モバイルゲーミングの傑作機「NEXTGEAR-NOTE i420」徹底レビュー(後編)PC USERアワード「ゴールド」受賞(2/2 ページ)

» 2014年10月02日 09時00分 公開
[ITmedia]
前のページへ 1|2       

ボディの発熱と騒音をチェック

キーボード裏の中央と右側にCPUとGPUを内蔵し、それぞれ独立したヒートパイプが左側面の排気口にあるヒートシンクまで伸びている。高負荷時はファンが高速に回転する

 ここから非接触温度計と騒音計を使って、動作時の発熱および動作音をチェックしていく。

 ボディの発熱は、下の写真で示したように9つのエリアに分けて、最も温度の高い部分を記載した。室温は25.8度。傾向として、CPUとGPUが内蔵されているキーボード中央から上段右寄りが熱源になっており、排気スリットがある左側面方向はそれほど熱くなっていないことが分かる。

 また、パームレスト側は、システムに高い負荷をかけた状態でも40度を超えることはなく、手の平がほんのり暖かみを感じる程度で、ほとんど気にならない。一方、「I」キー周辺は41.2度まで上昇し、こちらは指先にやや熱を感じる。もっとも、全体的に見て高負荷時でも温度が極端に上昇する部分は少なく、排熱設計は比較的優秀といえる。

アイドル時(写真=左)と高負荷時(写真=右)の温度(室温25.8度で計測)

 一方、強力なCPUとGPUの発熱を抑えるために、左側面側に搭載されたファンが勢いよく回転し、騒音源となっている。深夜のオフィス(環境騒音30デシベル以下)でPC画面から約30センチの場所に騒音計を設置して計測したところ、アイドル時は31.4デシベルとほぼ気にならないが、ベンチマークプログラムなどを実行すると最大で50.8デシベルまで上昇した。

 それだけ冷却効果が高いといえるが、昼間の騒がしいオフィスでもはっきりとファンの回転音が聞き取れるレベルで、控えめに言ってもかなり気になる。最大回転時はかすかにボディが振動するほどだ。騒音面は本機の弱点の1つだろう。深夜にゲームをプレイする人はヘッドフォンの着用をオススメしたい。ちなみに、アイドル時を除くと3段階(36/45.2/50.8デシベル)でファンノイズが増大していく傾向にある。特にマルチコアでレンダリングを行うCINEBENCHではファンの回転が上がりやすかった。

性能チェック

 最後にベンチマークプログラムでNEXTGEAR-NOTE i420の性能をチェックしていこう。評価機は、CPUにCore i7-4710MQ(2.5GHz/最大3.5GHz)を採用し、8Gバイトメモリと、128GバイトSSD+1TバイトHDDを搭載するシルバーモデル「NEXTGEAR-NOTE i420SA1」だ。同シリーズは8万9800円(税別)から購入できるが、評価機は12万9800円(税別)の構成になる。

 なお、SSDを搭載しない低価格構成の購入検討も視野に入れ、PCMark 8およびPCMark 7では、システムドライブがHDDのモデル(それ以外の構成はSA1と同一)を並べ、旧モデルとグラフィックス性能を比べるため、3D系ベンチマークではGeForce GTX 765Mを搭載する「NEXTGEAR-NOTE i410SA1」を比較対象に挙げている。

 PCMark 8の結果は、Homeが3578、Creativeが4119、Workが4296というスコアで、いずれもHDD搭載モデルを上回った。PCMark 7になるとこの差はさらに広がり、mSATA接続ながらシステムドライブにSSDを採用するメリットが大きく出ている。アプリケーションの起動や高速なレスポンスなど、日常的な操作の快適さも求めるならSSD搭載モデルを選択したいところだ。

PCMark 8(画面=左)とPCMark 7(画面=右)の結果

 一方、3DMarkの結果を見ると、GeForce GTX 765Mを搭載する旧モデルに比べ、Cloud GateとFire StrikeのGraphicsスコアで、ともに1.5倍前後の伸びを見せている。i410シリーズもゲーミングノートと呼ぶにふさわしいグラフィックス性能を備えていたが、GPUがMaxwell世代に移行し、消費電力の面だけでなくさらに性能を向上しているのが目を引く。

 なお、人気ゲームタイトルであるFINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編を試したところ、1920×1080ピクセル表示の高品質(ノートPC)設定でも7749で「非常に快適」、最高品質でも5758で「とても快適」の指標となった。エフェクトを調整すればフルHDでも60fpsでのゲームプレイが可能だろう。家庭用ゲーム機を超える高い品質で、場所に縛られずにエオルゼアの世界を楽しみたいという人には、コンパクトな本機が有力な選択肢になるはずだ。

3DMark(画面=左)とFINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編(画面=右)の結果


 以上、前編/後編に渡って「NEXTGEAR-NOTE i420」シリーズを見てきた。持ち運びも可能な13.3型クラスのボディに強力なシステムを詰め込んだ本機は、製品担当者の杉澤氏が「企画時のコンセプトをほぼ100%実現できた」と語る意欲作だ。

 もちろん、ACアダプタも含めた本体重量や、厚みのあるボディ、高負荷時のファンノイズなど、欠点がないわけではないものの、ここまで見てきたように本機の魅力はそれを上回ってあまりある。今回評価機として取り上げたシルバーモデルは、期間限定で実施されているG-Tuneブランド10周年記念セールで、1万円引きの12万9800円(税別)とお買い得な価格設定になっているので、是非検討してみてはいかがだろうか。

→PC USER特設ページ「mouse computer station」
安い!速い!でかい!コスパ重視なのに性能はゲーミング級。「G-Tune」を脅かす下克上モデル「m-Book W」シリーズに注目ッ!!


マウスコンピューター/G-Tune
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー