キーボードはアイソレーションタイプのテンキー付きキーボードを搭載する。ボディが大きいため、全体にキー配置にゆとりがありキーピッチは縦横19ミリ(実測値)を確保している。キーストロークは約1.5ミリだ。強めにタイプしてもたわみを感じないしっかりとしたつくりで、スイッチの感触も適度でタイプ感も心地よい。
配列は標準的な6段配列で、変則的な配置や打ちにくいキーはない。テンキーもあるため、Enterキーがやや細いのは気になるが、テンキーとの間が約7ミリ空けられているため、ミスタイプの心配はなさそうだ。
キーボードの手前にはタッチパッドを装備している。パッド面ごと押す、いわゆる“クリックパッド”タイプだが、パッドの滑りやボタンの感触は良好で使いやすい。シナプティクス製のドライバが導入されており、2本指での左右スクロール、つまみズームのほか、チャームの表示などWindows 8の操作に対応したエッジスワイプ機能も標準で利用できる。
CPUはCore i7-4700MQ(2.4GHz/最大3.4GHz)を採用している。開発コード名“Haswell”こと第4世代Coreプロセッサー・ファミリーの中でもハイエンドのクアッドコアモデルで、最大3.4GHzで動作する4つのCPUコア、そしてGPUコアとしてIntel HD Graphics 4600を統合している。
本製品のグラフィックス機能はIntel HD Graphics 4600とは別に、外部GPUとしてNVIDIAのGeForce GT740M(グラフィックスメモリ2Gバイト)を搭載している。NVIDIA Optimus Technologyに対応しており、両方のGPUをアプリケーションごとにシームレスに切り替えて使い分けられる。
GeForce GT 745Mは、28ナノメートルプロセスルール世代の“Kepler”(開発コード名)コアを採用したミドルレンジクラスのGPUで、3Dゲームもできる高い描画性能のほか、Adobe Photoshopなどの画像加工(回転、ズーム、縮小)をスムーズに行えるアクセラレーション機能も備えている。
一方、CPU統合のIntel HD Graphics 4600は、3D描画性能はさほど高くないものの基本的な消費電力が低く、対応ソフトで動画変換などを高速に行えるハードウェアエンコーダIntel Quick Sync Video(QSV)を搭載するメリットがある。
NVIDIA Optimusは、NVIDIAのドライバがアプリケーションごとに使用するGPUを最適に切り替えることで、両GPUのメリットを両立できる。Webブラウズや動画再生などの日常的な作業はIntel HD Graphics 4600で電力消費を抑えつつ、3Dゲームやクリエイティブアプリケーション利用時は、高速で処理できるGeForce GT 745Mに切り替えるといったことを自動で調整してくれる。アプリケーションごとにどちらのGPUが使われているかはNVIDIAコントロールパネルで確認でき、ユーザーが指定できるところもよい。
データストレージは2.5インチのハイブリッドHDDを採用している。ハイブリッドHDDは、キャッシュメモリとして小容量のSSD(NANDフラッシュメモリ)を内蔵したHDDで、アクセス頻度の高いデータをフラッシュメモリに保持して読み出しの高速化を実現する。ランダムアクセスに優れるSSDと低コスト+大容量のHDDという両者のメリットを比較的リーズナブルに両立できるのが魅力だ。評価機には「TOSHIBA MQ01ABD100H」が搭載されていた。スペックは回転速度が5400rpm、DRAMキャッシュが32Mバイト、NANDフラッシュの容量は8Gバイトだ。
実用的なユーティリティソフトも多い。スマートフォン/タブレットとの連携ソフト「AIRGET for TOSHIBA」が標準で付属している。Android/iOS向けアプリ「AIRGET」をインストールした端末からPCをリモート起動(Wake On LAN)し、PC内共有フォルダへのアクセス、写真の自動同期などが行える。
このほかWebカメラを使って、使用者の在席状況を確認してディスプレイの電源を自動的にオン/オフする「TOSHIBA Active Display Off」など便利な機能もある。特に後者はおなじみのTOSHIBA Ecoユーティリティと合わせて、節電効果を期待できる。
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