IdeaCentre A720で“水平ディスプレイ”の使い勝手を考えた見た目で驚く液晶一体型PC(2/3 ページ)

» 2012年08月02日 10時24分 公開
[林.佑樹(撮影:矢野渉),ITmedia]

10点マルチタッチを“対応ゲーム”で楽しむ

IdeaCentre A720のタッチパネルは10点マルチの同時タッチに対応する。ペイントでは、両手で同時に線を描けた

 評価機が導入していたOSは、64ビット版 Windows 7 Home Premiumで、タッチ操作に対応しているものの、“気持ち使いやすい”程度のUIに過ぎない。それもあってか、デフォルトの設定では「画面上の文字を読みやすくします」の設定が「中(M)−125%」になっていた。この状態で「閉じる」ボタンがほぼ指先大のサイズになり、ソフトウェアキーボードの入力以外は快適にできた。ドラッグやコンテキストメニューの表示など、片手で操作しつつ、文字入力だけはキーボードで操作するという、タブレットデバイスに体が慣れてしまったノートPCユーザーにしてみれば、IdeaCentre A720の“画面のタッチ&キーボード入力”操作は快適だ。

 レノボが用意した独自のソフトウェアも、タッチパネル操作を前提としたものをそろえている。「Idea Touch」「Lenovo Camera Fun Zone」は、主にエンタメを意識したものになっている。Lenovo Camera Fun Zoneには、本体正面にあるウェブカムを利用して楽しめる、“体感ゲーム”を複数収録する。

 「Idea Touch」はタッチ操作で、動画や音楽、電子書籍、ゲーム、写真、ウィジェットにアクセスできるユーティリティで、そのデザインと操作方法はAndroidタブレットデバイスのホーム画面に近い。プリインストールしているゲームタイトルには、「Angry Bird」をはじめとして、「Fruit Ninja」や「Piano」といった10点マルチタッチに対応したものを用意している。

 大画面でプレイするAngry Birdは、弾道計算が容易でハイスコアを狙いやすい。なお、ゲームを別途インストールしても、マルチタッチを活用できる。もちろん、ゲームタイトルごとでセキュリティが異なるため、うまく動作しないタイトルもあるが、FPS系のゲームでは、エイミングをタッチパネル側で慎重にドラッグして、マウス側で射撃入力といったことも行えた。移動しながらのアサルトプレイは難しいが、スナイピングはだいぶ精度よくできる。

ゲームやメディア再生だけなら「Idea Touch」のみで操作が完結する(写真=左)。「Lenovo Camera Fun Zone」には、ウェブカムを利用して、体感アクションを楽しめるゲームタイトルがならぶ(写真=右)

「Idea Touch」「Lenovo Camera Fun Zone」のラウンチャーはデスクトップ上に配置する。場所とアイコンサイズは固定だ。Androidのような大型ウィジェットでもよかったのではないだろうか(写真=左)。このアイコンをタップすると、Idea Touchの画面に移行する(写真=右)

 タッチの反応速度は、現在流通しているスマートフォンやタブレットデバイスと同じ感覚だ。従来、Widnowsを導入するタッチパネル搭載デバイスの多くは、システムのスペックが低いと反応が微妙に鈍かった(この、“微妙”が操作における快適さを大きく損ねる)が、IdeaCentre A720は、CPUにクアッドコアのCore i7-3610QM(2.3GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大3.3GHz、TDP 45ワット)ということもあり、レスポンスはいい。

クアッドコアCPUに8Gバイトメモリと意外と強力な構成

 IdeaCentre A720は、BTOで選択できるシステム構成は用意しない。ハードウェアの構成は1種類だけで、その内容はハイスペックなノートPCと共通する。CPUはCore i7-3610QM、メモリにDDR3 1333MHzを8Gバイト(4Gバイト×2)、また、ディスクリートGPUとしてNVIDIAのGeForce GT630Mを搭載する。データストレージは、1TバイトのHDDのみで、評価機材はWestern DigitalのWD10JPVTを採用していた。なお、最近、導入例が増えているeSATA接続の小容量SSDを疑似キャッシュとして利用するIntel Smart Response Technologyには対応しない。

 本体搭載のインタフェースには、2基のUSB 2.0と2基のUSB 3.0、1000BASE-Tまで対応する有線LAN、マイクとヘッドフォンのコネクタ、HDMI入力、HDMI出力、6-inー1カードリーダ(SDメモリーカード、SDHC、SDXC、MMC、メモリースティック、メモリースティック PRO対応)、Blu-rayコンボドライブを備える。電源スイッチは液晶ディスプレイの右側面にあり、しばらく探してしまったが、慣れてくると使いやすい位置だ。無線接続は、IEEE 802.11b/g/n準拠の無線LANと、Bluetoothが利用できる。

左側面には、USB 3.0とHDMI入力、HDMI出力をそなえ(写真=左)、背面には、ヘッドフォン端子とマイク端子、USB 3,0、2基のUSB 2.0、電源コネクタ、有線LAN、盗難防止チェーンコネクタを搭載する(写真=中央)。右側面は、スロットインタイプの内蔵ドライブとメディアカードリーダを用意する。電源ボタンはディスプレイ部の右側面下に設けている(写真=右)

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