「dynabook Satellite T954/98L」――世界初“4K”ノートPCの実力は?(使い勝手編)最新PC速攻レビュー(1/2 ページ)

» 2014年05月22日 08時00分 公開
[鈴木雅暢,ITmedia]
ココが「○」
・4K対応IGZOディスプレイを搭載
・4コアCPUと外部GPUによる高性能
・打ちやすいキーボードを搭載
ココが「×」
・ノートPCとしては価格が高め
・画面表示の拡大設定が必要
・大型だがバッテリー交換不可

はじめに:4Kディスプレイ+ハイパフォーマンスの豪華仕様ノートPC

東芝ダイレクトのWebオリジナルモデル「dynabook Satellite T954/98L」。直販価格は20万5000円(税別)から

 ノートPCに“4K”ディスプレイを最初に持ち込んだのは東芝だった。世界初となる4Kディスプレイ搭載ノートPC「dynabook T954」を4月25日に発売したのだ(2014年4月16日時点で世界初/東芝調べ)。高画質に加えて、高性能も兼ね備えており、同社のノートPCブランド「dynabook」の最上位にふさわしい豪華仕様のモデルに仕上がっている。

 今回は同社直販サイト「東芝ダイレクト」で取り扱うWebオリジナルモデル「dynabook Satellite T954/98L」を入手したので、早速その実力をチェックしていこう。

 最大の特徴となる大画面の4Kディスプレイは、3840×2160ピクセルという前代未聞の超高解像度を実現した15.6型ワイド液晶だ。その画素密度は約282ppi(pixels per inch:1インチあたりのピクセル数)と非常に高い。広視野角のIPS方式を用いた低消費電力のIGZOディスプレイを搭載する。

 基本性能の高さも注目に値する。CPUはCore i7-4700HQ(2.4GHz/最大3.4GHz)を搭載するが、これは第4世代Coreの中でも上位のクアッドコアモデルだ。さらに外部GPUとしてAMDのRadeon R9 M265X(専用グラフィックスメモリ2Gバイト)を搭載しており、通常のノートPCとは描画性能もひと味違う。メモリは8GバイトPC3L-12800(4Gバイト×2/最大16Gバイト)、データストレージは1TバイトのハイブリッドHDDという基本スペックだ。OSは64ビット版Windows 8.1を採用し、Office Home and Business 2013は有無が選べる。

 最近のノートPCでは省かれがちな光学ドライブも、左側面にBDXL対応Blu-ray Discドライブ(BD-RE)を装備している。音質面でもharman/kardonステレオスピーカーを内蔵するとともに音響技術ソフトウェアにDTS Studio Soundを導入しており、ノートPCとしてはパワフルで、臨場感のあるサウンドを再現可能だ。Blu-rayコンテンツを含めた映画や音楽などのコンテンツを高画質、高音質で楽しめるのがうれしい。

 また、1000BASE-Tの有線LANをはじめ、最新の高速規格IEEE802.11acに準拠した無線LAN、Bluetooth 4.0を装備するなど通信機能も充実している。4基のUSB 3.0、SDXC対応のSDメモリーカードスロット、HDMI出力(3840×2160ピクセル/30Hz対応)も装備し、通信機能、接続性とも満足できる内容だ。

 ボディは「dynabook KIRA V」シリーズをそのまま大きくしたようなフォルムだ。上品なカラーリング、ヒンジ側の角を丸めた天面の独特なフォルム、金属の質感を生かした表面のヘアライン加工などが印象に残る。本体サイズは約377.5(幅)×244(奥行き)×28(高さ)ミリ、重量は約2.4キロ(実測で2.375キロ)だ。

 気軽に持ち運べるサイズと重量ではないものの、数年前ならば、こういったクアッドコアCPUや大画面の高画質液晶、高音質スピーカーなどを搭載したプレミアムクラスのノートPCは3キロを超えることも珍しくなかっただけに、時代の違い、技術の進歩が感じられる。

