「ノートPCじゃありません。“Ultrabook”です」──インテルの“一般層向け”Ultrabook認知プロモーショントリの次は「トラ」(1/2 ページ)

» 2012年03月14日 20時00分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Ultrabookとは何か ノートPCではなく、“Ultrabook”という新カテゴリ

photo インテルの吉田和正社長

 「われわれは本気。細かく定義したハードウェアスペックではなく、ユーザーがどう利用できるかを想定して提唱するIT機器の新しいカテゴリが“Ultrabook”である」──。

 インテルは3月14日、プレス向け説明会 インテルIA・プレスミーティングを実施。2012年度の主プロモーション商材となる「Ultrabook」を、最重要市場の1つとなる日本を含め、全世界での普及・認知をどう展開するかを説明した。

 「ユーザー体験をどう高められるか。インテルはこの観点で新しい技術を開発・投入している。かつて、PC進化の大きなブレイクスルーは1995年のMMXテクノロジによるマルチメディアパソコンの登場(ビジネスからコンシューマーにも)、2003年のCentrinoモバイル・テクノロジによる“全ノートPCに無線LAN標準搭載”化(デスクトップPCからノートPCへ)があった。Centrinoモバイル・テクノロジは、無線LANモジュールを実装しつつ“それをどう実利用者の利用形態に結び付けるか”を重視した、真のモバイルコンピューティングの始まりになったと思う。同じように、Ultrabookはモバイルコンピューティングのみならず、PC全体のユーザー体験をさらに進化させられるよう、“わくわく感”を与え、“今までできなかったことも実現できる”──とメッセージを発信し、同時にユーザーにもそう思ってもらえるよう育て、推進する新しい製品カテゴリと位置付けている」(インテルの吉田和正社長)

 改めて、Ultrabookとは何か。基本はバッテリー動作時間5時間以上(推奨は8時間以上)、7秒以内で休止状態から復帰(Intel Rapid Storage Technologyあるいはそれ相応の機能を実装)、ボディの厚さは14型クラスで21ミリ以下/13型クラスで18ミリ以下、第2世代(以上の)Coreプロセッサーを搭載するモデルが該当するが、インテルとしては「細かいハードウェアスペックではなく、その時点で望まれる“ユーザー体験”を満たせるもの」と細かい定義を声高には発しない考え。「Ultrabookはどれですか?/何ですか? と聞かれたら、本体に“Ultrabookシールが張ってあるもの”と答え(笑)、イベントや量販店などへ出向いて体験してねと促したいと思う。Ultrabook(のPRに)は、とにかく手にとって体験してもらうことが重要」(インテル マーケティング本部の山本専本部長)。


photophotophoto UltrabookはPC機器における3度目のブレイクスルーと想定する

 2011年春にコンセプト発表、2011年後半に初のUltrabookが製品化されたが、2012年はさらにデザイン洗練(薄型化など)・パフォーマンス向上(PC性能、バッテリー動作時間延長など)・安全性向上を果たす“第2世代”、そして2013年〜2014年に22ナノメートルプロセスルールとトライゲートトランジスタ技術を採用した“コードネーム:Ivy Bridge”と呼ばれる第3世代のCoreプロセッサーとともに「Ultrabook構想・ビジョンが実現する」という計画で推進する。

 インテルはUltrabookの訴求において、3億ドルのUltrabook基金(部品、バッテリー含めて、“より薄く”する技術開発支援など)、数億円規模のマーケティングキャンペーン、Ultrabook向けソフトウェアの用意、インテルAppUpセンターへの投資など、同社が開発する半導体、新技術だけでなく、Ultrabook発展のためのエコシステム構築を推進し、業界との協力体制を強化する。ヘルスケア、教育分野などへのITC利活用の促進も計画する。「ノートPCのシェアを食う──のではない。新たな市場を作りたい」(山本本部長)

photophotophoto 新カテゴリとするUltrabookは、PCのパフォーマンスとタブレットの特性を妥協なく両立すると訴求。市場は今後大きく拡大するとし、Ultrabookを軸にした各業界との協力体制も強化する
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月25日 更新
  1. ワコムが有機ELペンタブレットをついに投入! 「Wacom Movink 13」は約420gの軽量モデルだ (2024年04月24日)
  2. 16.3型の折りたたみノートPC「Thinkpad X1 Fold」は“大画面タブレット”として大きな価値あり (2024年04月24日)
  3. 「IBMはテクノロジーカンパニーだ」 日本IBMが5つの「価値共創領域」にこだわるワケ (2024年04月23日)
  4. 「社長室と役員室はなくしました」 価値共創領域に挑戦する日本IBM 山口社長のこだわり (2024年04月24日)
  5. Googleが「Google for Education GIGA スクールパッケージ」を発表 GIGAスクール用Chromebookの「新規採用」と「継続」を両にらみ (2024年04月23日)
  6. バッファロー開発陣に聞く「Wi-Fi 7」にいち早く対応したメリット 決め手は異なる周波数を束ねる「MLO」【前編】 (2024年04月22日)
  7. ロジクール、“プロ仕様”をうたった60%レイアウト採用ワイヤレスゲーミングキーボード (2024年04月24日)
  8. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  9. アドバンテック、第14世代Coreプロセッサを採用した産業向けシングルボードPC (2024年04月24日)
  10. ゼロからの画像生成も可能に――アドビが生成AI機能を強化した「Photoshop」のβ版を公開 (2024年04月23日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー