アペランド氏は、インテルのソフトウェアとサービスの戦略概要も説明している。インテルは、ソフトウェアにかかわる「OEMやODMなどを含むデバイスメーカー」「ソフトウェア開発者」「アプリケーションユーザー」といった3つのグループを設定し、メーカーには製品にプリインストールできるアプリケーションを提供し、開発者には開発ツールと技術情報の共有、配信サービスや代金回収といったストア機能の提供、そして、ユーザーには付加価値のあるアプリケーションを提供する。
配信などの“ストア機能”として提供されるのが、「AppUpセンター」で、2010年9月の運用開始当時はAtom Nシリーズを搭載するNetbookでの利用に適したアプリケーションの供給が主な役割だったが、いまでは、Windows OSを導入した汎用PC、MeeGoを導入したタブレットデバイスなど、その適用範囲は拡大している。AppUpの販売機能は協賛のパートナー企業に対しても提供することで、アプリケーションを開発してAppUpに登録するソフトウェア開発者が利益を得る機会を拡大している。また、開発者には、Netbook、タブレットデバイス、PCのそれぞれに向けた開発環境を提供でき、そのサポートのためのフォーラムやコミュニティを開設している。
インテルは、「アーキテクチャー・オブ・チョイス戦略」として、インテルアーキテクチャのハードウェアで、WindowsやMac OS、Linux、Android、Chrome OSなどをユーザーが選択できるように、それぞれのOSとインテルアーキテクチャで動作するアプリケーションを供給するが、インテルは、スマートフォンやタブレットデバイスなどのOSとして特にMeeGoを勧めている。アペランド氏も基調講演で、「マルチデバイスに対応したMeeGoはモバイルデバイスに最適化している。統一したAPIの実装で、タブレットデバイスやスマートフォンなどの異なるプラットフォームでも、容易な作業(再コンパイル)でソフトウェアを移植できる」と説明する。
アペランド氏は、MeeGoは、導入するデバイスごとにマンマシンインタフェースを最適化したカスタマイズが可能であるだけでなく、異なるデバイスで共通した操作の実現が容易に可能であるという特徴から、モバイルデバイスに適したOSであると述べるともに、OEMやODMメーカー、ミドルウェアやアプリケーションメーカー、そして、通信事業者など多くの企業をカバーするサポートのために、インテルは多くのリソースを投入していることもアピールする。
そのメインとして機能しているのが、「インテル ソフトウェア・ネットワーク」で、参加者は、インテルのソフトウェア技術者と情報の共有、フォーラムやイベントへの参加、技術ドキュメントの提供、開発環境へのアクセスなど、開発作業の支援を受けることができる。日本語でも利用できるAppUpセンターの開発者向けWebページ「IA Software User Society」(iSUS)もその一例として紹介された。
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