今回入手した直販モデルのWA2/Rは、店頭モデルのAH77/Rから、メモリを増やし、データストレージをハイブリッドHDDに変更した構成だ。
具体的にはCPUがCore i7-4712HQ(2.3GHz/最大3.3GHz)、メモリが16Gバイト(8Gバイト×2)、データストレージが1TバイトハイブリッドHD(8GバイトNANDフラッシュ、5400rpm回転HDD)、グラフィックス機能はCPU内蔵のIntel HD Graphics 4600、OSが64ビット版Windows 8.1 Updateだ。この構成でベンチマークテストを行なった。
参考までに、同社の13.3型モバイルノートPC「FMV LIFEBOOK SH90/M」で過去に計測したスコアも併記している。SH90/Mは光学ドライブ搭載のオールインワンノートだが、CPUはUltrabookで標準的なCore i5-4200U(1.6/2.6GHz)を採用し、4Gバイトメモリ、500GバイトハイブリッドHDD、64ビット版Windows 8.1といったスペックだ。
まずはCPUパワーを評価するCINEBENCHのレンダリングテスト結果から見てみよう。CINEBENCH R15/R11.5ともにCPU(マルチスレッドレンダリング)のスコアは、標準的なUltrabookの2倍以上のスコアをマークしており、クアッドコアならではのパワフルさを確認できる。シングルスレッドレンダリングのCPU(シングルコア)でも良好な結果だ。
CrystalDiskMarkによるストレージ性能テストの結果は、シーケンシャルリードのスコアが低く出ている。何回かテストを試みたが、傾向は変わらなかった。ハイブリッドHDDはNANDキャッシュの効果を最適化するためにさまざま使い方が工夫されており、このような単純に転送速度を計測するだけのテストでは本来のポテンシャルを発揮できないことがある。
アプリケーションベースでテストを行なうPCMark 7のストレージスコアは、通常のHDDよりも明らかによいスコアが出ているので、気にする必要はないだろう。
そのPCMark 7だが、このテストのみ店頭モデル(AH77/R)でもテストを実施し、スコアを比較した。違いはメモリ容量とデータストレージだ。特にデータストレージの違いの差は大きく、System Storage Scoreでは直販モデルのほうが1.9倍もよい。他のテストもストレージが影響する内容は多く、総合スコアでも30%よいスコアをマークしている。
3DMarkは最新のVer.1.3.708を使ってテストした。内蔵GPUシステム向けのDirectX 11対応テスト「Sky Diver」が追加されている。結果としては、こちらも超低電圧版CPUを搭載したUltrabookなどと比べるとかなり良好なスコアを記録した。内蔵グラフィックスコア自体の動作クロックが少し高いことに加えて、CPUで物理演算シミュレーションを行なうPhysicsのスコアが大きく上がっており、それが総合スコアにも反映されている。
FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編のスコアもやはりCPU内蔵グラフィックスのシステムとしては良好だ。上位クラスのUltrabookよりもワンランク上の描画設定でも楽しめそうだ。
Webブラウズとテキスト入力を想定したBBench 1.01で計測したバッテリー駆動時間は4時間27分だった(残り5%で休止状態に入るまで)。据え置き利用がメインのモデルなので、万一の停電などの場合を考えても十分な駆動時間だろう。
静音性も優秀だ。低負荷時はファンノイズが耳を近づければ分かるかどうかというレベル、高負荷時もそれほど大きな音はしなかった。ボディの放熱も問題ない。発熱は排気口が左側面にあるため、底面左端付近を中心にボディ左側の温度がやや高めという程度で、不快に感じるような発熱はなかった。
※Windows 8.1の電源プランは「バランス」に設定
※電源プラン「バランス」+輝度40%固定+無線LAN接続+Bluetoothオン。BBench 1.01(海人氏・作)にて「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」、WebブラウザはInternet Explorer 11を指定し、タブブラウズはオフ。満充電の状態からバッテリー残量が残量5%で自動的に休止状態へ移行するまでの時間を計測
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