Windows 8の発売とともに、インテルが低消費電力のSoC(System On a Chip)であるAtom Z2760を投入したことで、ピュアタブレットスタイルのWindows PCが再び注目を集めている。ノートPCより軽いのはもちろん、iPadやAndroidタブレットと同じ感覚でWindows 8マシンを持ち歩いて軽快に利用できるのが魅力だ。タッチ操作に向くUI“Windowsスタイル”を使いやすいデバイスとして、今後Windows PCの有力な選択肢になる可能性を秘めている。
そういったWindows 8タブレットの人気を受け、デルはビジネス向けモデルとして販売していた「Dell Latitude 10」を個人向けにも投入した。
Latitude 10の個人向けモデルは、OSをWindows 8 ProからWindows 8に変更し(いずれも32ビット版/ProエディションもBTOで選択可能)、セキュリティチップを省いたモデルを用意するなど、仕様を変更しつつ、着脱可能なバッテリーといったビジネス利用に向く機能も残している。
ラインアップは標準モデルのLatitude 10と、バッテリーの着脱に対応せず、Mini HDMI出力などの一部インタフェースを省いた下位モデルの「Dell Latitude 10 Essentials」を用意する。今回は標準モデルのLatitude 10を入手したので、性能や操作感をチェックしていこう。
ボディデザインはシンプルだ。背面と側面の色はすべてブラックで統一しており、指紋が付着しにくく、全体的に落ち着いた印象を受ける。ボディの素材はマグネシウム合金で、ディスプレイに強化ガラス「Corning Gorilla Glass」を採用するなど、堅牢性も確保している。
ボディのサイズは横位置で274(幅)×176.6(奥行き)×10.5〜13.4(厚さ)ミリ、重量は約658グラムだ。実測値は691グラムで、公称値よりもやや重かった。本製品と同じ10.1型のWindowsタブレットには、「ARROWS Tab Wi-Fi QH55」や「ThinkPad Tablet 2」のような500グラム台の製品があるだけに、それらと比べると少し重く厚みもあるように思えるが、ビジネス向けのWindows 8タブレットでは標準的(例えばHPのElitePad 900は約680グラム)であり、9.7型の液晶ディスプレイを搭載するiPad(第3世代のWi-Fiモデルは652グラム)ともあまり変わらない重さだ。
本製品はさまざまなインタフェースをそろえたところも見逃せないポイントだ。横位置に構えて、上面の右側にSDXC対応SDメモリーカードスロット、右側面にUSB 2.0(Standard A)とヘッドフォン/ライン出力、Mini HDMI出力、そして下面に充電とデータ転送に対応するUSBポート(Micro-B)を備える(USBホスト機能はない)。
また、USBポートもそうだが、標準サイズのSDメモリーカードを使えるのはWindowsタブレットとしては珍しく、変換コネクタなしでSDメモリーカードやUSB接続のキーボード、マウス、外付けドライブといったUSB機器を利用できるのはうれしい。Webカメラは200万画素のインカメラと800万画素のアウトカメラを備え、通信機能はIEEE802.11a/b/g/n準拠の無線LANとBluetooth 4.0+LEを標準で装備する。もともとビジネス向けの製品なので、TPM 1.2のセキュリティチップやセキュリティスロットの搭載といった盗難防止への配慮も見られる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.