「ARROWS Tab QH77/M」――“Haswellでも防水”の2in1デバイスを徹底検証:最新タブレット速攻レビュー(1/5 ページ)

» 2013年12月29日 18時45分 公開
ココが「○」
・第4世代Core搭載で防水・防じんボディ
・本体に収納できる筆圧対応の防滴ペン
・利用シーンを広げる3つのスタイル
ココが「×」
・着脱式キーボードの収縮機構と重量
・第4世代Core U搭載機では性能が控えめ
・スタミナや放熱はBay Trail-Tより不利

はじめに:あれもこれも欲しいを1台で実現した新型2in1デバイス

富士通の12.5型2in1 Ultrabook「ARROWS Tab QH77/M」

 「ぼくのかんがえた、さいきょうの、つーいんわんでばいす」――そんな言葉が思い浮かぶ(もちろん、いい意味で)、実に挑戦的な12.5型の2in1デバイス「ARROWS Tab QH77/M」が富士通から登場した。

 何しろ、Haswellこと第4世代Core(しかも最も省電力な「Y」シリーズではなく、通常のUltrabook向けである「U」シリーズ)と冷却ファンを内蔵していながら、防水と防じんに対応したタブレット本体、着脱式のキーボードによりノートPCとしても利用できる2in1構成で、ワコムの筆圧ペンまで標準装備し、さらに別売のクレードルとつなげば性能と拡張性が向上してデスクトップPCの代替までこなす。

 こうした特徴を列挙していくと、冒頭の言葉もあながち冗談ではないと思えてくるだろう。キーボード付きでUltrabookに準拠した製品だが、富士通のノートPCブランド「FMV LIFEBOOK」ではなく、タブレットブランド「ARROWS Tab」に属することから、タブレットとしての利用に重きを置いていることが分かる。

 もちろん、性能と機能を追求すると、タブレットとしてもモバイルノートPCとしても厚さや重さが増し、放熱設計にも無理が生じるため、全体として中途半端な製品になりがちだが、このQH77/Mはどのようなバランスの製品として成り立っているのだろうか。その実力をじっくりチェックしていこう。

