「VTC425-55B/US3」は、標準で電源ユニットが付属する。搭載する電源ユニットは、同社が出荷している「小錻力4」で、奥行きが約118ミリというコンパクトサイズが特徴のモデルだ。ただし、定格出力425ワットとミドルタワーのPCケースに載せる電源ユニットとしてはやや小さい。コネクタ数はATX24ピンが1基にEPS12/ATX12Vが1基、ペリフェラルは5基を備え、Sirial ATAが4基、FDD用が1基という構成になる。定格出力的にやむを得ないが、PCI-Express外部補助電源コネクタを持たない点は注意が必要だ。
本体のカラーには、ブラックを基調とする「VTC425-55B/US3」と、オフィス向けのホワイトタイプ「VTC425-55W/US3」をそろえる。ミドルタワータイプながら、フロントパネルに用意するオープンベイは、5インチベイを4基、3.5インチベイを1基と多く、シャドウベイも3.5インチを6基備える。フロントには、2基のUSB 3.0インタフェースも用意する。なお、USBケーブルはマザーボードの背面側にケーブルを回して取り付けるタイプだ。
内部は低価格PCケースで標準的なレイアウトで、PRC-53BUS3のようなマザーボードベース裏の配線スペースなどは用意しない。ただ、鋼材の切断部処理はていねいなのは低価格PCケースとして評価できる。バックパネルから3.5インチシャドウベイまでの長さは、約30センチとなっている。搭載する電源ユニットがPCI-Express外部補助電源コネクタを備えないので、大型のハイエンドグラフィックスカードを取り付ける機会はないと思われるので、それほど致命的ではない。
この価格帯のPCケースでは、標準構成でケースファンが1基しか付属しないことが多いが、本製品では、フロントパネル、背面ともに12センチ角の静音タイプが付属。実際に動作させたときの動作音も静かだった。
「VTC550-M08FF/US3」は、micro ATXフォームファクタ対応のミニタワータイプPCケースだ。ゲームユーザーを意識した高い冷却効率と拡張性を確保し、かつ、電源ユニットも付属する。電源ユニットの定格出力は、550ワットで、コネクタ数はATX24ピンが1基にEPS12/ATX12Vが1基、PCI-Express外部補助電源の6+2ピンが1基、同じく6ピンが1基、ペリフェラルが3基、Serial ATAが5基、FDD用が1基となる。定格出力が大きいので、PCI-Express用外部補助電源用が充実している。
フロントパネルのデザインは、ブラックを基調としている。そのフロントには、オープンベイが5インチベイ2基、3.5インチベイ1基を備える。また、シャドウベイは3.5インチ2基だ。フロントベイは、工具がいらないスクリューレス仕様で、取り付けと取り外しが簡単になっている。3.5インチシャドウベイが少ないが、その代わり、長さ32センチまでのグラフィックスカードが取り付け可能だ。フロントパネルには、2基のUSB 3.0を搭載し、ケーブルはマザーボード上のバックパネルインタフェースにケーブルを回して取り付ける。
内部のレイアウトは標準的だが、ケースの内部までブラックで塗装加工をしているほか、グラフィックスカードのロックスイッチ、ドライブベイの固定金具など、作りもしっかりしている。
ケースファンは、前面に12センチ角でブルーLEDを内蔵したタイプを、背面には9センチ角をそれぞれ搭載する。フロントのケースファンは、内部に組み込んだ拡張カードに風が当たるようにファンの向きを調整している。なお、ファンの回転数は、今回取り上げたタワー型PCケースのなかでは高く、風量を重視している。
以上、今回はPOWEREXのタワー型PCケース3モデルを紹介した。ハイエンドパーツを使うなら冷却重視のPRC-53BUS3(実売8000円前後)、予算とドライブベイ重視ならVTC425-55B/US3(実売6000円前後)、microATXで多機能優先ならVTC550-M08FF/US3(実売7000円前後)となるだろう。いずれの製品にも共通するのは、価格が安価なわりには多機能というコストパフォーマンス重視の姿勢だ。中でもシャドウベイ数は少ないものの、冷却性能が高く、定格出力の大きな電源ユニットが付属するVTC550-M08FF/US3はコストパフォーマンスが高いだろう。
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