画面の右下には、OSDメニュー操作用のボタン5つが縦に並んでいる。静電容量式のタッチセンサーを採用し、指で軽くタッチするだけで操作可能だ。
操作は従来モデルと同様で、最も下のボタンに触れると、3種のショートカットメニューまたはメインメニューに入るためのOSDメニューが表示される。ショートカットはユーザーがカスタマイズすることも可能だが、デフォルトでプリセットモード、輝度/コントラスト、入力切り替えと使用頻度が高いものが設定されている。
プリセットモードはいわゆる画質モードで、標準、マルチメディア、ムービー、ゲーム、用紙、色温度(5000/5700/6500/7500/9300/10000K)、色空間(Adobe RGB、sRGB、CAL1、CAL2)、ユーザー(ゲイン、オフセット、色相、彩度)と多彩な設定を用意している。
色温度をケルビン値で指定できたり、色空間のモードを選べるため、キャリブレーションしなくても目安となる表示に合わせやすい。「帯状の色空間」設定では、画面の左半分と右半分で異なる色域を表示することも可能だ。
その他の機能も充実しており、動画用のノイズ軽減や、輝度・色の統一性補正、PBP(左右に2画面表示)、アスペクト比(16:9、自動サイズ変更、4:3、1:1)、動的コントラストなど、ディスプレイの設定で求められる項目は一通りそろえており、大抵の用途に適応できる。
なお、3840×2160/60Hzの表示を行うには、メインメニューに入り、「画面設定」の「DisplayPort 1.2」で「有効」に設定する必要がある。
ディスプレイの各種設定をWindows上で行えるユーティリティ「Display Manager」も付属する。任意のアプリケーションに特定のプリセットモードを割り当てたり、複数のウィンドウをあらかじめ指定した位置に整列させたり、スクリーンセーバー有効時に輝度を低減するといった設定が可能だ。
このようにUP2414Qは4K対応の高精細表示というだけでなく、ディスプレイとして基本的な表示性能もしっかりと整っており、Adobe RGBクラスの広い色域とカラーキャリブレーションのソリューションまで用意し、機能面も充実している。
それでいて冒頭で述べた通り、デルの直販価格は12万9980円(税込)と、価格破壊といえる安さだ。これに、標準で3年間保証と、故障時に良品を先に送ってくれる「良品先出しサービス」、画面上に1つでもドット抜け(輝点)が見つかった場合は交換できる「プレミアムパネル保証」までついてくる。
フルHDやWUXGAより高解像度が欲しいが、27型以上の大画面モデルは設置場所を確保できないので候補外――そんな高解像度でも設置スペースを広げない高精細ディスプレイを待ち望んでいたハイエンド志向のユーザーにとって、約24型で4K表示に対応したUP2414Qはうってつけの1台に違いない。
万人にすすめられる価格ではないが、その繊細な表示には誰もが驚かされるだろう。一見しただけで魅入られて、手を出してしまう人がいても不思議ではない。「ついに外付けの単体ディスプレイも“Retina化”の時代が来る」と思わせるだけの説得力を持つ新世代のハイグレードディスプレイだ。
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