次に「Mail」アプリを利用してみよう。従来は「Outlook Express」や「Windows Live Mail」と呼ばれていたアプリケーションのMetroスタイルアプリだ。メールソフトはMapsやWeatherなどと比較して、初期設定が必要になる。また、MailアプリはWindows 8の根幹の1つである「アカウント管理」に結びついている部分があり、Windows 8の基本を知るうえで重要な意味を持っている。
Mailアプリを起動すると、まず「Exchangeアカウント」の情報入力を要求してくる。Exchangeを利用していない場合はいったんキャンセルし、「アカウントの追加」から「Gmail」を選択することになる。Gmailの設定はシンプルで、Googleアカウントの情報を入れるだけで自動的にすべてのセットアップが完了する。このほか、W8CPではHotmailを合わせた計3種類の電子メールサービスの登録がデフォルトで可能になっており、従来のメールソフト設定にあった「SMTP/POPサーバ名の登録」などの細かい設定は必要ない。もし、上記以外のメールサービスを利用する場合は追加設定が必要だが、これも以前に比べれば使いやすくなった。
なお、Mailアプリ起動中にCharmを呼び出すと、アカウント関連の設定が行える。基本的に、アカウントの追加管理やNotificationsの設定はCharmで行うようになっている。
Windows 8において「アカウント管理」が重要なファクターであるのは、次に「Calendar」アプリを起動することと分かる。例えば、Mailアプリの設定を終えてからCalendarを起動すると、Googleアカウントの情報が追加されて、カレンダーにはユーザーがGoogle Calendarで入力した情報を表示する。実際、CalendarでCharmを開いてアカウント情報を確認すると、すでにGoogleアカウントを追加していることが分かる。W8CPで確認する限り、このように一度入力したアカウント情報はOSレベルで管理して、アプリ間で共有するようだ。これまで、Windowsでは個々のアプリケーションでセットアップを行わなければならなかったのが、Windows 8ではすべてのアプリの情報をアカウントに関連付けて管理し、一度にセットアップできるようになった。
「Messaging」アプリでも、やはりMicrosoftアカウント(従来の「Windows Live ID」)がすでに設定された状態で、新たにFacebookアカウントを追加するように促すメッセージを表示する。Messagingは、IMなどのチャットサービスを利用するアプリで、従来でいうMSN MessengerやFacebook Messengerをアプリから利用できるようになる。ここで登録したFacebookアカウントもまた、ほかのアプリ(例えば「フォト」)で利用できる。このように、アプリやサービスを使えば使うほど、数々のアカウント情報を蓄積していることになる。
なお、Messagingアプリについて、Charmに表示するメニュー構成がMailとCalendarと異なり、アカウント管理に関するリンクがない。統一的な操作がWindows 8の使いやすさに貢献すると思うので、このあたりの不整合な部分は製品版に向けて少しずつブラッシュアップが必要だろう。
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