先日、シャープがメディアタブレット「GALAPAGOS(5.5型サイズのEB-W51GJと、10.8型サイズのEB-WX1GJ)」を2011年9月末に販売終了すると発表したが、GALAPAGOSシリーズそのものが絶滅するわけではない。イー・アクセス/イー・モバイルブランドの7型タブレット「GALAPAGOS A01SH」がある。今回はこの2011年10月現在、唯一のGALAPAGOS現行モデルとなるA01SHの使い勝手をチェックしよう。
A01SHはOSにAndroid3.2、プロセッサにデュアルコアのTegra 2を採用する、いわゆるAndroidタブレットだ。本体サイズは122(幅)×195(高さ)×11.9〜12.6(厚さ)ミリ、重量は約389グラム。同じ7型ボディの「GALAXY Tab SC-01C」と同等で、10.1型サイズのタブレットよりひとまわり小さく軽量なため、手のひらに収まるサイズ感を実現する。GALAXY Tabとの違いは、最新のAndroid3.2を搭載した点、イー・モバイルブランドで販売するが3Gデータ通信機能を内蔵しない無線LANモデルであることなどが挙げられる。外出先では、イー・モバイル「Pocket WiFi GP02」などのポータブル無線LANルータとともに活用するイメージだ。家電量販店ではこれらがセットで販売され、2年間の通信契約により本機を実質割引価格で購入できる特典などもある。
このほか、GALAXY Tab SC-01Cに搭載する旧Android 2.xシリーズは縦位置での使用が基本だが、タブレットデバイス向けとする本機のAndroid3.2は横位置での利用が主となっている。こちらは、裏面のロゴやハンドグリップの位置、ステレオスピーカーの配置などからもそれが伺える。
起動後、ホームボタンを押すと「GALAPAGOS App for Tablet」か「ランチャー」かを選択するよう促すメッセージが表示される。ランチャーはAndroid 3.2標準のホーム画面、対してGALAPAGOS App for Tabletは、シャープのGALAPAGOSサービスを便利に、主にeBookリーダーとして活用するときに選びたいオリジナルのホーム画面だ。ホームボタンで書籍の表紙が並ぶ“デスク”と呼ぶ画面が開く。
なお先ほどAndroid 3.2は横位置が基本と述べたが、「GALAPAGOS App for Tablet」のメニューは縦位置で使用するスタイルとなっている。一方で本体裏面のグリップは横位置用にデザインされており、若干の矛盾があるのだが、側面そのものはなだらかに丸みを帯びた造形であるために手にしたフィット感に悪い部分はない。
GALAPAGOS App for Tabletメニューの基本機能は、これまでのEB-W51GJやEB-WX1GJ、スマートフォン向けに提供される「GALAPAGOS App for Smartphone」と大きく変わらない。eBookを読むには、左下のボタンからアクセスする「TSUTAYA GALAPAGOS」のサイトでユーザー登録を行ってから購入手続きを行う。TSUTAYA GALAPAGOSは、1ID(1つのユーザー登録)に対して3台までの機器を登録でき、購入したeBookデータを共有できる。
TSUTAYA GALAPAGOSは、書籍のほかに雑誌の定期購読もできる。こちらは読む雑誌にもよるが、本機の7インチワイドディスプレイ(1024×600ドット)で、本来はA4サイズクラスである雑誌を快適に閲覧するにはやや小さいと感じる印象だ。一方、テキストが中心の書籍は普通に単行本サイズ感覚で読める。普段から文庫本を携帯する筆者は、荷物をより少なく・軽くしたいという意味を含めてもう少し画面サイズが小さくてもよいという印象を受けた。
ちょうどいいサイズ感だったのがコミックだ。電子書籍ストアのTSUTAYA GALAPAGOSは、ドットブック(.book)形式への対応にともない、2011年8月以降に講談社コミックなどのコンテンツが大幅に拡充された。コミック単行本は冊数が多いため、一度にまとめて何冊分も持ち歩けて、まとめて読める電子書籍用途に適するコンテンツだ。そのコミックをちょうどいいサイズ感で読めるということで、マンガ好きの層にはこの点でなかなか魅力的な端末だといえる。
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