CPUの処理性能を測るGeekbench 3の結果を見ると、同じA7チップを搭載するiPad mini RetinaよりもiPad Airのクロックが100MHzほど高いため、すべてのスコアで上回った。一方、PerformanceTest Mobileでは、CPUとメモリはiPad Airが高かったものの、Diskのリード/ライトはiPad mini Retinaのほうが高い。
描画性能を測る3DMark(Ice Storm ExtremeのGraphics test 1/Graphics test 2/Physics testを抜粋)とベンチマークサイトのPEECEKEEPERも同様の傾向で、ともにiPad Airが良好な結果となった。ただ、その差は小さく、使用時にこれらの差を感じることはなさそうだ。
発熱テストは非常に優秀な結果となった。室温25度の環境で、Youtube動画を30分連続再生したときのボディ背面の温度と、ベンチマークテストを30分連続実行した際の背面温度の結果を下に掲載する。なお、後者のテストは、スチル製と木製のテーブルに置いた状態でそれぞれ計測した。
長時間負荷をかけた状態でもそれほど熱くならず、気温が低い冬に発熱が気になることはほとんどなさそうだ。また、iPad mini RetinaよりiPad Airのほうが熱くなりにくい。どちらも背面左下を中心として発熱する傾向にあり、画面に正対する状態でボディを持つと右手の位置にくる。右利きの人は左手でiPadを持つ人が多いと思われ、この点でも発熱を感じにくい。
最後にバッテリー駆動時間を計測した。画面輝度50%(自動調光オフ)、無線LANをオン/Bluetoothをオフにし、WebブラウザのSafariでYouTubeのSD映像をリピート再生した結果は、12時間21分とiPad mini Retinaよりもバッテリー駆動時間は長い。携帯性はiPad mini Retinaに劣るが、カバンの中に入れて常時持ち歩く、というスタイルで活躍しそうだ。
写真や動画、Webニュースなどのメディアブラウザとして、PCよりも手軽に利用できるタブレット製品は人気カテゴリの1つ。Android端末だけでなく、最近ではBay Trail-T搭載Windows 8端末が数多く投入され、選択肢は幅広い状況になっている。ただ、iOSの作り込みやアップルが提供する各種サービスを考えると、万人向けという意味ではやはりiPadは頭1つ抜けている感がある。現在iPhoneやMacを使っている人なら、迷う余地はほとんどないと言っていい。
iPad AirとiPad mini Retinaのどちらを選ぶかは自分の想定する用途次第だが、画面サイズが一回り大きく、表示品質も高いiPad Airは、写真の閲覧や動画の視聴をメインに使う人に向いている。ボディが薄く、軽くなったとはいえ、通勤時の電車で立ったまま電子書籍を読む、という用途ではやはりiPad mini Retinaのほうが使いやすい。
次回はそのiPad mini Retinaを取り上げよう。
| 製品名 | iPad Air |
|---|---|
| メーカー | アップル |
| OS | iOS 7 |
| 本体サイズ(幅×高さ×厚さ) | 169.5×240×7.5ミリ |
| 重量 | 469グラム(Cellularモデルは478グラム) |
| 画面サイズ(液晶方式) | 9.7型(IPS) |
| アスペクト比 | 4:3 |
| タッチパネル | 静電容量式 |
| ディスプレイ解像度 | 2048×1536ドット(264ppi) |
| CPU(2コア) | A7+M7 |
| 動作周波数 | 1.4GHz |
| GPU | CPU内蔵 |
| メモリ | 1GB |
| ストレージ | 16GB/32GB/64GB/128GB |
| 無線LAN | 802.11a/b/g/n MIMO |
| Bluetooth | Bluetooth 4.0 |
| センサー | デジタルコンパス、3軸ジャイロ、加速度、環境光 |
| 主なインタフェース | ヘッドフォン(3.5mm)、Lightningコネクタ、500万画素iSightカメラ、120万画素FaceTime HDカメラ |
| メモリーカードスロット | − |
| スピーカー | ステレオ |
| マイク | デュアルマイク |
| セキュリティチップ | − |
| セキュリティロックポート | − |
| 公称バッテリー駆動時間 | 10時間 |
| バッテリー仕様 | 32.4Wh |
| カラーバリエーション | スペースグレイ、シルバー |
| オフィススイート | iWork |
| 16GB/32GB/64GB/128GBの価格(Cellularモデル) | 5万1800円(6万5800円)/6万1800円(7万5800円)/7万1800円(8万5800円)/8万1800円(9万5800円) |
| 発売日 | 11月1日 |
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