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タフでなければ仕事はできない――米軍調達基準の14型Ultrabook「HP EliteBook 1040 G1」仕事にもUltrabookを(1/2 ページ)

» 2014年07月10日 13時30分 公開
[後藤治(撮影:矢野渉),ITmedia]
ココが「○」
・薄型・軽量化したアルミボディ
・米軍調達基準をクリアする堅牢性
・いつでもどこでも使えるLTEモデルを用意
ココが「×」
・ForcePadはやや慣れが必要

Ultrabookなのに米軍調達基準を満たす堅牢性を確保

HP EliteBook 1040 G1

 日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)の「HP EliteBook 1040 G1」は、1600×900ピクセル表示に対応する14型ワイドディスプレイを搭載したUltrabookだ。昨今のノートPCカテゴリは、薄型かつ軽量な点やSSDによるレスポンスの速さ、スタイリッシュなデザインが受け、モバイルでの利用に適したUltrabookの人気が高い。

 今回紹介するHP EliteBook 1040 G1もそうした製品の1つだが、同社のビジネスPC向けブランドである「Elite」の名を冠することからも分かるように、“仕事の道具”であることを追求した数々の特徴を備えてる。

 まず1つが軍調達基準(MIL-STD-810G)に準拠した堅牢性と耐久性だ。従来の「HP EliteBook Folio 9470m」と比べて、本体の厚みを18.9ミリから15.9ミリへと大幅に薄型化する一方で、本体を構成する部品点数を減らすことにより信頼性も向上。同社によれば、落下(高さ76センチ/26方向)、衝撃、振動、粉じんといった一般的な項目に加えて、爆発性気体テスト(Explosive Atmosphere Testing)もクリアする堅牢性を備えたという。爆発性気体テストのクリア基準が求められる職場はあまり想像したくないが、タフなマシンであることは間違いないだろう。また、暗号化されたデータを共有できる「HP Trust Circles」など、EliteBookシリーズが持つビジネス向けのセキュリティ機能を備えるなど、ソフトウェア面での信頼性の高さも特筆できる。

 ボディの具体的なサイズは、338(幅)×233.5(奥行き)×15.9(高さ)ミリ、重量は約1.49キロ。軽量化が進む昨今のノートPCとしてはやや重い印象は受けるが、画面の広い14型サイズであることや、メタルボディの質感の高さなども考慮すれば不満はない。また、薄いためカバンに収納しやすく、持ち歩きで重さを意識することはあまりないはずだ。

天板に鏡面仕上げのHPロゴ。アルミの金属的な質感と落ち着いたデザインは、いかにも“仕事道具”という雰囲気

 デザインはグレーを基調にボトムをブラックで塗り分けたカラーリングで、ビジネスマシンらしい雰囲気。天板のHPロゴは鏡面仕上げながら派手に反射するタイプではなく、全体の落ち着いた意匠に調和している。流行の薄型ノートではあるが、ムダな装飾をそぎ落とした道具としてのシンプルさもあり、いかにも「仕事をしますよ!」と主張しているようで好ましい。

 14型ワイドの液晶ディスプレイは、前述の通り1600×900ピクセル表示に対応する。最近ではフルHDを超える超高解像度ディスプレイもちらほらと見かけるようになったが、まだまだ主流は1366×768ピクセルで、これに比べるとデスクトップ領域は一回り広く、オフィスソフトなどを使った業務に向いている。また、パネル表面は非光沢で、外光の映り込みもなく、目が疲れにくいのもポイントだ。

 バックライト付きキーボードは、いわゆるアイソレーションタイプで、キートップのサイズは約1.5ミリ正方でそろえている。主要キーは約19ミリピッチ、Enterキーのサイズも幅を広くとってあり、余裕を持ってタイピングが行える。キータッチは柔らかめで、個人的にはもう少しクリック感が欲しいと感じた。ただし、その分、打鍵音は抑えられており、少ない力でキーを押下できるので長時間タイピングしても手が疲れにくいはずだ。

 一方、タッチパッドはクリックボタンと一体化された「ForcePad」を採用している。スワイプによるチャームの呼び出しなど、Windows 8に最適化されたパッドだが、Windows 7搭載モデルとして購入する人が多いビジネスマシンでは標準的な2ボタン式のパッドでよかったかもしれない。パッド自体のクリック感がほとんどなく、クリック音も電子的にスピーカーからフィードバックする仕様になっており、個人的には扱いづらいと感じた。初めてForcePadを使う人は、ある程度慣れが必要になりそうだ。

1600×900ピクセル表示対応の14型ワイド液晶ディスプレイを搭載。表面は映り込みの少ない非光沢仕様(写真=左)。アイソレーションタイプのキーボードは広めのEnterキーなど余裕がある。タッチが柔らかく、静音性が高い(写真=右)

キーボードバックライトを搭載(写真=左)。タッチパッドはボタン一体型で、入力領域が約100(幅)×68(高さ)ミリと広い。タッチパッドドライバはSynaptics製。2本指スクロールや回転、ジェスチャー機能などが利用できる(画面=右)

 堅牢ボディや作業効率アップを望める広い画面だけでなく、機動性の高さにも注目だ。持ち運びやすいだけでなく、画面を開けばすぐに使える高速レスポンス、公称約12時間の長時間バッテリーライフ、IEEE802.11a/b/g/n対応無線LANに加えてLTE内蔵モジュール(lt4225)搭載モデルも用意するなど隙がない。まさに「いつでも」「どこでも」「すぐに」使えるノートPCといえ、仕事の道具として申し分ない。あらゆるビジネスシーンでバリバリと使いこなせる心強い相棒になってくれるだろう。

 なお、モバイル用途を重視しているため、インタフェースはDisplayPort出力、USB 3.0×2(うち1つはパワーオフUSB充電機能付き)、スマートカードリーダー、Micro SDカードスロット(SDXC対応)という内容で、高さのある有線LANやアナログRGB出力は省かれている。ただし、アナログRGB出力と有線LANをドッキングできる専用アダプタが標準で付属している。

本体前面/背面/左側面/右側面

有線LANとアナログRGB出力の専用ケーブルを標準で付属(写真=左)。ACアダプタのサイズは、38(幅)×92.5(奥行き)×26(高さ)ミリ、重量は約250グラム(電源ケーブル込み)。小型タイプで軽いため、カバンに入れて持ち運んでも気にならない(写真=右)

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