GeForce GTX 680が登場した当初、PCパーツベンダーが投入したグラフィックスカードは、NVIDIAが示すリファレンスデザインに準拠したモデルばかりだった。当時、関係者に確認すると、オリジナルクーラーユニットを搭載したオーバークロックモデルの投入は、時間がかかるという意見が多かったが、その予想に反して、MSIからオリジナルクーラーユニット“Twin Frozr III”と搭載するオーバークロックモデル「N680GTX Twin Frozr III OC」が登場した。
N680GTX Twin Frozr III OCの動作クロックは1058MHz。Boost Clockは1124MHzとされている。リファレンスの1006MHzからは52MHzほどOCされた使用だ。メモリクロックに関しては定格通り。メモリ容量は2GBとなる。N680GTX Twin Frozr III OCは市場に初めて登場したGeForce GTX 680のオリジナルクーラーユニット搭載のオーバークロックモデルということもあるので、まずは写真でじっくりとチェックしておこう。
GeForce GTX 680では、自動オーバークロックきのうともいえる「GPU Boost」を導入した。CPUのTurbo Boost TechnologyやCore TURBO Technologyに相当する機能で、GPUで動作しているコアの数がアプリケーションによって少なくなっていて、設定したTDPに対してグラフィックスカードの発熱が抑えられている場合に、TDPの上限まで動作クロックを上げる動作を自動で行う。
この機能はユーザーが関与することはできず、GPUのドライバとファームウェアで制御するため、その挙動については実際に動かしてみるまで分からない。GPUがオーバークロックを自動で行ってしまうのに加えて、GPU Boostを無効にできないため、ユーザーによるオーバークロックチューニングが明確に行えないという側面もある。
このような、GPU Boostという機能を持ったGeForce GTX 680において、オーバークロック版がどのような動きをするのか、注目するユーザーも多い。
今回、GeForce GTX 680のSLI環境における性能評価で、GeForce GTX 680を搭載するオーバークロックが手用意できたので、この機会に、GPU Boostの挙動とオーバークロックモデルのアドバンテージを確認しておこう。
なお、性能評価で用意したシステムは、GeForce GTX 680のSLI環境における性能評価でも用いた構成と同じだ。マザーボードはASUSの「SABERTOOTH X79」で、Core i7-3960X(3.3GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大3.9GHz)を組み合わせている。
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