冬ボで欲しいアップル製品――「iPad Air」編最新タブレットレビュー(2/2 ページ)

» 2013年12月16日 17時00分 公開
[後藤治(撮影:矢野渉),ITmedia]
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パフォーマンスと発熱:iPad miniよりも性能は上、発熱も優秀な結果に

 CPUの処理性能を測るGeekbench 3の結果を見ると、同じA7チップを搭載するiPad mini RetinaよりもiPad Airのクロックが100MHzほど高いため、すべてのスコアで上回った。一方、PerformanceTest Mobileでは、CPUとメモリはiPad Airが高かったものの、Diskのリード/ライトはiPad mini Retinaのほうが高い。

 描画性能を測る3DMark(Ice Storm ExtremeのGraphics test 1/Graphics test 2/Physics testを抜粋)とベンチマークサイトのPEECEKEEPERも同様の傾向で、ともにiPad Airが良好な結果となった。ただ、その差は小さく、使用時にこれらの差を感じることはなさそうだ。

Geekbench 3(画面=左)とPerformanceTest Mobile(画面=右)の結果

3DMark(画面=左)とPEACEKEEPER(画面=右)の結果

 発熱テストは非常に優秀な結果となった。室温25度の環境で、Youtube動画を30分連続再生したときのボディ背面の温度と、ベンチマークテストを30分連続実行した際の背面温度の結果を下に掲載する。なお、後者のテストは、スチル製と木製のテーブルに置いた状態でそれぞれ計測した。

 長時間負荷をかけた状態でもそれほど熱くならず、気温が低い冬に発熱が気になることはほとんどなさそうだ。また、iPad mini RetinaよりiPad Airのほうが熱くなりにくい。どちらも背面左下を中心として発熱する傾向にあり、画面に正対する状態でボディを持つと右手の位置にくる。右利きの人は左手でiPadを持つ人が多いと思われ、この点でも発熱を感じにくい。

水色がYoutube動画連続再生時、黄色が3DMark連続実行時でスチル製デスクに置いた状態、赤が3DMark連続実行時で木製テーブルに置いた状態の温度

バッテリー駆動時間:12時間のロングライフバッテリーで充電を気にせず利用できる

 最後にバッテリー駆動時間を計測した。画面輝度50%(自動調光オフ)、無線LANをオン/Bluetoothをオフにし、WebブラウザのSafariでYouTubeのSD映像をリピート再生した結果は、12時間21分とiPad mini Retinaよりもバッテリー駆動時間は長い。携帯性はiPad mini Retinaに劣るが、カバンの中に入れて常時持ち歩く、というスタイルで活躍しそうだ。

バッテリー駆動時間(Youtube動画連続再生)

まとめ:美しい画面とこなれた操作性――Mac/iPhoneユーザーは迷う必要なし

 写真や動画、Webニュースなどのメディアブラウザとして、PCよりも手軽に利用できるタブレット製品は人気カテゴリの1つ。Android端末だけでなく、最近ではBay Trail-T搭載Windows 8端末が数多く投入され、選択肢は幅広い状況になっている。ただ、iOSの作り込みやアップルが提供する各種サービスを考えると、万人向けという意味ではやはりiPadは頭1つ抜けている感がある。現在iPhoneやMacを使っている人なら、迷う余地はほとんどないと言っていい。

 iPad AirとiPad mini Retinaのどちらを選ぶかは自分の想定する用途次第だが、画面サイズが一回り大きく、表示品質も高いiPad Airは、写真の閲覧や動画の視聴をメインに使う人に向いている。ボディが薄く、軽くなったとはいえ、通勤時の電車で立ったまま電子書籍を読む、という用途ではやはりiPad mini Retinaのほうが使いやすい。

 次回はそのiPad mini Retinaを取り上げよう。

製品名 iPad Air
メーカー アップル
OS iOS 7
本体サイズ(幅×高さ×厚さ) 169.5×240×7.5ミリ
重量 469グラム(Cellularモデルは478グラム)
画面サイズ(液晶方式) 9.7型(IPS)
アスペクト比 4:3
タッチパネル 静電容量式
ディスプレイ解像度 2048×1536ドット(264ppi)
CPU(2コア) A7+M7
動作周波数 1.4GHz
GPU CPU内蔵
メモリ 1GB
ストレージ 16GB/32GB/64GB/128GB
無線LAN 802.11a/b/g/n MIMO
Bluetooth Bluetooth 4.0
センサー デジタルコンパス、3軸ジャイロ、加速度、環境光
主なインタフェース ヘッドフォン(3.5mm)、Lightningコネクタ、500万画素iSightカメラ、120万画素FaceTime HDカメラ
メモリーカードスロット
スピーカー ステレオ
マイク デュアルマイク
セキュリティチップ
セキュリティロックポート
公称バッテリー駆動時間 10時間
バッテリー仕様 32.4Wh
カラーバリエーション スペースグレイ、シルバー
オフィススイート iWork
16GB/32GB/64GB/128GBの価格(Cellularモデル) 5万1800円(6万5800円)/6万1800円(7万5800円)/7万1800円(8万5800円)/8万1800円(9万5800円)
発売日 11月1日

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