ボディと製品概要:高性能な防水タブレット+キーボード+ペン+クレードル

 まずは写真とともにARROWS Tab QH77/Mの概要を見ていく。

タブレット単体での本体サイズは309.6(幅)×199.3(奥行き)×11.9(高さ)ミリ、重量は約980グラム(実測値は967グラム)。防水・防じんのボディにCore i5-4200U(1.6GHz/最大2.6GHz)と冷却ファン、12.5型フルHD液晶ディスプレイを搭載しているため、このサイズになる。液晶ディスプレイは、10点マルチタッチ対応の静電容量式タッチパネルと、1024段階の筆圧検知に対応したワコム製の電磁誘導式デジタイザも備えている。画面下のWindowsボタンはタッチセンサー式で、押すと振動する
1920×1080ドット表示の12.5型ワイド液晶ディスプレイを搭載(写真=左)。表面に傷や衝撃に強い高強度ガラス「Dragontrail」を貼り付けてある。ガラス表面は光沢で、他の標準的なタブレットと同様、映り込みがある。ブラックで統一された背面は、左側にNFCポートとスライド式の指紋センサーを装備(写真=右)。内蔵カメラは前面が有効約200万画素、背面がカメラライト付きで有効約500万画素だ
横位置の状態で上面の右のほうに小さな吸気口を用意(写真=左)。下面には左右の端にステレオスピーカー、その内側に吸気口、付属のスリムキーボードや別売のクレードルと接続するドッキングコネクタ2基を搭載する(写真=右)
左側面には状態表示LED、ショートカットボタン、音量調整ボタン、電源ボタン、排気口、カバー内にACアダプタ接続用のDC入力を配置している(写真=左)。右側面は、カバー内にSDXC対応のmicroSDメモリーカードスロット、Micro USB 2.0(Micro AB端子)、フルサイズのUSB 3.0を用意するほか、内蔵マイク、ヘッドフォン/マイク兼用端子、スタイラスペンのペンホルダー、ペンひもの取り付け穴が並ぶ(写真=右)
付属のスリムキーボードは、キーピッチが約19(横)×18.5(縦)ミリ、キーストロークが約1.7ミリと余裕があるサイズだ(写真=左)。タッチパッドも92(横)×54(縦)ミリと十分な広さがある。ヒンジ部の左にはタブレット本体のイジェクトボタンを用意している。背面のデザインもシンプルにまとまっている(写真=右)。背面のパネルは中央付近から2つに分かれており、奥側のパネルは後方にスライドしてスタンド代わりになる仕組みだ
スリムキーボードはタブレット本体に合わせた専用設計だ(写真=左)。タブレット本体をスリムキーボードのヒンジ部にグイッと差し込むと合体でき、クラムシェル型ノートPCのスタイルとなる(写真=右)。取り外す際はヒンジ部のボタンを押して、タブレット本体を引き抜けばよい。スリムキーボードの重量は実測で670グラムあり、合体時の総重量は約1.67キロ(実測で1.636キロ)、サイズは309.6(幅)×212.7(奥行き)×20(高さ)ミリとなる
タブレット側がキーボード側より重い設計のQH77/Mでは、液晶を開いた際に自重で後方に倒れないよう、スリムキーボード底面の半分ほどをスライドさせて引き出し、スタンド代わりにして使う必要がある(写真=左)。合体時に液晶ディスプレイのチルト角度は150度程度まで大きく開くが、この状態でも後方に倒れることはない(写真=右)
合体した状態の前面(写真=左)と背面(写真=右)。液晶ディスプレイ(タブレット本体)を開きやすいよう、キーボード側の前面中央部はU字型にくりぬかれている。背面の見た目はUltrabookそのもので、ヒンジ部が不自然に出っ張るようなことはない
合体した状態の左側面(写真=左)と右側面(写真=右)。キーボード側はエッジを薄く絞り込んだデザインで、インタフェース類は装備していない
横位置の状態で、右側面の上部にワコム製の細いスタイラスペンを収納している(写真=左)。ペンは1024段階の筆圧検知に対応し、しかも防滴(IPX2)仕様だ(写真=右)
付属のACアダプタは、サイズが32(幅)×135(奥行き)×29(高さ)ミリ、電源ケーブル込みでの重量が233グラム(いずれも実測値)と、モバイル向けのUltrabookでは標準的なサイズだが、スティック型で持ち運びやすい(写真=左)。容量46ワットアワーのバッテリーを内蔵し、駆動時間は本体のみで約16時間、スリムキーボード接続時で約13.5時間としている。純正オプションとして、拡張性とパフォーマンスを高める「ターボモード用拡張クレードル」(実売価格1万500円前後)も用意している(写真=右)
標準状態のスタート画面。FUJITSUアプリとして、独自のクラウドサービス「My Cloud」などのタイルも用意されている
標準状態のデスクトップ画面(写真=左)。12.5型フルHD液晶は画素密度が約176ppiとなり、Retina級の細かさではないが、電子書籍の雑誌で細かい文字を表示するようなケースを除き、通常の視聴距離でドットが気になることはなく、十分な精細さといえる。スケーリングは125%の拡大表示に設定されており、文字やアイコンの視認性も問題ない。デスクトップのタスクバーには、ウィンドウや任意のアプリを指定したレイアウト通りに整列できる「ぴったりウィンドウ」や「お気に入りウィンドウ」といったユーティリティも登録してある(写真=右)
標準状態のアプリ一覧。同社の製品らしく、Microsoft Office Home & Business 2013をはじめ、電子辞書やはがき作成、独自のユーティリティを多数用意している
富士通 STYLISTIC QH
       1|2|3|4|5 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月24日 更新
  1. 若者向けのカラフルな新「Dell 14S」が日本上陸 11月1日まで4.5万円引きの14万9800円から (2026年10月22日)
  2. “置き場所に困る”大容量ポタ電の壁を打破! 冷蔵庫を3日動かすEcoFlow「DELTA Gen4」シリーズが日本上陸 (2026年10月23日)
  3. 折りたたみ型から薄型まで! スマホやタブレットで“本気”の文字入力に使える持ち運び用キーボードを選ぶコツ (2026年10月23日)
  4. FCCLが「FMV Keyboard X」の一般販売を開始 ハイスペックマウス「FMV Mouse X」も同時発売 (2026年10月22日)
  5. 「Galaxy Watch9」を1週間使って分かったこと Pixel Watchと比べた使い勝手は? (2026年10月23日)
  6. 「iPhone Duo」を1週間使って分かった、全部盛りではない“上質さ” 心地いい開閉ヒンジの内部を見るために“非破壊検査”してみた (2026年10月21日)
  7. スマホは「バッグの中」から「外」へ AULUMUのスリングバッグ2種で移動時のプチストレスを解消した (2026年10月22日)
  8. 約22万円の新型「Mac mini」で初めてのローカルAI体験 ストレージの価格高騰対策にピッタリかも (2026年10月20日)
  9. PFUから33万円キーボード「HHKB Professional Elite」登場! 英語配列のみで有線特化の“原点回帰” 全世界300台限定 (2026年10月22日)
  10. 天空が12月25日に発売する「GPD WIN Max 3」国内正規版 実機に触れてきた (2026年10月23日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー