2014年上半期の「2in1/モバイルPC」おすすめ“10選”PC USERアワード(1/2 ページ)

» 2014年08月12日 11時45分 公開
[前橋豪,ITmedia]

2in1とクラムシェルをまとめて検討してみる

2014年上半期のおすすめ2in1/モバイルPCは?

 本特集「PC USERアワード」では、ITmedia PC USER編集部がジャンル別におすすめ製品を格付しながら紹介していく。対象となる製品は、2014年上半期(1月〜6月)に登場した新モデルを中心として、同期間に販売中の現行モデルも含めている。

 今回のテーマは「2in1」と「モバイルPC」だ。キーボードの着脱機構や変形機構を備えた2in1デバイス(コンバーチブル型PC)と、可搬性の高いクラムシェルノートPCをまとめて取り上げる。現在、モバイルPCの購入を検討する場合、これら2つのカテゴリーを横断的に見て製品選定することが多いと思われるからだ。

 ちなみに「Surface Pro」シリーズのようなCoreプロセッサ搭載の高性能なWindowsタブレットは、UltrabookなどのノートPCと同等のCPUを搭載し、冷却ファンも内蔵することから、サイズ感や使用感がiPadやAndroidタブレットと明らかに異なり、キーボードカバーを装着して使うことが前提の製品なので、今回のアワードに混ぜている。

 一方でAtomプロセッサ搭載の省電力なWindowsタブレットは、使用感および価格帯がiPadやAndroidタブレットに近いため、以前掲載した「タブレット編」に含めた。合わせて参照していただきたい。

2014年上半期のおすすめ「2in1/モバイルPC」――ITmedia PC USER編集部が選ぶ
GOLD Surface Pro 3 (日本マイクロソフト)
SILVER dynabook KIRA L93 (東芝)
BRONZE LaVie Z (NEC)
Recommended Let'snote MX3 (パナソニック)
Recommended FMV LIFEBOOK TH90/P (富士通)
Recommended 13インチMacBook Air (アップル)
Recommended 13インチMacBook Pro Retinaディスプレイモデル (アップル)
Recommended ThinkPad X240s (レノボジャパン)
Recommended Yoga 2 Pro (レノボジャパン)
Recommended TransBook Trio TX201LA (ASUSTeK Computer)

「ゴールド」――Surface Pro 3 (日本マイクロソフト)

 今年前半の話題をさらったマシンといえば、やはり「Surface Pro 3」だ。5月下旬に米国で発表されるやいなや、大画面化しながら薄型軽量化も果たしたこの新モデルが、日本でも大きな注目を集めた。7月には国内販売も始まり、すでに入手した方も少なくないだろう。

日本マイクロソフトの「Surface Pro 3」

 Surface Pro 3がなぜ受けているのか? それはキーボード付きカバー(タイプカバー)や筆圧ペン(Surfaceペン)を組み合わせることで、タブレットとしても、ノートPCとしても、そしてデジタルノートとしても高水準なユーザー体験を提供しているからだ。

 こうしたキーボード着脱式のCoreプロセッサ搭載2in1は、前モデルのSurface Pro 2も含めて前から存在していたが、ボディの厚さや重さが単体のタブレットより不利で、入力環境や拡張性がノートPCより不利と、率直に言って、タブレットとしてもモバイルノートPCとしても中途半端な製品になりがちだった。1台2役と言えば聞こえはいいが、実際は帯に短したすきに長し、といった印象を持つ方も少なくなかったはずだ。

 その点、Surface Pro 3はSurface Pro 2の弱点を確実につぶしてきており、高性能2in1としての完成度は大きく高まっている。タブレットスタイルで横位置でも縦位置でも広く使えるアスペクト比3:2の大画面ディスプレイ、OneNote連携が強化されてデジタルノート用途で使いやすくなったペン機能、改良されたキックスタンドとタイプカバーによるクラムシェルノートPCの代替用途と、2in1が陥りがちな中途半端さから脱却し、「これならそれぞれのスタイルで十分使える」と思わせるだけのレベルに到達しているのだ。

 第4世代Core Uシリーズ搭載タブレットのボディとしては、極限まで薄型軽量を突き詰めたため、高負荷状態が続くとサーマルスロットリングによる性能低下が発生する点は今後の課題だが、ハイパフォーマンス重視でモバイルPCを選ぶのでなければ、Surface Pro 3は有力候補になるだろう。2in1の可能性を幅広いユーザーに示した功績をたたえたい。

「シルバー」――dynabook KIRA L93(東芝)

 2in1の可能性をSurface Pro 3とは別の角度から追求し、前代未聞の“7スタイル”を実現したのが東芝の「dynabook KIRA L93」だ。通常の2in1は、液晶ディスプレイの360度回転ヒンジ機構もしくはキーボード着脱機構を備えているが、dynabook KIRA L93はこの両方を搭載することで、ノートPCスタイルとタブレットスタイルに独自の5スタイルを加えていることに驚かされる。

東芝の「dynabook KIRA L93」

 7つのスタイルと言われると、逆に使いこなしが難しそうと思うかもしれないが、実際はあまり深く考えず、使いたい格好で好きなように楽しめばいい。文字入力がしやすいスタイルから、コンテンツを閲覧するのに適したスタイルへ、あるいはペン入力向けのスタイルへと、PC自体のカタチにとらわれず、ユーザーが自由に柔軟な活用ができる設計には、今後のPCが目指すべき方向性、そのヒントが隠されているようにも思える。

 同社製クラムシェルノートPCのプレミアムモデルとして名高い「dynabook KIRA V」シリーズ譲りの高画質・超高精細ディスプレイ(13.3型/2560×1440ピクセル)を継承しながら、1024レベルの筆圧に対応した電磁誘導式のワコム製デジタイザ、手書きに最適化した太めの専用デジタイザペン、本体に収納できる細いペンも付加するなど、複雑な変形機構だけでなく、スペックのこだわりも目を引く。

 採用するCPUは第4世代Core Yシリーズ(Core Uシリーズに比べて省電力で低発熱だが、性能面で不利)ながら、同CPU搭載機としては高いパフォーマンスを確保しているのも好印象だ。スカンジナビアに拠点を置くデザイン会社「No Picnic」とのコラボレーションによって生まれたスリムなアルミボディの質感も素晴しい。

 盛りだくさんの1台ゆえに、ボディの総重量が約1.75キロ、キーボードを外した状態でも約1.3キロと重みがある点、そして価格が割高な点は惜しいが、昨今は海外メーカーに比べてコンサバティブな製品が目立つ感のあった国内メーカーから、ここまでチャレンジ精神にあふれる斬新なPCが出てきたことは素直にうれしい。

 現時点のアーキテクチャでこの仕上がりなので、より電力効率が向上した次世代プロセッサの時代になれば、この製品をバネにして、東芝からさらに驚くようなPCが登場することも期待できる。その際はモビリティに比重を置いた進化系も見たいものだ。

「ブロンズ」――LaVie Z(NEC)

 上記の2製品は進化が著しい2in1からのノミネートだが、年月を重ねて成熟の域にあるクラムシェルノートからは、NECの「LaVie Z」を選出した。

NECの「LaVie Z」

 2013年秋冬モデルで“第2世代のLaVie Z”に進化し、今年はマイナーチェンジを重ねているが、新素材のマグネシウムリチウム合金や数々の薄型軽量化技術を凝縮した「13.3型で約795グラムから」の超軽量ボディはいまだに強い魅力を放っている。何しろ、薄型軽量ボディが受けている12型タブレットのSurface Pro 3(タイプカバーなしで約800グラム)より、キーボード搭載の設計で軽いのだ。

 もちろん、薄さや軽さのせいで、ほかの部分に大きな弱点を抱えていることもない。2560×1440ピクセルの超高解像度IGZOディスプレイ(タッチ非搭載)と、タッチパネル付きで1920×1080ピクセルのフルHD液晶ディスプレイが選べるのは気が利いている。タッチパネル付きでも重さは約964グラムと非常に軽量だ。ボディカラーも第2世代になって「ストームブラック」が加わり、質感が向上している。

 今回は先進性を重んじて上位2製品に2in1を推しているが、タブレット的な使い方を想定せず、モバイルPCとしての実用度で製品を選ぶならば、LaVie Zは高い満足度が得られるに違いない。

 なお、モビリティの高いWindowsクラムシェルノートとしては、ソニー改めVAIO株式会社の「VAIO Pro」シリーズも挙げられる。しかし、VAIO新会社の発足は7月1日と今年上期にギリギリ入っていないため、今回は選外とした。

 この夏、携帯性重視で13型クラスのクラムシェルノートを選ぶ場合、持ち運びやすさや高画素密度を最優先するならば軽さと画面解像度で勝るLaVie Z、パフォーマンス志向ならば(8Gバイトメモリ+PCIe SSD採用の)VAIO Pro 13が有力候補になるだろう。

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