レビュー
» 2012年12月06日 20時30分 公開

初めてのPCは何がいい? と聞かれたら:タッチ対応で、Windows 8時代のスタンダードマシンに進化――「HP ENVY TouchSmart Ultrabook 4」を試す (3/3)

[池田憲弘(撮影:矢野渉),ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

ベンチマークスコアは従来機と同程度だが、使い勝手は向上

 本機のスペックは、CPUがTDP(熱設計電力)17ワットのCore i5-3317U(1.7GHz/最大2.6GHz、3次キャッシュ3Mバイト)、メモリが8Gバイト(4Gバイト×2、PC3-12800)、ストレージが500GバイトHDD+32GバイトSSD(mSATA、Intel Smart Response Technology対応)、グラフィックスがCPUに統合されたIntel HD Graphics 4000、プリインストールOSが64ビット版Windows 8となる。Ultrabookでは珍しく、メモリを8Gバイト搭載しているのはうれしい点だ。

 Windows 8標準のWindowsエクスペリエンスインデックスのスコアだが、グラフィックスのサブスコアが最も低く5.7だった。これはCPU統合グラフィックスを利用しているためで、データストレージもキャッシュ用SSDの効果は出ないため、プライマリハードディスクのスコアは5.9にとどまっている。そのほかのスコアは6点台で、8Gバイトメモリを採用していることもあり、メモリのスコアが7.4と高い。

photophoto Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア。グラフィックスのスコアが低いのは、CPU統合グラフィックスコアを使っているためだ(写真=左)。CrystalDiskMark 3.0.1の計測結果。HDD搭載Ultrabookとしては標準的なスコアだ(写真=右)

 ベンチマークテストは、総合ベンチマークテストのPCMark 7、3D系ベンチマークテストの3DMark06、ストリートファイターIV ベンチマークなどを行った。参考として、CPU、データストレージ、グラフィックスといったスペックが共通する、ENVY6-1000のスコアと比較してみたが、基本的にスコアはあまり変わらなかった。ただ、ENVY6-1000のOSはWindows 7なので、参考適度にみていただきたい。

photophotophoto PCMark 7(グラフ=左)、3DMark06(グラフ=中央)、3DMark Vantage(グラフ=右)のスコア。スペックが変わらないこともあり、総合スコアをはじめ、各スコアにも違いはあまりない
photophoto ゲームタイトルベンチマークのスコア。ストリートファイターIV ベンチマーク。低負荷は解像度1280×720ドット、アンチエイリアス:NONE、垂直同期:OFF、モデル:高、背景:高、ソフトシャドウ:低、モーションブラー:低、パーティクル:中、エクストラタッチ:OFFに設定。高負荷は解像度1366×768ドット、アンチエイリアス:4x、垂直同期:OFF、モデル:高、背景:高、ソフトシャドウ:最高、モーションブラー:高、パーティクル:高、エクストラタッチ:OFFという設定だ(グラフ=左)。モンスターハンターフロンティア ベンチマーク【絆】のスコア(グラフ=右)

 ベンチマークテストのスコアは同程度となったが、起動を含めた操作感など、スコアには表現できない部分で、新OSの効果は発揮される。タッチ操作を含めた基本操作のレスポンスは軽快で、プログラムの起動も待たされる感じはない。Windows 7マシンの感覚でスペックを判断せず、家電量販店などで実機を試してみてほしい。

家用PCとして十分なバッテリーを搭載、発熱と騒音は問題なし

 本機は、ベンチマークテストを実行しているときなど、システムに高い負荷がかかると、底面奥側にある排気口から温かい排気が吹き出す。PCMark 7を実行している最中の騒音レベルを計測したところ、40デシベル(環境騒音30デシベル、本体手前5センチの位置で計測)と高負荷時の動作音もうるさいとは感じなかった。もちろん、Webブラウズなどの普段使いにおいては、騒音はまったく気にならない。

 ファンが回るような高負荷時には、キーボード左側が熱を持つ。室温約23度の環境下で、PCMark 7実行中に表面温度を測ったところ、キーボード中央部で約34度、キーボード上部にあるスピーカーは最高で38度まで温度が上がった。もちろん普段使いではここまで温度は上がらないし、このような状況でもパームレストの温度は室温(約23度)くらいだったので、特に問題はない。

photophoto 付属のACアダプタは、実測のサイズが約45(幅)×106(奥行き)×30(高さ)ミリと比較的コンパクトだが、電源ケーブルが3ピンで太いので少しかさばる(写真=左)。ウォールマウントプラグも付属する。本機を外に持ち出すことがあれば重宝するだろう(写真=右)

 搭載するバッテリーは4セル式で、ユーザーによる着脱には対応しない。バッテリー動作時間の公称値は約7時間15分で、実動作時間の測定は、BBench 1.01(海人氏・作)で行った。「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」で、PCは無線LANに常時接続、電源プラン「バランス」(ディスプレイ輝度は11段階中下から3段階目)という設定でテストを行ったところ、バッテリー残量7%で休止状態へ移行するまで、6時間22分だった。

 公称値の7時間15分には及ばないが、6時間以上動作するので、家の中で持ち歩いて映画や音楽などのコンテンツを楽しんだり、SNSを使う分には、バッテリーの心配をすることはなさそうだ。

タッチ対応で、より“気軽に使うUltrabook”にふさわしく

photo 「HP ENVY TouchSmart Ultrabook 4」はタッチパネルとWindows 8という要素が加わったことで、従来機よりもPCの入門機という性格を強めた

 本機のタッチパネル非搭載機種となるHP ENVY6-1000(2012年夏モデル)は、初めてPCを購入する人への入門機にふさわしいモデルだった。10万円以下の価格帯で家庭向けPCとして必要十分なスペックを確保しつつ、起動の速さや持ち歩きやすい薄型のボディといったUltrabookの恩恵も味わえるという、新世代のスタンダードノートPCとして使い勝手がよかったからだ。

 その入門機に、Windows 8とタッチパネルが加わることでどうなったか。Windows 8のタッチ操作を意識したUI(ユーザーインタフェース)が生きるのは、例えばWebブラウジングであったり、ゲームで遊んだり、地図アプリを使ったりといった普段使いの場面だろう(もちろんタッチ操作でプレゼンなど仕事で活躍する場面もあるが)。スマートフォンやタブレットと同じ感覚で、Windowsストアアプリを使えるところが、タッチ対応ノートPCの強みだ。

 また、家で使うならばディスプレイが大きい方がコンテンツは見やすいし、キーボードやさまざまなインタフェースがあった方が使いやすい。タッチパネルを搭載し、少し厚く、重くなってしまったのは惜しいが、「家でちょっと使うくらいのPCがほしい。でも、性能や機能が不足しているのは嫌」というニーズに、Windows 8世代のPCとしてしっかり応えられるマシンになった。

 実売価格は10万円前後と、オフィススイートを搭載しないことを考慮すれば、一般的な売れ筋の15.6型ノートPCと同程度だ。自分でカジュアルに使うタッチ対応の大画面Ultrabookとして、または家庭用PCの買い替えを相談された場合の選択肢として、そして初めてPCを購入する人にお勧めするモデルとしても、ちょうどいい1台ではないだろうか。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

この記事が気に入ったら
ITmedia PC USER に「いいね!」しよう