タブレットとしての性能もチェックしてみた。Smart Displayは、CPUにデュアルコアプロセッサのOMAP 4428(1GHz)を採用し、データストレージの容量は8Gバイト(eMMC)、システムメモリの容量は1Gバイト(LPDDR2)となる。ベンチマークテスト「Quadrant Professional 1.1.7」で計測したスコアは以下の通りだ。
参考として、CPUのクロックとメモリ容量が同じAndroidタブレット「ARROWS Tab Wi-Fi」と比べてみたが、スコアは全体的にSmart Displayの方が低く、特にCPUと2D、3DのスコアはSmart Display(FT103)はARROWS Tab Wi-Fiの半分程度となっている。描画関連テストの差については本機のほうが画面解像度が高く(ARROWS Tab Wi-Fiの解像度は1280×800ドットで、Smart Displayの約半分)、負荷が大きいことが原因だろう。
実利用におけるスライド操作やWebサイト表示などでもたつく場面がたまにあり、特にアニメーションなど動く要素がある背景(ライブ壁紙)を設定すると、動作が遅くなる。
21.5型のAndroid端末という、キワモノっぽさがある本製品だが、これはこれで使い道やニーズはあるというのが全体的な印象だ。ディスプレイの角度を自由に変えられる「IdeaCentre A720」のような液晶一体型PCもあるが、Androidの強みは動作が早く、気軽に使えることだ。長い文書、複雑な資料の作成などには向かないが、Webサイトの閲覧やインターネットで提供されるサービスの利用など、アプリでこと足りる用途が中心であれば、むしろこちらのほうが使いやすい。
価格は3万4800円と、フルHD液晶ディスプレイにAndroid OSが入っていると考えれば納得のいく価格である。欲を言えば、IPS液晶を搭載する上位モデルもあればなお良かったし、画面が大きくCPUにかかる負担が大きいので、高性能なCPUを搭載すれば、使い勝手は大きく向上するかもしれない。また、外部ディスプレイモードでのタッチ操作に対応すれば、Windows 8の外部ディスプレイとしての可能性もより広がったはずだ。今後は、そういった製品が出てくることも期待したい。
これがあれば、これさえあれば……と思うのも、本製品がそれだけ魅力的な製品であるからにほかならない。面白い使い方をひらめいた人はもちろん、漠然と何かに使えるかもとワクワクした人は購入を検討してみてはどうだろう。ユーザーのニーズや工夫次第で、非常に有用なガジェットに変身するはずだ。
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