第2回 かゆいところに手が届く、R631のユーティリティソフトを検証するキャンパスで使う「dynabook R631」(2/3 ページ)

» 2012年03月28日 11時30分 公開
[池田憲弘,ITmedia]

ACアダプタを持ち歩きたくない

 個人的にdynabook R631で最も評価しているのは携帯性の高さだ。もちろん軽さも評価しているが、それ以上にバッテリー動作時間の長さが気に入った。それは学生時代にACアダプタを日々持ち歩いた経験からきている。

 ACアダプタは意外に重い。Studio XPS(約2.2キロ)のACアダプタは376グラム(実測値)だった。重い上にかさばるのでバッグの中にも入れづらい。ちなみにdynabook R631のACアダプタは240グラム(実測値)。たった240グラムなのだが、これでもバッグに入れると意外に重さを感じる。

photophoto 大学では、すべての教室に満足な数の電源コンセントがあるわけではない。教室内の少ないコンセントを譲り合いながら充電するということも珍しくなかった(写真=左)。dynabook R631のACアダプタ。重量240グラム(実測値)で、本体と合わせると約1.44キロになる(写真=右)
photo 東芝ecoユーティリティは消費電力をグラフ化し、各種省電力設定を確認できる

 PCを1日中持ち歩いてもバッテリーが切れないならば、ACアダプタは持ち歩く必要はない。モバイルPCにとって、バッテリー動作時間や省電力機能は注目するポイントだ。dynabook R631をはじめとする東芝製PCには、省電力モードの電源プラン「eco」モードや、消費電力をグラフ化して省電力設定を確認できる「東芝ecoユーティリティ」が備わっている。

 dynabook R631の標準電源プランは「eco」「バランス」「高パフォーマンス」「省電力」の4種類があり、東芝ecoユーティリティを使えば、各設定ごとの消費電力や省電力設定も確認できる。

各設定ごとの消費電力と省電力設定(初期設定、バッテリー動作時)
項目 eco バランス 省電力 高パフォーマンス
アイドル時の消費電力 6〜8ワット 8〜10ワット 8〜10ワット 10〜12ワット
輝度レベル(8が最大、[]内は暗転時) 3[1] 4[4] 5[4] 8[4]
キーボードバックライト オフ オン オン オン
ディスプレイ暗転までの時間 1分 2分 1分 5分
ディスプレイ電源オフまでの時間 2分 5分 2分 10分
SSDの電源が切れるまでの時間 3分 10分 5分 20分
スリープモードへ移行する時間 5分 15分 10分 なし

 詳細設定を参照すると、各設定間の差異はこのほかに内蔵グラフィックス、CPU発熱時の対処、動画再生時の画質などがある。省電力設定と通常設定(または高パフォーマンス設定)では、高負荷時にパフォーマンスに差が出る。

各設定ごとの詳細設定(初期設定、バッテリー動作時)
項目 eco バランス 省電力 高パフォーマンス
内蔵グラフィックス バッテリー重視 バランス バッテリー重視 パフォーマンス重視
CPU発熱時の処理 ファン冷却 静音重視 CPU速度低下 静音重視
動画再生時の画質 バッテリー重視 バランス バッテリー重視 画質重視

 各設定でWebブラウジングや文書作成などを試してみたが、ecoモードや省電力モードでも十分だった。輝度に関しては蛍光灯がある屋内、大学ならば教室内で作業するならレベル2〜3で十分だし、キーボードバックライトもあまり必要ない。

 ただし、ディスプレイが2分で切れ、スリープモードへ5分で移行という設定は好みが分かれそうだ。授業のノートを取るなど、集中してPCに向かっているときなら、この設定でも支障はないだろう。一方で、友達と雑談をしながらPCで作業するなら、これでは少し短すぎる。ちょっと目を離せば、ディスプレイの電源がすぐに切れてしまう。いちいちタッチパッドに触れて、ディスプレイを復帰させるのは少々面倒だ。

photo 高度な設定を使えば、Webカメラをオフにすることや、CPUのTurbo Boost Technologyを無効にできる

 最も消費電力を抑えるには、ecoモードの設定で輝度を1まで落とす。これだと消費電力は4〜5ワット(アイドル時)となる。この状態でBBench 1.01(海人氏作)の標準設定のまま、IEEE802.11n接続環境下で実行したところ、満充電から残量2%で休止状態になるまで約7時間15分で、ecoモードの動作時間より15分程度長くなった。

 筆者の出身大学はフルコマで授業を受けた場合、90分×5コマで450分(7時間半)となる。もちろんすべての授業でPCを使うことはまれだろう。だが、筆者もゼミに入ってからは午前11時から午後8時まで、9時間ほど断続的にPCを使う日は確かにあった。dynabook R631のバッテリー動作時間は公称値で9時間だが、eco設定をうまく使えば公称値に近づけるような使い方もできる。

 ecoモードは、キーボード左上にある「eco」ボタンを押すとecoモードのオン/オフを切り替えられ、東芝ecoユーティリティも起動する。ワンアクションで動くので、輝度を変えるためのボタンだと思うとなかなか使い勝手がよい。

 ただ、ecoモードはタスクバー内に設置されたアイコンから設定できることもあり、キーボード上のボタンを使わなくてもよい。不必要に感じるなら「ボタンサポート」ユーティリティで、ecoボタンに別のアプリケーションを割り当てるのもいい。ecoボタンの右にある「インテルワイヤレスディスプレイ」の起動ボタンも同様だ。授業でノートを取るなら、メモ帳やWordなどの文書作成ソフトなどを割り当てておくと便利だろう。

photophoto ecoボタンはキーボードの左上にある。右隣のボタンは「インテルワイヤレスディスプレイ」の起動ボタン(写真=左)。「ボタンサポート」を使えば、ecoボタンに別の機能を割り当てられる(写真=右)

東芝ダイレクト

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