パラレルス、Yosemiteに対応するMac仮想化ソフト「Parallels Desktop 10 for Mac」：Yosemiteへの備えはこれでOK（2/2 ページ）

[笹田仁，ITmedia]

用途を選ぶだけでメモリ量やCPU数を自動設定

　続いて説明に立ったのはパラレルズ本社のクロスプラットフォームソリューションズ担当シニアプロダクトマネージャーのカート・シューマッカ―（Kurt Schumucker）氏だ。シューマッカ―氏はParallels Desktop 10の新機能の中でも目立つものを、実際に動作させながら説明した。

パラレルズ本社のクロスプラットフォームソリューションズ担当シニアプロダクトマネージャーのカート・シューマッカ―氏

　シューマッカ―氏はまず、初心者向けの新機能として、仮想マシンがDockのアイコンという形で現れる点を挙げた。何の前準備もせずに、いきなりDock上のアイコンをクリックすることで仮想マシンが起動する。

　次に紹介したのは、仮想マシン作成時にユーザーに用途を尋ねる機能だ。用途を尋ねることで、それぞれの用途に合わせてメモリ容量などの項目を自動的に設定する。提示する用途は、Web、メール、スプレッドシートなどの一般的な用途と、ゲームと、デザインと、ソフトウェア開発だ。

　仮想マシンのCPU数やメモリ容量を決める際に、判断材料がなくて決めかねるということは多いと思う。シューマッカ―氏によると、Parallels Desktopには100を超える設定項目があるという。それをすべて手動で設定するとなると、初心者でなくても疲れきってしまうだろう。もちろん、従来通りにCPU数やメモリ容量などをユーザー自身が設定することもできる。

仮想マシンの用途を尋ねるダイアログ

空きができた仮想ディスクを圧縮

　シューマッカ―氏が説明した新機能の中でも、すべてのユーザーに役立つものが、空きができた仮想ディスクを縮小させる機能だ。これまでは仮想マシンにアプリケーションをインストールしたり、大きなデータを入れたりすると、仮想ディスクは膨れ上がる一方で、小さくなることはなかった。たとえアプリケーションを削除しても仮想ディスクは小さくならず、仮想ディスク内に空き領域ができるだけだ。

　今回の新機能を使えば、空き領域がある仮想ディスクから空き容量をなくし、仮想ディスクを縮小させることができる。多くの仮想マシンを作って使い分けるような場合、仮想ディスクが大きくなって、PC本体のストレージを圧迫することがある。新機能を使えば、仮想ディスクを縮小させることで簡単にストレージに空き領域を作ることができる。

仮想ディスクを縮小するツールを起動したところ

Windows 8のスタート画面をLaunch Padのように

　Windows 8（Windows 8.1）と組み合わせたときに役立つ機能もある。Windows 8のスタート画面をOS XのLaunch Padのように表示させる機能だ。OS XでLaunch Padを起動すると、背景がボケてアプリケーションのアイコンが画面いっぱいに並ぶ。新機能を使うと、Windows 8のスタート画面をLaunch Padのようにボケた背景の上に表示させることができる。OS Xの機能とWindowsの機能の融合を進めていると感じることができる新機能だ。

Windows 8のスタート画面をLaunch Padのように表示させたところ

Yosemiteを先取り

　Yosemiteの新機能に対応していることも今回の新版の大きなポイントだ。例えば、仮想マシン上でWebブラウザを起動してWebページ上の電話番号を選択し、表示を反転させて右クリックすると、メニューの中にその番号に電話をかける項目が現れる。この項目をクリックすれば、FaceTimeなどが起動して通信が始まる。

　また、印象に残った文など、特定の文字列を反転表示させて右クリックするとシェアするという項目が現れる。ここにマウスのポインタを合わせると、TwitterやFacebook、LinkedInなど、ソーシャルメディアの名前が並ぶ。任意の項目を選んでクリックすれば、選択した文をソーシャルメディアに送って、自身のアカウントを使って発信することができる。

　Windows 8.1やMicrosoft Office 2013は少しずつ普及している。Yosemiteは今年の秋にも登場しそうな気配だ。Macを使っていても、それだけで通すことは難しいものだ。どこかでWindowsが必要になる。今すぐWindowsを使う予定がなくても、その準備として、Parallels Desktop 10を準備しておくのも良いのではないだろうか。