同日都内で開催された新製品発表会では、エプソン販売取締役 販売推進本部長の中野修義氏が、ビジネスプロジェクターの国内市場動向や製品戦略について説明した。
まず中野氏は「2013年度のビジネスプロジェクター国内市場におけるエプソンのシェアは59.1%を記録し、19年連続で国内シェア1位を獲得した(富士キメラ総研調べ)」と順調ぶりをアピール。「伸びが鈍化している既存領域のフロントプロジェクターは維持しながら、今回発表した高光束、インタラクティブオフィス用途、インタラクティブ文教用途の3つの成長領域、特に後者2つに注力していく」と、今後の戦略を語った。

2013年度におけるビジネスプロジェクターの市場概況(富士キメラ総研調べ)を見ると、エプソン製品の台数とシェアが伸びている一方、他社が徐々に減っている(写真=左)。注力する成長領域は高光束、インタラクティブオフィス用途、インタラクティブ文教用途の3つだ(写真=右)今後1年間の販売目標は、インタラクティブオフィス用途が5000台、インタラクティブ文教用途が1万6000台、高光束が5000台で、合計2万6000台としている。
インタラクティブオフィス用途は、2013年度に600%を超える高い成長率を記録し、今後も200%以上の市場伸長率と予測している。この分野のプロジェクターは競合不在で、エプソンのシェアはいわば100%という(正確には、タッチ対応の大画面液晶ディスプレイなどが競合になる)。
インタラクティブ文教用途では、政府の教育ICT投資を背景として、普通教室への電子黒板導入が増えつつある。2012年度から2013年度で市場伸長率は約150%に達し、2013年度にエプソンは77.9%のシェアを獲得した。
文部科学省の教材整備指針では、「2021年までに1教室1台、電子黒板あるいはインタラクティブ機能内蔵プロジェクターを整備すること」を目標に掲げているが、現在の導入状況は約4万のPC教室にとどまり、約46万の普通教室が今後の導入対象だ。そのため、2021年までの約8年間で継続的な大量導入を見込んでいる。
高光束市場では先行するパナソニックが50%超のシェアを持っているが、エプソンは2012年度に12%、2013年度に18%だったシェアを2014年度に25%まで伸ばすことを目標としている。この市場においては、長期的に差を縮めていく構えだ。
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