「気軽に始める自作PC」ということで、Shuttleのベアボーンキット「SZ77R5」を使って、1台PCを組み上げてみた。繰り返しになるが、キューブ型のコンパクトなボディに詰め込んだPCパーツを確認しておこう。
SZ77R5に“詰め込んだ”PCパーツリスト | |
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CPU | Core i7-3770K(3.5GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大3.9GHz、4コア/8スレッド、TDP 77ワット) |
システムメモリ | G.Skill F3-14900CL9Q-16GBXL(4Gバイト×2枚、DDR3-1600設定で動作) |
SSD | Plextor PX-128M2P(容量128Gバイト、Serial ATA 6Gbps対応) |
グラフィックスカード | ASUS GTX680-2GD5(GeForce GTX 680搭載) |
CPUは、LGA 1155に対応する最上位モデル「Core i7-3770K」で、グラフィックスカードはNVIDIAの最新アーキテクチャ「Kepler」世代の、こちらも最上位モデルとなる「GeForce GTX 680」を搭載したモデルを選んだ。マザーボードのチップセットもIntel Z77 Expressと、これまた最上位モデルだ。サイズをコンパクトにしたキューブ型のPCながら、その構成はタワー型のデスクトップPCに相当し、性能はすこぶる高いはずだ。
とはいえ、「性能がすこぶる高い」というのは、どうすれば実感できるだろうか。自分で組み立てたPCの性能が、どのくらい「高い」のかが気になるのは、PCを自作をするユーザー全員に共通する。こういうときに、性能の物差しとして利用するのが、「ベンチマークテスト」だ。
ベンチマークテストにもいろいろあるが、自作したPCの性能がほかのPCと比べてどれだけのものかを知りたいなら、利用するユーザーが多いベンチマークテストを使いたい。そういう意味で、Futuremarkが提供する「PCMark 7」や「3DMark 11」は、“世界共通の物差し”といっていい。
PCMark 7は、CPUやGPU、システムメモリやデータストレージで構成するPCのシステムとしての総合性能を、ユーザーの利用方法を想定して測定するベンチマークテストの最新版だ。一方、3DMark 11は、グラフィックス性能と物理演算性能に特化して、PCゲームを動かすときの性能を重点的に測定する。
高いグラフィックス性能を求めるPCゲームでは、実際のゲームタイトルを使ったベンチマークテストをゲーム開発ベンダーが提供している。多くの場合、彼らが販売するゲームタイトルがユーザーの持つPCで快適に動作するかを確かめることを目的として配布するのが、それと同時に、PCのグラフィックス性能を測定するベンチマークテストとして多くのユーザーは利用している。
では、SZ77R5にハイエンドパーツを詰め込んで組み上げた我らの自作PCの性能はいかばかりか。いま挙げたベンチマークテストから、総合性能を測定する「PCMark 7」とグラフィックス性能を測定する「3DMark 11」でパフォーマンスを計測した。なお、比較用として、“メーカー製ミドルタワーデスクトップPC”で測定したベンチマークテストの結果も並べている。構成は、CPUがCore i7-3770K、GPUがRadeon HD 7950、チップセットにIntel Z75 Expressを搭載したマザーボードにシステムメモリを16Gバイト載せ、データストレージには容量256GバイトのSSDを採用するなど、こちらも、デスクトップPCの最上位構成となっている。
まず、テストの総合結果となる「PCMark Score」だが、SZ77R5では“5050”という結果が得られた。SZ77R5に搭載したパーツの構成からも分かるように、パフォーマンス的には、ミドルタワーデスクトップPCに負けていない。さらに、3DMark 11は、P8852というスコアとなった。こちらは、ミドルタワーデスクトップPCをキューブ型PCが上回る結果となった。
次いで、PCゲームにおける具体的なパフォーマンスを測定するべく、「バトルフィールド3」のキャンペーンでフレームレートを計測してみたところ、解像度1920×1080ドットの最高画質の設定において、69.183fpsを記録した。バトルフィールド3は、負荷がかなり高いPCゲームだが、その最高画質設定をフルHDで楽しめるということは、そのほかのゲームタイトルにおいても高画質設定で十分なフレームレートを得ることを物語っている。
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