POWEREX Electronicsは低予算PCの自作には欠かせない低価格電源ユニットを多数そろえているメーカーだ。ほかにも、モバイル機器用バッテリーの販売で知られている。同社は、こうしたパワーサプライ関連以外にも、実売価格1万円以下のPCケースも販売している。今回は、その中からタワータイプの新作3製品を紹介しよう。
「PRC-53BUS3」は、ATXフォームファクタに対応するミドルタワーPCケースだ。拡張性の高さと発熱量の多いハイエンドパーツの搭載を考慮した冷却性重視のデザインが特徴だ。
フロントのオープンベイとして、5インチ×3基と3.5インチ×1基を用意する。シャドウベイは、3.5インチが5基と、このサイズのPCケースとしては標準的だ。HDDの取り付けは、付属の防振ゴム付きレールを使用するタイプで、ドライバ不要のスクリューレス仕様を採用する。なお、SSDに対応した2.5インチの専用ベイは備えない。
冷却ファンは、すべてブルーLEDを内蔵したタイプで、標準構成で天板側に14センチ角を2基、背面に12センチ角を1基、フロントパネル側に12センチ角1基の計4基を備える。ほかにも、オプションとしてサイドパネルに14センチ角を2基、そして、底面にも12センチ角を1基追加できる。POWEREXが用意するスペック表に、ファンの回転数は記載されていないが、実際に電源を入れて動作させてみると、4基とも非常に静かだ。
ブラックを基調とした高級感のあるデザインで、動作時にはファンがブルーLEDで点灯する。ただ、剛性はあまり高くない。5インチベイの上には電源ボタンや2基のUSB 3.0対応インタフェース、オーディオ端子などが並んでいる。この部分のデザインが、5インチベイに取り付けたインタフェースボックスに似ているため、取り外せるようにみえるが、実際にはフロントカバーと一体成型されている。なお、フロントのUSB 3.0と接続するケーブルは、マザーボードのピンヘッダに直接取り付けることができるので、マザーボードのバックパネルに備えるインタフェースを使わなくて済む。
ケース内部は、電源ユニットをケースの底面側に配置するタイプで、最近のハイエンドATX対応モデルで採用例が多い。ケース内を走るケーブルは、マザーボードベースの裏から配線が可能で、内部をスッキリできるほか、マザーボードベース側のサイドパネルを開けて、CPU用クーラーユニットのバックプレートを取り外せるメンテナンス窓を備えるなど、メンテナンスやパーツの換装を重視する自作PCユーザー向けの機能が備わっている。電源ユニットは付属しないが、大型のPCケースなので、ATX24ピンやEPS12ピンなどの電源ケーブルは50センチ程度の余裕のある電源ユニットを選ぶと、マザーボードベース裏側の配線にも苦労しない。
ハイエンド志向のタワー型PCケースで気になるのが、ハイエンドクラスのグラフィックスカードを取り付けるときに影響する、バックパネルから3.5インチシャドウベイまでの長さだ。本製品では、標準で30センチとなっているが、大型のグラフィックスカードを組み込む場合は、シャドウベイを取り外して最大42センチまでのグラフィックスカードを取り付けられる。ただし、この場合は3.5インチシャドウベイは2基と少なくなる。
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