液晶ディスプレイのサイズは14型ワイドで、最大解像度は1366×768ドットだ。昨今のUltrabook製品は1600×900ドットやフルHD(1920×1080ドット)対応の製品もあるので、少し物足りなく感じるものの、家の中で使うメインストリーム層向けのノートPCとしては標準的といえる。Windowsストアアプリのスナップ機能を利用できる解像度(1366×768ドット)は満たしており、Windows 8の操作は問題ない。
表面は光沢仕上げなので、外光や照明などは映り込みやすい。液晶パネルはTN方式で、上下方向の視野角が狭い傾向にある。液晶ディスプレイのチルト角度は最大で約135度まで開くので、画面の角度は調整しやすい。
このディスプレイに10点マルチタッチに対応した静電容量方式のタッチパネルを搭載する。ディスプレイの表面には強化ガラスが張ってあり、液晶ディスプレイの画面とフレーム間に段差はない。画面の右端から内側にスワイプして(触れた指を滑らせて)チャームを呼び出したり、左端から内側にスワイプしてアプリケーションを切り替えたり、といったWindows 8特有の動作が自然に行える。
ヒンジの固さについては、タッチ操作の際にはディスプレイが多少ぐらつくところが気になった。筆者が画面上部を軽く押すだけで、奥に最大5ミリほど傾いてしまう。タッチ操作を意識したモデルとして、もう少し配慮がほしかったところだ。例えばAcerのAspire S7など、ディスプレイが一定の角度でゆるく固定されるようなモデルもあり、こうしたタッチを意識した設計があれば、より快適にタッチ操作が行えただろう。
キーボードは、6段配列のアイソレーションタイプを採用する。Enterキーの右側にPgUp/PgDnキーなどが並ぶレイアウトや、縦の長さが約9ミリと短めの上下カーソルキーといった特徴は従来機(ENVY4-1000)と同様だ。
キーストロークは約1.5ミリとUltrabookとしてはまずまずの深さだ。キーを意図的に強く押し込むとキーボードモジュールごとわずかにたわむが、普段のタイピングではたわみは感じない。キーの戻りはよく、確かな押下感があり、キーピッチも縦横19ミリを確保しているため、心地よくタイプできる。
タッチパッドのセンサー面は、110(横)×70(縦)ミリと幅広く、マルチタッチジェスチャーを行うには十分なサイズを確保している。ドライバはシナプティクス製で、2本指を使ったスクロール機能のほか、3本指でのタッチ、スワイプ(指定したプログラムの起動など)や4本指でのスワイプ(ウインドウの切り替え)が可能だ。もちろん、チャームの呼び出しやアプリケーションの切り替えにも対応する。
タッチパッドは放射線状に光が反射するスピンフィニッシュ加工を施しており、表面に細かな突起があるおかげで、指の滑りは非常によい。左上をダブルタップすると、タッチパッドの有効/無効を切り替えられるのは、HPのノートPCではおなじみの一工夫だ。
Windows 8は、起動やスリープからの復帰の早さ、ディスプレイを開けばすぐに使えるという快適な使用感を目指したOSだ。Windows 7マシンとどれほど動作時間に差があるのか、従来機にあたるHPの15.6型Ultrabook「HP ENVY6-1000」(2012年夏モデル、CPUやメモリ、ストレージ構成などの仕様は本機と共通する)と、起動時間(電源ボタンを押してから、デスクトップ画面またはスタート画面が表示されるまで)、休止/スリープ状態への移行時間と復帰時間(電源ボタンを押して復帰、ログイン画面の表示まで)をそれぞれ比較した。
測定の結果は、確かにWindows 8の方が起動時間は早かった。従来機が起動に20秒程度かかるのに対し、本機は約13秒で起動している。しかし、一方でシャットダウン時の時間は従来機よりも倍近くになっている。これは、Windows 8に搭載されている高速スタートアップ機能(電源オプションから設定可能)によるもので、この機能を無効にすると、起動が約20.5秒、シャットダウンが約11.5秒と、起動とシャットダウンともに従来機と同様のタイムとなる。
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