Ivy Bridgeについては、Intelが参加するあらゆるイベントでこれまでも繰り返し説明してきたように、Sandy Bridgeで導入したアーキテクチャを22ナノメートルプロセスルールに微細化した“TICK”フェーズのCPUとして登場する。22ナノメートルプロセスルールで新しいアーキテクチャを導入するのは、2013年に登場する「Haswell」だが、Ivy Bridgeでも3Dトライゲートの導入でリーク電流の抑制を強化し、統合するグラフィックスコアの動作クロック向上と消費電力の大幅な削減を可能にする。Intelは、Ivy Bridgeの開発フェーズを「ただのTICKではない。TICK+だ!」と訴求している。
CeBIT 2012の説明では、Ivy Bridgeに対応するチップセットとして「Intel 7 シリーズチップセット」の名前を明らかにした。インテルの説明によると、ノートPCなどのモバイルプラットフォームに対応するIvy Bridgeでは、Intel 7シリーズチップセットと組み合わせて使うようになる。一方、従来のSandy Bridge世代のCPUは、Intel 6シリーズチップセットに加えて、Intel 7シリーズチップセットでも利用可能だ。
デスクトップPC向けプラットフォームでも、Ivy Bridgeに対応するチップセットとして、Intel 7 シリーズチップセットが登場する。デスクトップPC向けのIvy Bridgeでは、Intel 7 シリーズチップセットで利用できるほかに、従来のIntel 6 シリーズチップセットの一部(Intel Z68 Express、Intel P67 Express、Intel H67 Express、Intel H61 Expess)でも利用できることをIntelは正式に認めた。
なお、Intelに確認したところ、既存のIntel 6シリーズ搭載マザーボードでIvy Bridgeを動作するには、そのためのBIOSにアップデートする必要がある。また、この構成で、マザーボード側で用意する機能はすべて利用できるが、Intel Smart Connect、Intel Rapid Start Technologyなどの、Ivy BridgeとIntel 7 シリーズチップセットの組み合わせでサポートする機能は利用できないとしている。また、Sandy Bridge世代のCPUの組み合わせで可能だったマルチGPU環境の構築やIntel Identity Protectionも使えなくなる。
この説明会では、USB 3.0の制御機能をチップセットに統合することも明らかにした。Ivy Bridgeの訴求では、このほかにも、新しく導入する命令セット「Intel Identity Protection Technology」でセキュリティ機能が大幅に向上することや、Ivy Bridgeで統合する新しい世代のグラフィックスコアで、DirectX 11のサポートや16ビット長浮動小数点をカバーするEnhanced AVXの対応、そして、3Dグラフィックスの描画性能向上といったこれまでも繰り返して取り上げたポイントが紹介された。
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