Microsoft、アムステルダムでWindows 8を全力訴求Exploring Windows 8(2/3 ページ)

» 2012年06月29日 11時00分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

マルチアカウントのサポートでデバイスの連携を簡単に

 Windows 8では、HotmailやExchangeだけでなく、GoogleアカウントやTwitterアカウント、Facebookアカウントまで、さまざまなアカウント情報を一元管理する仕組みを提供する。「People」アプリでこれらアカウント情報で収集したフレンド情報を一覧表示させたり、「カレンダー」アプリで複数アカウントに分散したカレンダー情報をまとめて表示したりと、アプリやサービス、デバイス間での連携が特に強化されているといえる。

複数の異なるサービスアカウントを同時に管理できるのもWindows 8の特徴だ。Exploring Windows 8では、カレンダーアプリに複数アカウントに分散したカレンダー情報を集め、それぞれを色分けして同時に表示できることを紹介した(写真=左)。「People」アプリはTwitterやLinkedInといった複数のオンラインサービスで取得する情報を集めて一元管理できるツールだ。一覧画面では大量の人名が表示されることになるが、ピンチイン(2本指を閉じる動作)することでアルファベット一覧の表示モードへと移動するなど、タッチジェスチャーと組み合わせた操作性を考えている(写真=中央、右)

開発者とエンタープライズにとってのWindows 8

 Exploring Windows 8では、開発者やエンタープライズ向けに関する情報も紹介した。Windows 8の主要なトピックの1つに「Windows Store」があるが、一般向けのMetroスタイルアプリ配布がここの経由に限られているということもあり、開発者は、Windows Storeの存在を意識せざるを得ない。ただ、Windows Storeには既存のパッケージ流通や自社サイト経由のオンライン配布にはないメリットがいくつかある。まず、ダウンロード状況が事細かに把握できるので、分析ツールと組み合わせてプロモーションが行いやすい。そして、Microsoftが全世界向けにストアを公開していることもあり、狭い枠で流通に苦労するよりは、より多くのビジネスチャンスを獲得する転機にもなる。

 ほかのプラットフォームにはないMicrosoft製品ならではの特徴として、「幅広い開発言語や手法のサポート」「膨大なライブラリ」「強力な開発ツール/デバッガ」などの存在もある。Metroスタイルアプリ1つをとっても、C#/VBから、C/C++、HTML+JavaScriptまで、さまざまな手法が選択できる。Visual Studioの提供やMSDN経由での情報提供なども、これまでの実績に裏打ちされたものであり、競合が提供するプラットフォームに比較して門戸は広い。Windows Storeへの登録でも、アプリ検証のための支援ツールが用意されており、登録審査前の段階で基本審査がテストの一問一答形式で採点される形で行われ、ステップを順に踏んだ登録が可能だ。

開発者がWindows Store向けにアプリを提供するメリットを掲げる。マネタイズの部分には賛否あるが、まず、Metroスタイルアプリを一般に配布する唯一の手段であること、さまざまな開発言語サポートを含む強力なツール群が用意されていること、そして、Windows RTのような新しいプラットフォームでの可能性などが、ライバルのプラットフォームにないメリットとなる(写真=左)。C#/VBから、C/C++、HTML+JavaScriptまで、幅広い言語やプログラミング手法をカバーするのは、Microsoftだけといえる(写真=中央)。アプリのダウンロード状況やプロモーション効果などを確認できる分析ツール。こうした細かい情報が把握できるのは、パッケージ流通にとって有利だ(写真=右)

さまざまなサンプルコードが参照できるツールライブラリ。また開発ツール内で基本画面構成はテンプレート化されており、初めからウィンドウ画面を構築するなどの手間は少ない(写真=左、中央)。デバッグや動作テストはエミュレータで。画面にあるように縮小サイズでのおおまかな動作確認のほか、スクリーンモードの変更やローテーションまで、あらゆるシーンを想定してテストが行える(写真=右)

アプリができたらDev Centerにパッケージを登録して認証テストへ。結果はすぐに返され、アプリの問題点を指摘してくれる(写真=左)。Always-On、Always-Connectedのデモ。スリープ中(正確には画面を消して待機状態)にあるマシンに対してメッセージを送信すると、マシンがすぐに反応してアクティブ状態へと移行する。写真はその推移をプロセッサ稼働状況を監視するプロファイラでグラフ化している(写真=中央、右)

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