POWEREXのエントリータワーPCケースを試しまくるこれはいいコストパフォーマンス(2/2 ページ)

» 2012年02月29日 16時23分 公開
[長畑利博(撮影:矢野渉),ITmedia]
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425ワット電源付属のミドルタワー「VTC425-55B/US3」

 「VTC425-55B/US3」は、標準で電源ユニットが付属する。搭載する電源ユニットは、同社が出荷している「小錻力4」で、奥行きが約118ミリというコンパクトサイズが特徴のモデルだ。ただし、定格出力425ワットとミドルタワーのPCケースに載せる電源ユニットとしてはやや小さい。コネクタ数はATX24ピンが1基にEPS12/ATX12Vが1基、ペリフェラルは5基を備え、Sirial ATAが4基、FDD用が1基という構成になる。定格出力的にやむを得ないが、PCI-Express外部補助電源コネクタを持たない点は注意が必要だ。

 本体のカラーには、ブラックを基調とする「VTC425-55B/US3」と、オフィス向けのホワイトタイプ「VTC425-55W/US3」をそろえる。ミドルタワータイプながら、フロントパネルに用意するオープンベイは、5インチベイを4基、3.5インチベイを1基と多く、シャドウベイも3.5インチを6基備える。フロントには、2基のUSB 3.0インタフェースも用意する。なお、USBケーブルはマザーボードの背面側にケーブルを回して取り付けるタイプだ。

 内部は低価格PCケースで標準的なレイアウトで、PRC-53BUS3のようなマザーボードベース裏の配線スペースなどは用意しない。ただ、鋼材の切断部処理はていねいなのは低価格PCケースとして評価できる。バックパネルから3.5インチシャドウベイまでの長さは、約30センチとなっている。搭載する電源ユニットがPCI-Express外部補助電源コネクタを備えないので、大型のハイエンドグラフィックスカードを取り付ける機会はないと思われるので、それほど致命的ではない。

 この価格帯のPCケースでは、標準構成でケースファンが1基しか付属しないことが多いが、本製品では、フロントパネル、背面ともに12センチ角の静音タイプが付属。実際に動作させたときの動作音も静かだった。

ミドルタワーPCケースでは珍しく、フロントのオープンベイが5インチベイで4基、3.5インチベイで1基という拡張性の高さが特徴。フロントにはUSB 3.0インタフェースも備える。ブラックモデルの外に、オフィス向けのホワイトモデルも選べる(写真=左)。サイドパネルの取り外しは、背面側のネジをドライバーで外し、パネルをスライドさせる(写真=右)

背面のレイアウトは電源ユニットを上に配置する標準的なタイプだ。背面に12センチ角の静音タイプファンを搭載する(写真=左)。定格出力425ワットの電源ユニットが付属する。シャドウベイは3.5インチが6基と、このタイプのPCケースとしては多い(写真=中央)。標準で付属する電源ユニットは、同社製の「小錻力4」で、奥行きが約118ミリとコンパクトなタイプだ(写真=右)

microATX対応電源付属ケース「VTC550-M08FF/US3」

 「VTC550-M08FF/US3」は、micro ATXフォームファクタ対応のミニタワータイプPCケースだ。ゲームユーザーを意識した高い冷却効率と拡張性を確保し、かつ、電源ユニットも付属する。電源ユニットの定格出力は、550ワットで、コネクタ数はATX24ピンが1基にEPS12/ATX12Vが1基、PCI-Express外部補助電源の6+2ピンが1基、同じく6ピンが1基、ペリフェラルが3基、Serial ATAが5基、FDD用が1基となる。定格出力が大きいので、PCI-Express用外部補助電源用が充実している。

 フロントパネルのデザインは、ブラックを基調としている。そのフロントには、オープンベイが5インチベイ2基、3.5インチベイ1基を備える。また、シャドウベイは3.5インチ2基だ。フロントベイは、工具がいらないスクリューレス仕様で、取り付けと取り外しが簡単になっている。3.5インチシャドウベイが少ないが、その代わり、長さ32センチまでのグラフィックスカードが取り付け可能だ。フロントパネルには、2基のUSB 3.0を搭載し、ケーブルはマザーボード上のバックパネルインタフェースにケーブルを回して取り付ける。

 内部のレイアウトは標準的だが、ケースの内部までブラックで塗装加工をしているほか、グラフィックスカードのロックスイッチ、ドライブベイの固定金具など、作りもしっかりしている。

 ケースファンは、前面に12センチ角でブルーLEDを内蔵したタイプを、背面には9センチ角をそれぞれ搭載する。フロントのケースファンは、内部に組み込んだ拡張カードに風が当たるようにファンの向きを調整している。なお、ファンの回転数は、今回取り上げたタワー型PCケースのなかでは高く、風量を重視している。

micro ATXフォームファクタ対応のミニタワーPCケースで、本体サイズは、180(幅)×420(奥行き)×360(高さ)ミリとコンパクトだ(写真=左)。フロントのオープンベイは、5インチが2基、3.5インチが1基の構成。一番上のトレイは光学ドライブ用のカバーが付属する。フロントにはUSB 3.0を2基備える(写真=中央)。ケースファンは9センチ角タイプで、フロント搭載のファンは風量重視だが、背面のファンは静音性を重視する(写真=右)

内部も塗装されているなど、仕上がりには高級感がある。シャドウベイの数は少ないが、長さ32センチまでのグラフィックスカードが取り付け可能なレイアウトになっている(写真=左)。標準で付属する電源ユニットは定格出力550ワットでPCI-Express外部補助電源コネクタを装備する。ほかにも、12センチ角ファンを備えるなどミニタワーPCケースとしては充実している(写真=中央)。フロントにあるUSB 3.0につながるケーブルは、マザーボードのヘッダに接続するタイプではなく、マザーボードのバックパネルに備えたインタフェースに接続する(写真=右)

VTC550-M08FF/US3はお買い得感が高い

 以上、今回はPOWEREXのタワー型PCケース3モデルを紹介した。ハイエンドパーツを使うなら冷却重視のPRC-53BUS3(実売8000円前後)、予算とドライブベイ重視ならVTC425-55B/US3(実売6000円前後)、microATXで多機能優先ならVTC550-M08FF/US3(実売7000円前後)となるだろう。いずれの製品にも共通するのは、価格が安価なわりには多機能というコストパフォーマンス重視の姿勢だ。中でもシャドウベイ数は少ないものの、冷却性能が高く、定格出力の大きな電源ユニットが付属するVTC550-M08FF/US3はコストパフォーマンスが高いだろう。

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