これはスマートな仕事マシン──Ultrabook「dynabook R631」に近未来の夢を見る薄い、軽い、使いやすい、すこぶる高速、あとは価格だ(1/4 ページ)

» 2011年10月28日 17時00分 公開
[岩城俊介(撮影:矢野渉),ITmedia]

超低電圧版Core iシリーズを搭載する期待の薄型ノートPC

photo 東芝「dynabook R631(R631/28D)」 2011年11月中旬発売予定だ

 PCをすべてタブレットに置き換える? そんなことまだムリ。PCでないと満足にできない作業も多い。だからこそUltrabookですよ。

 ──本当にそうだろうか。今回は国内メーカー初のUltrabook、東芝「dynabook R631」の実パフォーマンスを検証する。

 dynabook R631は、インテルが提唱する“Ultrabook”と呼ぶ新世代スリムノートPCに合致する新シリーズだ。dynabook R631のほかにレノボ・ジャパン「IdeaPad U300s」、日本エイサー「Aspire S3」、ASUS「ZENBOOK」なども登場予定であり、いずれもインテルの超電圧版Core iシリーズと11型あるいは13型クラスで厚さ15ミリ程度のボディを採用し、“不満のないPCパフォーマンスとセキュリティ性”と“スリムボディ”、“デザイン性”などのポイントを特徴としている。

 外観はひとまず「写真で見るUltrabook「dynabook R631」」にて、分解モデルは「「dynabook R631」のスケルトン&分解モデル公開、「Ultrabookシール」のデザインも判明」でサンプル機の様子を紹介したが、改めて実機で確認しよう

photophoto マグネシウム合金を用いたボディを採用する。ボディの最薄部は8.3ミリと極薄だ

 ボディは、なるほど薄く軽量だ。本体サイズは316(幅)×227(奥行き)×8.3〜15.6(高さ)ミリ、重量は約1.12キロ。鈍めのシルバーで塗装されるボディは、金属素材特有のサラリとした手触りとともに、かつての「dynabook SS」シリーズ、および光学ドライブ搭載薄型軽量モバイルノートPC「dynabook R731」シリーズで培った薄型化、およびマグネシウム合金ボディの技術により、薄さ+軽さと強度を両立している。これだけ薄型ながら、軽量合金の1枚板を手にしたようにカッチリ強固で安心できる感覚、そして過度に主張しすぎず、ビジネスシーンでも“浮かない”であろうたたずまいは印象がよい。

photophotophoto 本機と、ソニー「VAIO Z(VPCZ21)」、ASUS「ZENBOOK UX31E」、アップル「MacBook Air 13インチ」のサイズ感を比較
photo ディスプレイは1366×768ドット表示に対応する13.3型ワイド。表面はノングレア処理が施され、周囲や外光の映り込みを低減する

 ディスプレイは1366×768ドット表示に対応する13.3型ワイド液晶を採用する。表面は近年のノートPCには珍しくなったノングレアタイプとなっており、周囲や天井蛍光灯の映り込みを抑える仕様となっている。AV利活用シーンの訴求や部材調達コストの影響などにともない、最近のノートPCの主流は見栄えのよい光沢(グレア)タイプだが、ビジネスシーンではやはりノングレアのほうが使いやすい。こういうところに“やはりビジネスシーン寄り”として開発された本機の特性が表れている。

 なお、ディスプレイは片側を押さえずとも親指で持ち上げるだけでスッと開く。重量バランスの都合やディスプレイヒンジの仕様などにより、特に軽量・小型志向のモデルでこれを実現するのはなかなか難しいと聞くが、この部分に関するスマートさはMacBook Airと一緒だ。ただ、そのためかヒンジの抵抗感は軽め。さすがに不意に倒れるようなことはなく、普段は気にならないが、本体の位置をずらしたり、机を揺らすとディスプレイもプラプラ揺れる。

 搭載インタフェースは、本体左側面にSDXC対応SDメモリーカードスロット、マイク入力、ヘッドフォン出力、右側面にUSB 3.0と盗難防止(ケンジントンロック)ポートを、背面に1000BASE-T準拠の有線LAN、アナログRGB出力、HDMI出力、USB 2.0×2、DC入力端子を実装する。薄型化とそれにともなう基板レイアウトの都合でインタフェースの多くは背面に搭載するが、USB 3.0やSDメモリーカードリーダーなど、“使う時はすぐ近くにないとすごく面倒”とされるインタフェースだけはがんばって側面にしたという感じである。

 マウスとHDDなど、2つ以上のUSBデバイスを使用する場合、あるいは外部ディスプレイと接続する場合など、背面インタフェースへのアクセスはそれなりに面倒なのは否めない。ただ、ACアダプタの着脱はディスプレイを開いたまま行うことはまれだし、それなら代わりにどれを? と問われると確かにその選択肢になると思う。なお、外部ディスプレイについてはIntel WiDiにより、対応機器とともにワイヤレス接続できる手段もある。

photophoto 本体前面は状態表示インジケータとステレオスピーカーがある。ひとり仕事中の“ながら音楽再生”にも耐えうる、なかなか立派な音が出るスピーカーを実装する。意外に大きなスピーカーユニットの様子は前述のスケルトン・分解モデル記事を参照願いたい。本体背面に、HDMIやUSB 2.0のほか、アナログRGBや有線LANポートもしっかり搭載する。使い勝手の劣るポートリプリケータ型ではないのは「ビジネスユーザーとその活用シーンにおける使い勝手向上のため」である。HDMI出力はHDCP対応で最大1920×1080ドットまで、アナログRGB接続は2048×1536ドット表示までサポートする
photophoto 側面はマイク・ヘッドフォン端子、SDメモリーカードスロット(左)、USB 3.0ポート(右)を備える。オフィス利用時は外付けマウスを使う例は多いが、USBポートへ何も接続せず済むBluetoothにもできれば対応してほしかった
photophoto とはいえ側面のUSB 3.0ポートは活用シーンが多そうだ。参考として、同じUSB 3.0対応外付けHDDを、USB 3.0ポート(左)とUSB 2.0(右)に差し替えて転送速度を計測した

 このほか、IEEE802.11b/g/n準拠の無線LANとIEEE802.16e-2005準拠のWiMAXをサポートするインテル製通信モジュール「Centrino Wireless-N+WiMAX 6150」を搭載する。Centrino Wireless-N+WiMAX 6150は、同じく採用例の多い無線LAN+WiMAXのコンボモジュール Centrino Advanced-N+WiMAX 6250と比べ、5GHz帯のIEEE802.11a/nには対応しないベーシックバージョンだ。

 無線LANはIEEE802.11nのデュアルチャネルモードで最大300Mbps、WiMAXは対応エリアおよびWiMAXサービスの契約により(モジュールの仕様により)下り最大28Mbps/上り最大6Mbpsで通信できる。インテル製コンボモジュール搭載の本機は、UQコミュニケーションズによる国内WiMAXサービスはもちろん、海外(アメリカや韓国の一部都市)でもローミング利用が可能だ。

photophotophoto デバイスマネージャ画面の一部

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