ベアボーンキット「SZ77R5」で挑む自作PCアップグレードイマドキのイタモノ【夏季休暇特別編】(3/3 ページ)

» 2012年08月14日 11時00分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]
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ノーマルでも静かなSZ77R5。冷却力をアップすれば高負荷状態でも静かになった

 水冷化によってケース内温度を低く抑えることに成功した一方で、ファンが1基増えたことになるため、動作音が増加した可能性がある。APSALUS2-90とラジエータに取り付けた2基のファンの回転数は、BIOSのPWM設定から静音性能を優先する“Silent”を選んでいる。これでも冷却効果は向上したわけだが、実際の動作音はどうだろうか。こういうとき、騒音計を使って調べることになる。SZ77R5をデスク上に置くと想定して、SZ77R5の正面斜め上方、25センチ離れた位置に騒音計を設置した。

 I.C.Eクーラーを用いた空冷時の動作音は、アイドル時で30.5デシベル、CINEBENCH R11.5のマルチCPU実行中の最大値が31.6デシベルとなった。空冷でも小口径ファンを使うキューブPCを感じさせない良好な静音性能で、同じShuttleで1世代前のキューブ型ベアボーンキットの「SH67H3」から静音性能が進化している。

 ただ、3DMark VantageのGT1とGT2の実行中における最大値は40.9デシベルとなった。これは、グラフィックスカードに搭載したクーラーユニットのファンが高速で回転しているためだ。加えて、ミドルタワータイプのPCケースならデスクの下に置くことで動作音もユーザーに対して抑えられるのに対し、デスク上に置いたSZ77R5では、それだけ聞こえやすい。ただ、これに関しては、グラフィックスカードで静音タイプのクーラーユニットを搭載したモデルを選ぶことで改善する可能性はある。

 水冷化したSZ77R5の動作音は、アイドル時とCINEBENCH R11.5実行中に関しては、アイドル時は31.9デシベル、CINEBENCH R11.5実行中は32.1デシベルと大きくなってしまった。とはいえ、その差は1.5dデシベル以内で、音圧そのものの値としては静かなレベルにある。そして3DMark Vantage実行中では、38.7デシベルとと静かになった。これは、デュアルファンの効果でケース内温度を抑えたことで、システム全体の音量に大きく影響するグラフィックスカードクーラーユニットのファンの回転数が低くなった可能性が考えられる。

 静音性能を重視するユーザーの場合、SZ77R5にハイエンドグラフィックスカードを組み込んだ場合は、ファンを増設してでもケース内部のエアフローを強化するのが効果的だ。一方、ハイエンドグラフィックスカードを利用しないユーザーなら、付属するI.C.Eクーラーのままでもいいが、さらに一歩進んで、I.C.Eクーラーのファンを交換するのもいい。グラフィックスカードに高い負荷をかけた状態でも静音性能を求めるならば、ケース内の温度とファンから発生する音圧のバランスをチェックしながらファンコントローラでファンの回転数を制御するのも作業としては面白い。

空冷の「I.C.Eクーラー」を組み込んだ状態と、水冷ユニット「APSALUS2-90とデュアルファン化」を組み込んだ状態のそれぞれで測定した、処理ごとのシステム音圧。われらが“SZ77R5”ベースの自作PCでは、グラフィックスカードから発生する音をどのように扱うかで、システム全体の静音性能が決まるようだ

初心者でも上級者でもそれぞれ楽しみは無限大

 自作PCは、“1回目”がその後の印象に大きく影響することが多い。最初に取り組んだ自作PCの作業で面倒なことに遭遇すると、“次はない”可能性が高い。そういう意味で、ベアボーンキットなら、スムーズに組み立てられ、電源ユニット、マザーボードで問題が生じる可能性は低い(必ずしも問題が発生しないとは言い切れないが)。初めて自作PCに挑むユーザーには、ベアボーンキットも候補として検討してほしい。

 そして、自作PCの楽しみは組み上げた後も続く。今回はクーラーユニットの水冷化という、ちょっと難易度が高いアップグレードを取り上げたが、それでも、作業そのものは難しくなく、その効果の確認によって、さらにその先のアップグレードの方法を考える楽しみもある。

 自分好みにPCを育てていく。まさに自作PCの楽しみがここにある。この夏、1人でも多くのユーザーが、この世界に足を踏み外して……、いや違った、踏み入れてほしいと、切に願う2012年の夏であった。

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