まで無線LAN対応機器を同時接続(テザリング)できる(加えてプラス1台分、有線USBモデムとしても機能する)。簡単接続設定はWPSに対応、64/128ビットWEP、WPA-PSK、WPA2-PSK(TKPI/AES)、SSIDステルス、MACアドレスフィルタリングなどのセキュリティ機能はD25HWと同等だ。


「http://pocketwifi.home/」よりアクセスするWeb設定ツールのUIはかなり変更され、ログインしなくても3Gの通信ステータスや設定プロファイルをチェックできるようになったほか、通信設定になれていないライトユーザー向けにステップバイステップで設定できる「かんたん設定」ツールを設けた。本体の物理スイッチは省かれたが、3G通信および無線LANの無通信時5〜20分後に自動オフしてバッテリー動作時間の延長を図る設定は備える

無線LANはIEEE802.11b/g/n準拠。DHCPサーバ/ファイアウォール設定、SSIDステルス、MACアドレスフィルタリング、64/128ビットWEP、WPA-PSK、WPA2-PSKなど、ポータブル無線LANルータ機器としてはとりあえず標準的な機能を備える。電源オフ状態→テザリング通信が可能になるまでの起動時間は秒針読みで40秒ほど、残念ながら起動時間はそれほど短縮されていない印象だ(初代Pocket WiFiとあまり変わらない)。SPEEDTEST.netサイトで測定した通信速度の参考値は、PING:136ms/下り10.55Mbps/上り1.43Mbps。東京港区のイー・モバイル社内/平日13時ごろのやや利用者が多い(同社社員が多く利用しだしてしまった時間帯)環境での計測だったが、初代の下り最大7.2Mbpsは軽く超える実力を見せた利用できる料金プランはD25HWと異なり、GP01はEMOBILE G4ブランドのデータ通信端末向け料金プラン「EMOBILE G4データプラン/EMOBILE G4データプランB/EMOBILE G4スーパーライトデータプラン」を用いる。初期費となる端末価格は一括支払いのベーシック契約時で3万9580円、2年契約を条件にしたにねんM契約時で5980円。
月額料金の一例は以下の通り。
| 契約種別 | EMOBILE G4データプラン | EMOBILE G4データプランB | EMOBILE G4スーパーライトデータプラン |
|---|---|---|---|
| ベーシック契約時 | 6980円/月 | 5880円/月 | 2000〜6980円/月(無料通信:1000円分) |
| にねんS契約時 | 5580円/月 | 4480円/月 | 900〜5980円/月(無料通信:900円分) |
| にねんM契約時 | 5980円/月 | 4880円/月 | 1400〜6380円/月(無料通信:1000円分) |
| にねんL契約時 | 6980円/月 | 5880円/月 | 2400〜7380円/月(無料通信:1000円分) |
| にねんMAX契約時 | 7410円/月 | 6380円/月 | 2900〜7880円/月(無料通信:1000円分) |
| 条件 | ─ | 通信量5Gバイト/月まで | ─ |
| パケット単価 | ─ | ─ | 0.042円 |
より高速を望むモバイルPC利用者はもちろんだが、初代のPocket WiFiと同様に携帯ゲーム機やポータブル音楽プレーヤー、タブレット機器との親和性の高さとともに、一般層への訴求もより推進したいという
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