PCはかなり安価になった。すでに生活に必要なものとしてコモディティ(日用品)化され、一般ユーザーも気軽に利用するほど普及が進んだとも思える。
とはいえ、全体的には33%がまだPC未利用者、PC利用者であってもその約23%は「初心者」という。残りの中上級者層はさておき、まだ「サポートや詳細な説明を要するユーザー」は大変多く存在し、それゆえ「売ったら終わり──ではない。購入後サポートも必要」な層でもある。
では、「PCが故障」したらどうするか。今回は、国内トップシェアPCメーカー(2011年第4四半期時点で24.1% NECパーソナルコンピュータ+レノボ・ジャパンのレノボNECホールディングス合計/IDC Japan調べ)のNEC製PCにおける保守サポート拠点「群馬事業場」とその体制を紹介する。
個人向けPCを展開するNECパーソナルコンピュータは、中LenovoグループとNECが設立した合弁会社のうち、2011年7月に発足した子会社の1社(もう1社はレノボ・ジャパン)。NEC製個人向けPCは、製品そのものはもちろん、サポート体制も「安心・簡単・快適」をポリシーに展開する。
NECのPC生産拠点は山形県・米沢事業場、修理拠点は群馬県・群馬事業場をはじめ全国11か所に置く。中でも群馬事業場に置く東日本テクニカルセンターは、1都15県の東日本エリアの個人ユーザーと販売店(約3000法人/約9000店舗)を担当する。
個人NEC製PCの修理体制は「(PC保証期間中、121コンタクトセンターへの依頼で)1日修理」とする点が大きな強みだ。修理拠点の到着から修理→発送までを24時間以内に済ませる取り組みで、最短3日(引き取りで1日、発送で1日)で修理品が戻ってくる体制となっている。「(万一の故障時も)PCが使えない期間をなるべく短くしたいという思いで、修理を1日で済ます体制を徹底して強化した」(NECパーソナルコンピュータ 保守サポート事業部の土屋晃事業部長)。
1日修理(24時間以内の出荷率)は、2012年2月時点で達成率98.8%(2011年6月は92.3%)、さらに当日の営業時間内に修理を済ます「8時間以内の出荷率」も87.8%(2011年6月は39.2%)に達する。特に8時間以内の出荷は、NEC レノボ・ジャパングループが発足した2011年7月以降、これまでの仕組みや行程を以下のように見直し、ここ数カ月で急激に達成率を高めることに成功した。
これらにより、(1)で「約1時間30分早く」故障診断を開始、(3)で「約45%」診断検査時間を短縮(約3.5時間→約1.9時間)、(4)でも「約40%」の時間短縮(部品配送時間:約22分→約13分)、さらに(5)で「最大1時間30分」の短縮(作業時間の平均化)を実現。修理部品の在庫管理も、管理用システムである「K1」に蓄積した情報をもとにメンテナンスサイクルを短期(週1回→1日1回)とし、過剰在庫を抱えず、修理部品の在庫がない(=1日修理に間に合わない)事態の発生率を低減させたという。
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