インテル、“Sandy Bridge-E”シリーズCPUと“X79”チップセット発表

» 2011年11月14日 17時00分 公開
[ITmedia]

LGA 2011サポートのハイエンド限定モデル

 今回発表されたCPUは、これまで“Sandy Bridge-E”という開発コード名で開発を進めてきたモデルで、32ナノメートルプロセスルールを採用、ソケットはLGA 2011をサポートする。この第1弾として登場するのが、「Core i7-3960X プロセッサー エクストリーム・エディション」(Core i7-3960X)、「Core i7-3930Kプロセッサー」(Core i7-3930K)の2モデルで、このほかに、「Core i7-3820 プロセッサー」が2012年第1四半期に正式発表の予定だ(以下、“Sandy Bridge-E”シリーズと呼ぶ)。

LGA 2011を採用した“Sandy Bridge-E”シリーズの背面(写真=左)。Core i7-3960Xのダイ。8コアをベースにしているのが分かる(写真=右)

 Core i7-3960XとCore i7-3930Kは、6コアを内蔵するほか、Hyper-Threading Technologyに対応して12スレッドまで同時処理が可能だ。CPUに統合したメモリコントローラは4チャネルに対応し、利用できるメモリは定格動作でDDR3 1600MHzまでのサポートとなる。なお、インテルは、1チャネルあたりで利用できるメモリモジュールを1枚までとしている。これは、メモリの動作クロックで1600MHzを安定して動作させるためで、1チャネルに2枚のメモリを組み込んだ状態では、1333MHzの動作も難しいという。

 CPUに統合されたPCI Expressコントローラでは40レーンが利用でき、マルチグラフィックスカード環境を構成する場合は、2組の16レーンと8レーン、または、16レーンと3組の8レーン、ないしは、16レーンと2組の8レーン、2組の4レーンという組み合わせに変更できる。

 “Sandy Bridge-E”シリーズは、命令セットとしてIntel AVXとAESをサポートする。ただし、メインターゲットがコンシューマーユーザーでビジネス利用ではないため、vProには対応せず、Intel VT、Intel TXTもサポートしない。

 なお、PCI Expressは、“第3世代”もサポートするが、インテルでは、「周辺機器の検証が十分でいていないので、現時点では訴求しない」と説明している。

 Core i7-3960Xの動作クロックは3.3GHzで、Turbo Boost Technology 2.0有効時には最大3.9GHzまで上がる。2次キャッシュメモリはコアごとに実装して容量は256Kバイト。3次キャッシュメモリは搭載するコアで共有され、容量は15Mバイトになる。TDPは130ワット。Core i7-3930Kの動作クロックは3.2GHzで、こちらもTurbo Boost Technology 2.0有効時には最大で3.8GHzまで上がる。2次キャッシュメモリはコアごとに実装して容量は256KバイトとCore i7-3960Xと同じだが。コアで共有する3次キャッシュメモリの容量は12Mバイトになる。TDPは130ワット。なお、この2モデルは、倍率変更ロックが解除されている。

 価格は1000個出荷時でCore i7-3960Xが7万6860円、Core i7-3930Kが4万3009円になる。

 Core i7-3820は、上位2モデルからコアをクアッドコアに減らしたモデルだ(Hyper-Treading Technologyで8スレット同時処理対応)。ただし、ベースの動作クロックは3.6GHzと最も高い。Turbo Boost Technology有効時で最大3.9GHz。メモリは4チャネルでDDR3 1600MHzと上位2モデルと同様だが、コア共有の3次キャッシュメモリの容量は10Mバイトになる。TDPは130ワット。

“Sandy Bridge-E”シリーズのラインアップと主な仕様(写真=左)。そして、Core i7-3960Xでサポートする主な機能(写真=右)

ベンチマークテストで測定した結果をCore i7-3960XとCore i7-980X(写真=左)、Core i7-2600K(写真=右)とそれぞれ比較する。いずれの場合でもメモリ性能の向上が著しい

 リテールパッケージには、クーラーユニットが付属しない。インテルは別売りでクーラーユニットを2種類用意する。1つは水冷ユニットで、ジャケットとタンク、ラジエータの一体化モデル、もう1つは空冷ユニットた。水冷ユニットの価格は85〜100ドルでLGA 2011のほか、LGA 1155にも対応する。空冷ユニットは価格が20ドル以下、ただし、LGA 2011のみの対応となる。なお、インテルは両者の冷却能力に差はないとしている。

“Sandy Bridge-E”シリーズのリテールパッケージにはクーラーユニットが付属しない。インテルは別売りで水冷ユニット(写真=左)と空冷ユニット(写真=右)を用意する

オーバークロッカーも“楽しめる”純正X79マザーボード

 “Sandy Bridg-E”シリーズに対応する「Intel X79 Express チップセット」は、LGA 2011をサポートし、CPUとはDMIで接続する。2基のSerial ATA 6Gbpsと4基のSerial ATA 3Gbpsが利用できるほか、オプションでIntel Rapid Storage Technology enterprise 3.0をサポートする。また、14基のUSB 2.0、ギガビット有線LANも接続可能だ。

 インテルは、Intel X79 Express搭載マザーボードとして「DX79SI」を用意する。実売予想価格は1万5000円前後の見込みだ。インテル純正マザーボードながら8基のメモリスロットを搭載し、PCI Expressスロットも3基用意する。また、オーバークロック用の設定ボタンやPO電源ボタンなどをオンボードで用意する。BIOSでは、オーバークロックメニューを用意し、ワンステップによるオーバークロック設定やオーバークロック設定内容の保存などが可能だ。

Intel X79 Expressの構成。Serial ATA 6Gbpsは2基対応となった(写真=左)。Intel X79 Expressを搭載したインテル純正マザーボードのD79SIは8基のメモリスロットを備える(写真=右)

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