実はiPadもマルチディスプレイの1つとして組み込んで、今まで紹介してきた機能が利用可能だ。まずは、無線LAN経由でデスクトップの映像を送信してくれるiOS用のディスプレイ化アプリを用意しよう。
MacBook Air(13インチ、Mid 2013、Core i7)と初代のiPad miniを使い、11ac対応のAirMac Extreme経由で試してみたが、Avatron Softwareの「Air Display 2」(11月頭の時点では1000円)が割と反応がよかった。
ただし、有線のディスプレイよりも反応速度が遅いため、Safariのように頻繁に操作するソフトでは若干ストレスがたまる。また、(Retina表示のiPadを持ってないので)iPhone 5sでRetina表示にしてみたところ、かなり操作がもたついた。現実的には解像度を落として使うことになるはずだ。
同じ無線でいえば、Apple TVを介して、テレビをセカンドディスプレイとして使うことも可能になった。例えば、会議室のテレビやプロジェクタにスライドを、手元のMacにプレゼン資料を表示するような使い方で役に立ってくれるはずだ。
というわけで、Mavericksでマルチディスプレイ環境にする魅力をお分かりいただけただろうか? ほかにもMavericksは、複数台のMacのパスワード情報を同期してくれる「iCloudキーチェーン」、「マップ」や「iBooks」といった新アプリなど、いろいろ便利な機能がそろっている。
……と、ここまで持ち上げてきてなんだが、仕事用のMacをいきなりMavericksにアップデートするのはちょっと危険かもしれない。当たり前だが、出て間もないので周辺機器によってはドライバが用意されておらず、使えなくなってしまう可能性がある(筆者もキヤノンのレーザープリンタが使えずに、コンビニで印刷するはめになりました)。
OS Xの標準機能である「Time Machine」でバックアップをとっておけば、万が一、Mavericksで不具合が発生しても、保存しておいたMountain Lion以前の環境に戻すことが可能だ。みなさんのMavericksライフに幸あれ!
Mac雑誌の編集者、IT系ニュースサイトの編集記者を経てライターに。アップルとインターネットが専門分野で、初代iPhoneが発表された「Macworld Expo 2007」や、初音ミクの海外初ライブとなる「MIKUNOPOLIS」、ニコニコ動画史上最大のイベント「ニコニコ超会議」などをがっつり取材した。
近著は「ニコニコ動画めもりある ニコニコ大会議編」(アスキー・メディアワークス)など。個人のTwitterアカウントは「kawauso3」です。
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