 バッテリーの容量は44.4ワットアワー(CPUID HWMonitorで確認)だ。公称の駆動時間は従来のJEITA Ver 1.0測定法で約4時間、より現状に即した負荷をかけるJEITA Ver 2.0測定法で約3.6時間としている。万が一の停電などの場合にも緊急時の残務処理や情報収集などに使える時間は確保されており、クアッドコアCPU、外部GPU、そして大画面の4K液晶を搭載していることを考えれば十分だろう。

ボディと製品概要:クアッドコアCPUを搭載したフルスペックのノートPC

ボディカラーは「ライトゴールド」と呼ばれるシルバーに近いすっきりとしたゴールドを採用している。表面はヘアライン加工で仕上げてあるが、反射が強すぎず、くどすぎず、全体に上品な仕上がりだ
天面は4隅の角のアールを前後で対称とせず、ヒンジ側をより丸めた全体のフォルムは「dynabook KIRA V」シリーズを連想させる(写真=左)。シンプルなヘアライン加工に「dynabook」のロゴのみを配置し、デザイン的なノイズを排除している。底面はスリットが入った黒い樹脂素材を使用(写真=右)。中央やや右、手前側の小さなカバーを開けると、2基のメモリスロット(標準で4Gバイト×2枚が装着ずみ)にアクセスできる。大型ボディのノートPCながら、バッテリーを簡単に着脱できる構造にはなっていない
3840×2160ピクセル(4K)表示の15.6型ワイド液晶ディスプレイが目を引く(写真=左)。ベゼル上部にはWebカメラ(有効画素約92万画素)を装備している。Webカメラを活用した自動ディスプレイ消灯機能(Active Display Off)や、ジェスチャーコントロール機能なども搭載する。液晶ディスプレイの角度は約125度まで開く(写真=右)
アイソレーションタイプのテンキー付き6列キーボードを搭載する(写真=左)。Enterキーはやや小さめだが、Enterキーとテンキーは約7ミリの間隔があるため、ミスタイプの不安はないだろう。強めに押してもたわむようなことがない安定感があり、スイッチの感触も適度で打ちやすい。実測でのキーピッチは横縦とも約19ミリ、キーストロークは約1.5ミリと余裕がある。キーボードにはバックライトも備わっており、暗所でも使いやすい(写真=右)
キーボード手前にはクリックパッドがある(写真=左)。102(横)×68(縦)ミリと十分な大きさがあって操作しやすく、ボタン部分のスイッチの感触もとてもよい。タッチパッドにはシナプティクスのドライバが導入されており、エッジスワイプによるチャーム表示やWindowsストアアプリ切り替えのほか、2本指でのスクロール、つまみズームといった機能が標準で有効になっている(画像=右)
前面にSDXC対応SDメモリーカードスロット、インジケータを用意(写真=左)。背面にインタフェース類はない(写真=右)
側面から見ると「くさび型」というほど絞ったフォルムではないことが分かる。左側面は手前側にBlu-ray Disc(BD-RE)ドライブを装備し、その奥にUSB 3.0×2、有線LAN、ACアダプタ接続用のDC入力がある(写真=左)。右側面は手前側から、ヘッドフォン出力、マイク入力、USB 3.0×2(手前は電源オフチャージ対応)、HDMI出力と端子類が並ぶ(右側面)。奥側の排気口の奥にはセキュリティロックポートもある
ACアダプタの出力は、120ワット(19ボルト/6.32アンペア)と大容量だ(写真=左)。サイズは64(幅)×144(奥行き)×30(高さ)ミリと比較的スリムなデザインだが、電源ケーブル込みの重量は496グラムと、500グラム近くある。キーボードの奥にharman/kardonブランドのステレオスピーカーを内蔵。音響効果ソフトウェアとしてDTS Studio Soundを導入しており、サラウンドや低音強調などの効果を利用できる(画像=右)。ノートPCとしては非常にレベルの高い音質、迫力で映画や音楽コンテンツを楽しめる

東芝ダイレクト

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