ここ最近の円安により、アキバではHDDやSSD、メモリの値上がりが見られるようになってきた。某ショップは「特に回転率の高いパーツほど影響が出やすいので、特価でも3TバイトHDDを8000円台にするのは当分難しいでしょう」と語る。
値上がり傾向は年末ごろまで続くと予想する声が多いが、一方で買い控えや駆け込み需要で店内が混乱しているといった話は聞かない。BUY MORE秋葉原本店は「(購入単価の大きい)法人さんには駆け込みで買われる方がいくらかいらっしゃいますが、店舗全体で見るとそう大きな変化があるわけではないですね。ここ数年の大変動に比べたら、そんなでもないです」と話す。
大変動に挙げられるのは、多くのショップで共通している。2011年10月以降のタイ洪水によるHDDの枯渇と価格の高騰と、2012年末から2013年年始後しばらくまで続いた政権交代後の円安の影響、2014年3月末にピークを迎えた消費税増税前の駆け込み需要の3つだ。
特に2012-2013年の円安の動きは今回の引き合いに出されることが多い。パソコンショップ・アークはこう分析する。「当時は円安の勢いも期間もケタ違いで、PCケースやマザー、グラフィックスカードまで値上がりしました。今回は今のところ、ストレージやメモリといった元から変動しやすいパーツに限定されているので、まあ、想定内というところだと思います」。
加えて、現在のPCパーツ市場が2011年以来の混乱を経験している層に支えられていることに注目する声も聞いた。某ショップは「新規に自作PCを組むという人の割合が増えていないんですよ。多くの人が歴戦だからうろたえない。それがいいことなのか悪いことなのか分からないですけど」と話していた。
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