一方、新しいRadeon R9/R7シリーズではディスプレイ機能も強化されている。その最大の特徴は4Kディスプレイのサポートだ。
現在、4Kディスプレイで60Hzのリフレッシュレートを実現するテレビでは、タイルモードと呼ぶ、画面の左右を独立して走査(書き換え)する方式を採用している。このため、PCからこれらの4Kディスプレイに画面を出力しようとした場合、ディスプレイのタイル設定を行なわなければならないが、これがかなり煩雑なものだ。
そこで、現在ディスプレイインタフェースなどの標準化団体であるVESA(Video Electronics Standards Association)では、ディスプレイの識別情報であるVESA Display IDをv1.3に拡張し、4Kディスプレイのタイル表示を自動的に行なえるように進めている。
AMDでは、このDisplay ID v1.3にいち早く対応し、Eyfinity設定でタイル設定を自動的に行なえるようにしたという。なお、同機能は従来のRadeon HD 7000シリーズの主要モデルでも利用できるようになる。

現在、4Kディスプレイでは30Hz以下のリフレッシュレートで表示するタイプと、60Hzで画面を2分割して走査するタイル表示タイプの2種類が存在する(画面=左)。4Kディスプレイのタイル表示は、VESAでもディスプレイ識別の標準化などが行なわれ、AMDはいち早く同スタンダードに対応し、Eyefinity設定で自動設定できるようになる(画面=右)また、Radeon R9シリーズやRadeon R7 260Xでは、ディスプレイインタフェースがデュアルリンクDVI×2、HDMI、DisplayPortの4つとなり、より手軽にマルチディスプレイ環境を構築できるようになった。もちろん、これらの製品は最大6画面出力にも対応しており、Display Port 1.2に対応したMulti-Stream Transportハブを組み合わせることで最大6画面のフルHD出力が可能となる。
なお、AMDはRadeon R9/R7シリーズにおいて、ヒートシンクカバーのデザインを変更しているが、同社でデスクトップグラフィックスチップのプロダクトマーケティングを担当するDevon Nekechuk氏(Senor Product Manager)によれば、ファンなどの基幹パーツについては大きな変更はないとのこと。なお、放物線が特徴的な新しいデザインは、サングラスなどで有名なOakley(オークリー)が担当したということだ。
AMDは、これら新ラインナップのゲーム性能に絶対の自信を見せ、YouTubeにはライバル製品をハンマーで破壊するビデオまで公開している。
技術説明会当日には、そのビデオに登場するThe Fixerも登壇し、実際に破壊したライバル製品をマーケティングを統括する新CMO兼上級副社長に手渡すなど過激なパフォーマンスを披露した。今後その詳細が明らかにされるフラグシップモデルのRadeon R9 290Xや、独自APIのMantleなどを武器に、ゲームグラフィックス環境を再び大きく進化させていく意向を示す。



破壊されたライバル製品の上にダイブするMatt Skynner副社長(Corporate Vice President and General Manager, Graphics Business Unit)
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