“ほぼ全部入り”の地デジPC──「dynabook Qosmio D711」実力チェック低消費電力、地デジ対策もOK(1/3 ページ)

» 2011年04月08日 11時00分 公開
[岩城俊介(撮影:矢野渉),ITmedia]
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フルHD、BD、3波チューナー、デザイン性にも優れる液晶一体型デスクトップPC

photo 東芝「dynabook Qosmio D711」(D711/T98W リュクスホワイト) 価格はオープン、想定実売価格は20万円前後だ(2011年4月現在)

 PCもテレビも、これ1台でOK。2011年4月現在、自作PCユーザーなど高リテラシー・ハイエンド指向の人を除く個人向けデスクトップPCの売れ筋は「地デジ対応液晶一体型」である。液晶テレビ、Blu-rayレコーダー、サウンドシステム、そしてPCの機能をひとまとめにした「1台複数台役」のお得な構成を特徴とする。

 今回検証する東芝「dynabook Qosmio D711」もそのトレンドを包括した地デジ対応液晶一体型デスクトップPCだ。dynabook Qosmio Dシリーズは名称こそ知名度のあるdyna“book”を用いるが、東芝の家庭用テレビ“REGZA”シリーズを連想させるシャープかつ省スペースのボディデザインで、市場でも人気の高いモデルの1つとなっている(3月第4週のPC販売ランキング参照)。

 まずは外観をチェックしよう。dynabook Qosmio D711は、2010年夏モデル「dynabook Qosmio DX」からデザインに大きな変化はないものの、やはり見た目は“液晶テレビ”だ。ディスプレイサイズは21.5型ワイドで、フルHD(1920×1080ドット)表示に対応するLEDバックライト搭載液晶パネルを搭載する。評価機のリュクスホワイト(新色)のほか、シャイニーレッドとプレシャスブラックを含めた計3色のカラーバリエーションを用意する。


photophoto 液晶ディスプレイはフルHD表示対応の21.5型ワイド。シンプルな金属素材のスタンドを含め、背面もスッキリした造形となっている

 “PCというより、テレビのような”デザインは、側面や背面から見ても同じだ。ボディの奥行きは手のひらを伸ばした程度の190ミリとかなり薄く、ゴツゴツ感のないスッキリした造形となっている。

 設置に必要なスペースは、22V型ないし24V型クラスの一般的な家庭用液晶テレビと同等と思ってよい。PC、レコーダー、Blu-ray Discプレーヤーとしての機能も内蔵しつつもと考えると、かなり省スペースにまとめられる。キーボードやマウス、ネットワーク系は無線式のため、最低限PCに接続するのはACアダプタの電源ケーブルとテレビアンテナケーブルの2本のみで済む。場所によってPCの背面が見える場所──例えばキッチンのカウンターテーブルやベッドサイドの移動テーブルなどに置いても、ケーブル類でごちゃつくことなくスマートに活用できそうだ。

 搭載インタフェースは、左側面にUSB 3.0×2、マルチメモリカードリーダー(SDXC対応SDメモリーカード、メモリースティック、xDピクチャーカード)、ヘッドフォン/マイク入出力、右側面にBDXL対応Blu-ray Discドライブ、B-CASカードスロット、画面オフ/入力切り替え/明るさ・ボリューム調整ボタン、背面にHDMI入力/D4入力、RCA音声入力、1000BASE-T準拠の有線LAN、USB 2.0×4、テレビアンテナ入力(同軸75オーム)、DC入力端子が備わる。また、無線通信機能として、IEEE802.11b/g/n準拠の無線LANも搭載する。

photophotophoto 使用頻度の高いUSB端子(USB 3.0×2)とマイク/ヘッドフォン、メモリカードスロットを左側面に、光学ドライブ(Blu-ray Disc)、B-CASカードスロット、入力切り替え/音量/明るさ調整ボタンが右側面に並ぶ。画面は下向き5度から上向き20度の範囲で調整できる
photo PCの電源がオフの時もUSBポートに電力を供給する「スリープアンドチャージ」機能。ケータイや音楽プレーヤーの充電に便利だ。もう1つ、「スリープアンドミュージック」機能も同様に、PC電源オフでも接続した音楽プレーヤーのコンテンツを本体のスピーカーで楽しめる

 側面のUSB 3.0端子は、対応機器との組み合わせでこれまでのUSB 2.0より高速な新世代の接続インタフェースだ。加えて、本体の電源がオフ(電源オフ/スリープ/休止状態)の時もUSBポートに電力を供給する「スリープアンドチャージ」機能に対応する。こちらは携帯電話やスマートフォン、携帯音楽プレーヤー、携帯ゲーム機などの充電に大変便利である。

 背面左側のHDMI、D4、RCA音声入力端子は、別途家庭用レコーダーや家庭用ゲーム機、携帯音楽プレーヤーなどを接続して利用するもの。一般的なテレビの入力切り替えと同様に、本機を外部ディスプレイとして活用できるようになっている。また、「スリープアンドミュージック」機能により、PCを起動することなく音楽プレーヤーの外部スピーカーとして使うこともできる。Dolby Advanced AudioとMaxxAudioによる高音質化技術とともに臨場感のあるサウンドで楽しめるオンキヨー製ステレオスピーカーを搭載する。


photophoto 本体背面に、入力切り替えで本機を外部ディスプレイとして活用できるHDMI(映像+音声)/D4映像/RCA音声の入力端子がある(写真=左) 右側にはDC入力、アンテナ入力、有線LAN、USB 2.0×4が備わる。メモリスロットは2本で、2Gバイトモジュールを2枚標準搭載済み。右下の隠しポートにワイヤレスキーボードとマウス用のレシーバーが装着されている

 PC操作用のキーボードとマウスはワイヤレス仕様だ(本体背面にあるカバー付きの隠れポートにレシーバーがある)。キーボードは106キー仕様のテンキー付き日本語配列で、キーピッチは正方19ミリ、キーストロークは約2ミリ。キーストロークが浅めなので操作感はよくあるA4ノートPCのそれに似た感覚だが、違和感はない。薄く軽いので、例えば画面から少し離れた場所に持ち出して使うシーンにも便利だ。PCを使わない時はスタンド付近へすっきり収納できる。

 リモコンはテレビやレコーダー機能を操作するAV系機能のほか、本体の電源オン/オフ、Windows Media Centerを含むPC機能におけるメディアプレーヤー機能の操作も行える。ボタンの数がやや多いので、どのボタンがAV機能とPC機能でどう作用するか最初は迷ったが、よくある家庭用レコーダーのリモコンを違和感なく扱える人ならすぐ慣れるだろう。

photophotophoto リュクスホワイトモデルはボディと同色のホワイトのキーボードとマウスが付属する(シャイニーレッドとプレシャスブラックはブラックカラーのものが付属)。リモコンはテレビ・レコーダー操作以外に、Windows Media Center用としても機能する(写真=中央) ACアダプタはかなり大きい。サイズは約170(幅)×85(奥行き)×43(高さ)ミリで、重量は約878グラムもあった(写真=右)

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