NTTドコモが2013年冬〜2014年春モデルの新製品を発表。ルータ製品のトピックとしては、ポータブルルータとして初となる「Xiの下り最大150Mbps通信」に対応した「L-02F」と「HW-01F」を投入する。
今回はこの2機種の特長をおさらいしよう。
主な特長は、
の3つだ。1つめは、1.7GHz帯(LTE Band 3)を使って提供される「Xiの下り最大150Mbps対応エリア」で、150Mbps通信には非対応となる旧機種と比べてアドバンテージになる可能性のある仕様であることを示す。
これまでのXi対応ルータはHuawei「HW-02E」の下り最大112.5Mbps通信対応が最高のスペックだったので、数値としての差はあまりないと思うかもしれないが、大都市圏のユーザーは別だ。下り最大112.5Mbps対応サービスは利用できる電波帯域の都合で、首都圏を含む東名阪エリアでは提供されていないためだ(2014年4月以降に提供可能となる)。
このため東名阪エリアのXiルータユーザーからすると、最大速度のポテンシャルが下り75Mbpsから下り150Mbpsにググッと高まるということになる。大都市圏で活動するユーザーとしてはちょっと期待したいわけである。発売は2014年2月以降予定とまだちょっと先だが。
なお、NTTドコモはサービスエリアマップを対応通信速度ごとに色分けして示すよう改善したので、自宅や会社までの通勤路や、普段通信を利用するエリアがどの通信速度に対応しているかかなり把握しやすくなった。
2つめは、比較的大きなディスプレイとタッチパネル、タッチ操作対応UIを用意したこと。前述したHWD14もそうだが、これにより各種設定もルータ単体で行えるようになる。特別に大きな変化かというと実はそうでもないが、これまでのPCやスマートデバイスのブラウザからWeb設定ツールへアクセスして行っていた作業が単体で行えるようにもなるなら、それなりに利便性は高まると思われる。
NTTドコモ端末のモバイラー的使い方としては、Xiサービスを利用するMVNOのSIMカードサービスを使う(あるいはSIMロックを解除し、他通信事業者のSIMカードを利用する)場合に、「APNの作成/登録/管理が楽」になるのがよい部分だ。
3つめは、公衆無線LANサービス“docomo Wi-Fiサービス”での「SIM認証」に対応したこと。
この場合のSIM認証とは、公衆無線LANサービスを利用するためのID認証をSIMカードの情報を参照して行える方法である。docomo Wi-Fiの契約が有効であるNTTドコモのSIMカードを差していれば、docomo Wi-Fiのサービスエリアで自動ログインが可能になる。
ポータブルWi-Fiルータにおける公衆無線LANの接続設定は、初期設定がかなり手間だったり、設定完了後もログイン処理を行うWebページにアクセスしてIDを手動入力する必要があるなど、スマートフォンのそれと比べるとやや面倒だった。それが自動認証でノータッチで済むとなれば、公衆無線LANサービスもより積極的に使おうという気分になる。
このほか、NTTドコモの発表会で確認した限りでは、L-02F、HW-02Fのバッテリー形状と容量は、それぞれ前モデルであるL-03E、HW-02Eと共通だった(バッテリーの部品番号は異なるが)。あまりいないかもしれないが、前モデルから機種変更した場合、前機種のバッテリーをそのまま「予備バッテリー」として使用できることを示す。既存ユーザーにとってちょっとうれしいポイントだ。
なお……2013年後半に通信事業者各社より登場する新型ポータブルWi-Fiルータはすべて、タッチ操作対応のUIを備えていることにも気がついた。モバイラーとしては、余計な機能はいらないのでシンプルで小型軽量に、かつ(そこで電力を消費するなら)長時間動作の方向へ振ってくれ──などと思ったりする半面、ユーザー層の広がりを考えると「より分かりやすく、見やすく、使いやすく」の工夫も重要で、利便性は向上する。このタッチ対応化、今後のルータ機能のトレンドになるのだろうか。
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