「第4世代Coreプロセッサー」の強化ポイントを解説:Haswellで何が変わる?(1/3 ページ)

» 2013年06月02日 00時01分 公開
[本間文,ITmedia]

 ついに“Haswell”(開発コード名)こと「第4世代Coreプロセッサー」が登場した。IntelはCPU開発にあたって、プロセス技術の進化(チック)とマイクロアーキテクチャの刷新(タック)を振り子のように2年サイクルで繰り返す「チック・タック」モデルを採用しており、今回のHaswellはマイクロアーキテクチャ刷新の「タック」に相当する。

 同CPUは、従来の「第3世代Coreプロセッサー」と同じく22ナノメートルプロセスの3次元トライゲートトランジスタを採用した製品だが、アーキテクチャが拡張されたほか、さまざまな省電力機能を盛り込むことで、パフォーマンスと省電力性を両立させているのが特徴だ。

クロックあたりの性能を向上、グラフィックスも強化

 Haswellでは、NehalemやSandy Bridge世代のアーキテクチャを踏襲しながら、命令発効ポート数やストアパイプが強化され、8つのμOPS(内部命令)を同時に発行し、4つの整数演算を並列で実行できるようにしている。

 従来のIvy Bridgeコアベースの第3世代Coreプロセッサーでは、6つのμOPS発行で、3つ整数演算の並列実行であったことを考えると、クロックあたりのパフォーマンスが大きく向上することになる。また、256ビットSIMD演算ユニットでは、積和演算(Fused Multiply Add)をサポートするなど、AVX(Advanced Vector Extentions)を第2世代のAVX2へと進化させることで、浮動小数点演算性能も従来の倍となる、1クロックあたり32FLOPS/コアに向上させている。また、サーバ用途などでマルチコア処理の効率を向上させることができるトランザクショナル・メモリに対応したことも、大きなアーキテクチャ拡張と言える。

Haswellのマイクロアーキテクチャ拡張(画面=左)。Haswellでは拡張命令としてAVX2をサポートすることで、浮動小数点演算性能を1クロックあたり32FLOPS/コアに向上させたたほか、1次キャッシュや2次キャッシュとのメモリ帯域も拡張されている(画面=右)

 Haswellに統合されるグラフィックス機能は、基本的なアーキテクチャはIvy Bridge世代を踏襲しているが、シェーダーコアの役割を果たす実行ユニット数が増やされるとともに、テクスチャユニットやビデオ支援機能が強化されている。

 また、CPUコアとLLC(Last Level Cache)、グラフィックスコアを、それぞれ独立したクロックで制御できるようにすることで、Turbo Boostをより効率的に利用できるようにしているのも特徴だ。加えて、ディスプレイインタフェースは、Display Port 1.2対応となり、4Kディスプレイ出力(3840×2160ドット/60Hz、または4096×2304ドット/24Hz)をサポートする。

 Haswellのグラフィックスは、同社がGT1、GT2、GT3と呼ぶ、実行ユニット数が異なる3つのバリエーションがあり、エントリーモデルに採用されると言われるGT1は12基、ほとんどのデスクトップ向けCPUが採用するGT2は20基、モバイルCPUの上位モデルが採用するGT3は40基の実行ユニットを統合。このうち、GT3にはeDRAMを拡張キャッシュとしてパッケージに統合するGT3eも用意され、GT3が「Iris」、GT3eには「Iris Pro」という新グラフィックスコアブランドが与えられている。

 製品名はGT1が「Intel HD Graphics」、GT2が「Intel HD Graphics 4600/4400/4200」、GT3がTDP(熱設計電力)が15ワットの「Intel HD Graphics 5000」と28ワットの「Intel Iris Graphics 5100」、GT3eが「Intel Iris Pro Graphics 5200」だ。

Haswellのグラフィックス機能の強化ポイント(画面=左)。Intelグラフィックスのパフォーマンス推移(画面=右)

Haswellのグラフィックスコアのバリエーションとグラフィックスブランド(画面=左)。オンパッケージでeDRAMキャッシュを搭載することで、グラフィックスパフォーマンスを向上させている(画面=右)

GT3eこと「Iris Pro Graphics 5200」を搭載するオールインワンデスクトップPC向けのIntel Core i7-4770Rでは、最新ゲームタイトルもミディアムセッティングなら、「十分なフレームレートでプレイできる」とアピール(画面=左)。5年前のデスクトップPCに比べ、Haswell世代のオールインワンPCは優れたパフォーマンスを発揮するという(画面=右)

Haswell世代のNUCの登場も予告

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